魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica

魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica

『魔法少女まどか☆マギカ』とは、蒼樹うめの描くポップで可愛らしいキャラクターと虚淵玄の描くハードで重いストーリー展開が特徴のダークファンタジー。願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、人知れず人類の敵と戦うことになった少女たち。優れた魔法少女となれる可能性を持ちながらも傍観者として関わることになった中学生・鹿目まどかを中心に、少女たちの希望と絶望を描く。

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魔法少女まどか☆マギカ / まどマギ / Puella Magi Madoka Magica
6

魔法少女の必要性

ストーリー上では、「魔法少女」は人の感情をエネルギーとして入手するためにインキュベーターが作ったシステム。その過程で魔法少女が絶望して魔女になり、その魔女を倒すために新たな魔法少女が生まれるという事態に陥っている。
インキュベーターの目的も宇宙のためという大義名分があるため、その行動を否定しきれない。無論、そのために少女が犠牲になるのは間違っている。
問題なのは最終話での魔法少女の立ち位置とまどかの願い。まどかは過去から未来に置ける魔女の消滅を願ったが、同時に少女を永遠に魔法少女のままにするという願いも合わさっている。
その結果生まれ変わった世界では、魔女がいない代わりに魔獣という存在が新たに魔法少女が倒す敵として現れる。魔法少女も魔女になる前に円環の理に救済される。
だが、そもそもの話。魔法少女と魔女というのは宇宙の延命にために作られたシステムであって少女達のためにあるわけではない。まどかの願いはそのシステムの私物乱用に近い。
また、魔法少女の中には戦いたくない者、なりたくてなったわけでもない者もいる。アニメでは出ていないが魔法少女を辞めたいと願っている少女もいる可能性がある。そういった者達にとって円環の理は救いではなく地獄に等しくもある。
「永遠に魔法少女でいたい」という願いは魔法少女の共通の願いと言うよりは、まどか個人の願望でしかない。それは善意といよりも欲望に見えた。
根本的なところ、インキュベーターが魔法少女を必要としなくても感情をエネルギーとして手に入る術を見つけたら、魔法少女の存在は必要なく。かつ、一般人が魔獣に対抗できる術を手にしたら、少女達が魔法少女になる必要がなくなる。