ハウルの動く城 / Howl's Moving Castle

ハウルの動く城 / Howl's Moving Castle

「ハウルの動く城」とは宮崎駿監督、スタジオジブリ製作の日本の長編アニメーション映画作品である。2004年11月20日に全国公開され、興行収入は196億円。スタジオジブリ製作アニメでは「もののけ姫」を抜き、「千と千尋の神隠し」に次ぐ第2位の記録を樹立した。
物語は魔法と機械が混在する架空の世界が舞台。呪いで老婆にされた少女ソフィーと魔法使いハウルの戦火の恋を描く。

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ハウルの動く城 / Howl's Moving Castle
7

原作読書後に観てほしい!ハウルの動く城

公開当初から「ハウルの動く城」はよくわからない、という声が多く聞かれた。
登場人物たちが暮らす世界についてや主人公ハウルと王宮との関係が、混乱させているのかと思う。
でもそんな人たちにはぜひ原作を読んでから、もう一度鑑賞してほしい。
特にハウルとソフィーが初めて出会う際は、え?そっちがハウル?と驚くはずだ。
実は原作においてハウルはソフィーをナンパした兵士側の方だったのだ。
作中のマスコット的存在ヒンも実は別の登場人物の変身姿。
サリマン先生に代わりに戦争に行くのを断ってよと、とんでもない依頼をするハウルにもちゃんと理由があることが、物語後半に明かされる。
それだけでなく、あらゆる場面でハウルはソフィーを気にかけているのだ。
映画だけでは、ハウルは気まぐれなイケメンだが、原作ではきちんと理由がある偉大な魔法使い。
本作は宮崎駿監督にしては珍しく、原作と映画がニコイチなのだ。
原作未読者には不親切な物語進行が評価を下げていると思うと、とても残念だ。
が、それを抜きにしても、やはりジブリ作品として大変面白いし、画面の使い方が本当に素晴らしい。
特に原作にない空中散歩は素晴らしい発想だと思う。
キャラクター造形についても、過去一の美形に仕上げるために随分苦労したと聞く。
一度鑑賞した人も、できれば原作を読了後再度この映画を楽しんでほしい。