神風怪盗ジャンヌ

『神風怪盗ジャンヌ』とは、日本の少女漫画作品である。作者は、種村有菜(たねむらありな)。
集英社の月刊少女漫画雑誌『りぼん』にて、1998年2月から2000年7月まで連載。単行本は全7巻。その後、廉価版や完全版も発刊されている。
当時、少女漫画には珍しかった怪盗アクション要素を取り入れたことで男性ファンにも支持され、作者の代表作となった。
主人公・日下部まろん(くさかべまろん)は、学校の人気者。しかし夜の姿は、闇夜に紛れ、絵画に憑く悪魔を封印する、神風怪盗ジャンヌである。絵画に魅せられた人間の美しい心は、神の力の源であり、悪魔はそれを吸い取り、神の力を無くそうとしている。それを封印する力は、ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりであるまろんに宿っており、神の力を取り戻し、魔王に打ち勝つため、準天使フィン・フィッシュと共に、日々悪魔を封印している。
親友で刑事の娘の東大寺都(とうだいじみやこ)との捕り物や友情、ライバルである怪盗シンドバッドとのバトルや恋愛も魅力の一つである。
テレビアニメも放映されており、1999年2月から2000年1月までテレビ朝日系列にて全44話が放送された。

salamander96u6のレビュー・評価・感想

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神風怪盗ジャンヌ
9

歴史とファンタジー要素を兼ね備えたバトルヒロイン

神風怪盗ジャンヌは、月刊少女漫画雑誌りぼんにて1998年から2000年まで連載された漫画です。
ジャンヌダルクの生まれ変わりである日下部まろんが、夜な夜な怪盗ジャンヌに変身し絵画に潜む悪魔を回収するというストーリー。
悪魔に憑りつかれた絵画の持ち主の葛藤やジャンヌの心の優しさ・強さが大人になるとより心に響く作品です。
またのちにアニメ化もされており、戦闘シーンが少女漫画には珍しくかっこいい描写が多かったです。
ただしファンタジー要素が強いため、正式な歴史とは異なる部分があります。
史実を求めてしまうと違和感がありますが、子供むけ作品として歴史とファンタジー要素がちょうどよく混ざっています。
また原作漫画の後半では、回収していた悪魔が本当は魔王の復活のために集められており、仲間だと思っていた天使、フィンにまろんが裏切られるシーンは今見ても切なくなります。
初見だったときは、もちろん大きなショックを受けてしまいました。
しかしフィンの過去の話を知った時は、彼女に同情せざるを得ませんでした。
この作品には、子供向けとは思えない重いストーリーや描写が多々ありますが、じっくり読んでみると考えさせられたり生き方に影響を与えられる作品です。
大人になってからこそ、もう一度読んでほしい作品です。