グリーンブック / Green Book

グリーンブック / Green Book

『グリーンブック』とは、ユニバーサル・ピクチャーズ配給、ピーター・ファレリー監督による長編伝記コメディ映画。黒人差別が強い時期に、単独でディープサウスへの演奏旅行へ挑む天才黒人ピアニストと腕っぷしが強いイタリア系アメリカ人運転手が、ツアーの道程でさまざまな嫌がらせに遭遇し、当初はいがみ合いながらも一つ一つトラブルを切り抜け、最終公演までツアーを敢行する。その後2013年まで生涯続くことになる、厚い友情と信頼関係を築きあげるまでを描いた。8週間の実録ロードムービー。2018年制作・アメリカ作品。

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グリーンブック / Green Book
9

凸凹コンビの波乱万丈なドライブ旅

2019年のアカデミー賞に受賞されているこちらの作品。高級クラブの用心棒として働くトニー・リップが、黒人ピアニストのドクター・シャーリーが主催するコンサートツアーの運転手に雇われ、一緒に旅をしていく物語です。
しかし、この作品では常に登場してくる大きなテーマがあります。それが黒人差別についてです。

1960年代のアメリカ南部を舞台に設定されているため、当時実際あった黒人差別が物語に大きく関係してきます。白人であるトニーは以前から黒人を差別し嫌っていました。ですがトラブルを起こし職を失ってしまったトニーはある日、シャーリーの運転手をする仕事に応募し、黒人であるシャーリーを嫌いながらも気に入られコンサートツアーを共にすることになります。
そしてコンサート会場でシャーリーは素晴らしい演奏をし、観客に称賛されるのですが、トイレを借りようとした時みんなが使っているトイレではなく、外の草木でするように言われる。一般的なホテルには泊まれないなど、行く先々でシャーリーは差別を受けてしまいます。

シャーリーはみんなに自分のピアノを聞いてほしいと思っていても見た目で差別されてしまう現実に絶望し、ついには演奏を断念していまいます。しかし以前まで黒人を嫌っていたトニーは、そんなシャーリーの悲しさを一緒に旅をしていく中で理解するようになり、徐々にシャーリーと仲良くなっていきます。人種や立場が違う2人が様々なドラマを繰り広げる友情の物語です。