ヒカルの碁 / ヒカ碁 / Hikaru no Go

『ヒカルの碁』(ヒカルのご)とは、ほったゆみ(原作)、小畑健(作画)による囲碁を題材とした少年漫画。日本棋院所属の女流棋士・梅沢ゆかりが監修を務めた。集英社刊行の『週刊少年ジャンプ』にて1999年2・3合併号から2003年33号まで連載されていた。略称は『ヒカ碁』。
勉強は苦手だけど運動は得意な主人公進藤ヒカルが、平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)と出会うことによって興味すらなかった囲碁の世界に徐々にのめりこんでいく。同世代最強で将来を有望視される塔矢アキラを中心に様々なライバルと出会うことによってプロを目指し、囲碁だけでなく人間的にも成長していくサクセスストーリー。
囲碁用語は出てくるがルールがわからなくても楽しめる範囲で描かれており、小中学生を中心に囲碁ブームを巻き起こした。
2001年10月よりテレビ東京系列にてアニメが放映された(全75話)。監修の梅沢ゆかりが本編終了後のミニコーナーにも登場した。

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ヒカルの碁 / ヒカ碁 / Hikaru no Go
9

圧倒的画力と丁寧な人間模様が織りなす、囲碁漫画の金字塔!

週刊少年ジャンプで連載されていた囲碁がテーマの漫画「ヒカルの碁」には派手な必殺技も、かわいい女の子のお色気シーンも、絶対に倒さなければならない悪役も存在しない。
しかし、「少年ジャンプで好きな漫画は?」という質問でこの作品を挙げる人も多い。それはなぜか。
まず「心理描写」がとにかく丁寧だ。囲碁漫画のため、物語は囲碁の対局を中心に進んでいく。
対面で座って順番に碁を打っていくという過程は、普通に考えると地味になりそうである。
動きに変化もないし、何より囲碁のルールが正確に分かる人は少数。
しかし、主人公を含むそれぞれのキャラクターの心理描写が丁寧に描かれているため、対局の緊張を読者もリアルに感じることができ、
退屈しないで次はどう考えるんだ?どうやってこの局面を打開するんだ?と物語に入り込むことができる。
対局の内容自体よりも、キャラクターの心情を丁寧に追っているため、囲碁を知らない少年少女でも、共感しやすくなっているのだ。
最終巻まで読んでも囲碁のルールは分からないという意見をよく聞くが、きっとそれは作者の意図がしっかりはまったことを意味している。
そしてなんと言っても圧倒的画力。
「DETHNOTE」や「バクマン」の作画で知られる小畑健の美麗タッチで描かれる本作は、とにかく演出がすごい!
主人公のヒカルが対局中に涙するシーンは、小畑健の画力がなせる業だ。
1巻と最終巻を比べると、画風がかなり変化している。どの時期の絵柄もそれぞれの魅力があるので、自分の好きな絵柄を見つけるのも楽しいかもしれない。