聖飢魔II / SEIKIMA-II / THE END OF THE CENTURY

聖飢魔IIとは、地獄出身の悪魔達によって結成された「音楽を通じた布教活動を行う集団」である。主な音楽性はヘヴィメタル。
地獄の皇太子・ダミアン浜田によって1982年12月末に結成された後、創立者であるダミアン浜田を含めた複数のメンバーチェンジ(悪魔事異動)を経て、デーモン小暮(デーモン閣下)を中心とした5名で1985年にアルバム(大経典)『聖飢魔II~悪魔が来たりてヘヴィメタる』でメジャーデビューを果たす。
およそ14年間に渡り、17枚の大教典と26枚の小教典(シングル)を発布(リリース)し、1999年12月31日をもって解散する。その中には当時のヘヴィメタルバンドとしては史上初のオリコン初登場1位を記録した極悪集大成盤(いわゆるベストアルバム)『WORST』を含む。
解散後もおよそ5年毎に再集結をし、そのつど教典やミサ(ライヴ)を行っている。解散時のメンバーはデーモン小暮(Vo)、エース清水(Gt)、ルーク篁(Gt)、ゼノン石川(Ba)、ライデン湯沢(Dr)の5名。解散後の再集結時にはさらに元メンバーのジェイル大橋(Gt)が加わり、最大6名構成となっている。

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聖飢魔II / SEIKIMA-II / THE END OF THE CENTURY
10

日本屈指の実力派バンドにしてエンターテイナー

1982年結成、1985年にヘヴィーメタルバンドとして地球デビューを果たした『聖飢魔II』。
ご存知の通り、見た目は若干奇抜だがこれはメイクではない。なぜなら彼らは悪魔だから。
デーモン閣下がボーカルを務めるバンド、と言えばおわかり頂けるだろう。
『聖飢魔II』は1999年、デビュー当初からの宣言通り、「地球征服完了」のため惜しまれつつ解散した。
おどろおどろしい外見からは「イロモノバンド」と思われがちだが、実際に彼らの楽曲を聴くと驚くほどに各パートの演奏力が高いのが分かる。
デビュー当時は「悪魔」を全面に押し出した楽曲(デビュー曲「蝋人形の館」然り、「地獄の皇太子」然り)が多かった。
しかし1999年の解散までの10数年の間に悪魔性・ヘヴィーメタルに固執しない、
フュージョン、ジャズ、ラップ等多様性が感じられる作品を数多く世に出している。
『聖飢魔II』の構成員(メンバー)で、最も世間に認知されているのはおそらくフロントマンのデーモン閣下であろう。
トークなどでは“ダミ声“風の声だが、楽曲によっては非常に透明感のある、かつパワフルな歌声を披露する。
そしていわずもがなの”シャウト“。このシャウトをミサ(ライヴ)でコンスタントに出すことの出来るアーティストはそういないだろう。
ギタリストはエース清水、ルーク篁、ジェイル大橋(ジェイル大橋はデビュー時と再結成時)。
エース清水はメロディアスで切ないメロディーをロックの中で織り込み、ジャズテイストもお手のもの。
ルーク篁の速弾きは全国のロック少年垂涎のテクニックだろう。
ジェイル大橋は、アメリカンロックを体現出来るダイナミックで自由なギタリストと言える。
ドラムのライデン湯澤、ベースのゼノン石川は、抜群の安定感でバンドの柱となっている。
耳を澄ませるとドラムやベースが主役なのでは、と思えるような楽曲すらある。(「ヒロインシンドローム」、「ファラオのように」など)
様々なテイストで、各パートの持ち味が滲み出ている『聖飢魔II』の楽曲は聴けば聴くほど美味しいスルメイカのようだ。
1999年に解散した『聖飢魔II』だが、デビューからの周年記念に再結成を数度行なっている。
本来ならば2020年もデビュー35年記念再集結ミサが予定されていたが、コロナ禍のため延期。
しかし2021年、ついにこのミサが決行された。
(エース清水は不参加…ルーク篁とジェイル大橋のツインギター)
無観客ライブの映像上映とともに、アコースティックを中心とした生ライブがその内容となる。
このライブはホンモノの音楽に触れる貴重な機会となるだろう。