シン・ゴジラ / Shin Godzilla

シン・ゴジラ / Shin Godzilla

2016年7月29日より公開された空想特撮映画。脚本・編集・総監督は、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」で有名な庵野秀明。監督・特技監督は、漫画「進撃の巨人」の実写版を作った樋口真嗣。東宝製作のゴジラシリーズとしては12年ぶり、29作品目となる。
東京湾より突如現れた巨大不明生物ゴジラに対し、日本政府が立ち向かっていく様を描く。
キャッチコピーは「現実(ニッポン)対 虚構(ゴジラ)」

0xweda0910のレビュー・評価・感想

レビューを書く
シン・ゴジラ / Shin Godzilla
9

リアルな臨場感と政治的な深みを持つ『シン・ゴジラ』

『ゴジラ』シリーズのひとつであり、新たなアプローチで怪獣映画の可能性を広げた作品です。監督である庵野秀明と樋口真嗣のコンビが手がけた本作は、リアルで重厚な描写や政治的な要素を取り入れ、緊迫感あふれるストーリーを展開します。

この映画の最大の魅力は、そのリアリティとスケールの大きさです。ゴジラが東京に現れた際のパニックや混乱、政府や専門家たちの対応を描いたシーンは、まるで本当に起きているかのような臨場感を味わえます。特にゴジラの巨大さや破壊力が圧倒的であり、その存在感に度肝を抜かれます。
また本作は日本社会や政治をテーマにしており、災害時の対応や官僚主義の問題、国際連携の難しさなど現実の社会問題を巧みに取り入れています。政府の対応策の遅さや意思決定の難しさが描かれ、官僚たちの苦悩や奮闘がリアルに描かれています。

また映像美も素晴らしく、ゴジラの迫力溢れる姿や破壊される都市の様子は、圧倒的な映像技術によって見事に表現されています。音楽も劇中の緊迫感を高め、観客を一層引き込んでくれます。

しかしながら、本作にはいくつかの批判もあります。特に登場人物の多さや政治的な話題の複雑さから、一部の観客にとっては理解しにくい部分があるかもしれません。また、ゴジラ自体の描写や出番が少ないと感じる人もいます。

総じて映画『シン・ゴジラ』は、圧倒的なリアリティとスケール、政治的な要素を含んだストーリー展開が特徴的な作品です。『ゴジラ』シリーズの新たな一面を見せてくれるだけでなく、日本社会や政治に対する問いかけもなされています。そのため、怪獣映画だけでなく、政治ドラマや社会派映画が好きな人にもおすすめの作品です。