灰と幻想のグリムガル(Grimgar)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『灰と幻想のグリムガル』とは、十文字青によるライトノベル小説が原作となった、アニメ作品。
小説は2013年より刊行、アニメは2016年1月より全12話構成で放送された。
また『月刊ガンガンJOKER』にて、2015年5月号から2016年7月号まで漫画も連載されている。
ある日突然グリムガルという異世界で目を覚まし、名前以外の記憶がなくなってしまった若者たちの冒険の物語。

『灰と幻想のグリムガル』の概要

日本のライトノベルが原作となる、全12話のアニメーション作品。原作者は十文字青、制作はA-1 Pictures。
小説は2017年3月現在で既刊10巻、漫画は『月刊ガンガンJOKER』にて全16話構成で連載された。

ある日突然、グリムガルという世界へ降り立った12人の若者たち。
その中から結成された、6人のパーティが中心となりストーリーは進んでいく。
この世界で生きていくために、ゴブリンなどの魔物と闘って戦利品を収集する毎日。
そんな異世界での不慣れな生活や生死を賭けた闘いを重ねることで、次第に友情や絆が結ばれていく人間ドラマ。

『灰と幻想のグリムガル』のあらすじ・ストーリー

ある日突然、グリムガルという世界に降り立った12人の若者たち。
自分の名前以外の記憶が全て消え、周りにいる人間やこの世界の何もかもがわからないことに動揺を隠せないハルヒロたちは、案内されるがまま『義勇兵団レッドムーン事務所』に辿り着く。
そこでは魔物と闘い皮を剥いで売ることが稼ぐ基本だと知らされ、それまで状況をわずかながら楽観視していたハルヒロにも危機感が生まれた。
そのまま見習い義勇兵となったハルヒロは、同じ見習い義勇兵であるマナトの誘いを受けて一緒に行動することになるが、同じくその場にいたランタ、モグゾー、ユメ、シホルも加わり、ここに6人のパーティが誕生した。

最弱と云われているゴブリンとの苦戦が続き資金が底をつきそうになりながらも、なんとか日々を乗り越える毎日。
そしてハルヒロは盗賊、マナトは神官、モグゾーは戦士、ランタは暗黒騎士、ユメは狩人、シホルは魔法使いと、それぞれギルドにも加入。
まずは全員一緒に正式な義勇兵の証であるネックレスを買うことを目標に、とにかく前へ進み続けた。

その後ある程度成長してきたため、より強いゴブリンの生息する旧市街へ狩り場を変えた一行だったが、そこでパーティリーダーのマナトが致命傷を負ってしまう。
回復役がマナトしかいなかったことから他の5人はどうすることもできず神官ギルドへ担ぎ込むが、そこでマナトの師であったホーネン師から手遅れであることを宣告される。
同時に不死の王の呪いについて説明し、火葬しないとその呪いによりアンデッド化してしまう事実を知った。
このためマナトを火葬し弔った5人だったが、パーティとしての機能や戦意を失ってしまい、ランタとモグゾーとハルヒロは酒に逃避するようになった。

ある日酒場でいつものように酒を飲んでいると、同期であったキッカワに話しかけられ、マナトの代役である新しい神官の紹介を受けることになる。
その後、メリイと名乗る新しい神官が加入し旧市街での活動を再開するがメリイとのコミュニケーションが上手くいかず、シホルやユメとの距離が離れていることに気が付いていたハルヒロは、謝るためにユメへ話しかける。
シホルやユメに相談が無いままメリイを加入させたことで気持ちが離れていたと考えていたハルヒロだったが、ユメはそれを否定。
ユメの話から、ハルヒロが自分ひとりでパーティーを立て直そうと考えていた事が間違いだったことを知る。そしてパーティを上手くまとめていたマナトが死んだことを改めて実感することとなる。

メリイの加入に対する誤解も解け、頑張っていくことを誓ったユメとハルヒロだったが、依然としてうまくコミュニケ—ションがとれないメリイに頭を抱えるハルヒロ。
その夜、ハルヒロが外で落ち込んでいるところに夢なのか、マナトが現れ、ハルヒロがリーダーとしての器を持ち合わせていることを語る。それからハルヒロ自身も新リーダーとしての自覚を持つようになった。
一方メリイの元パーティメイトであったハヤシから、以前メリイが所属していたパーティはサイリン鉱山でデッドスポットという魔物に壊滅させられその時に仲間を3人失った、という過去を知らされる。
これを受けてハルヒロは、旧市街での活動中にミーティングを行い、メリイに過去のパーティことやマナトのことを話す。
続けてメリイも大切な仲間であることを強調し、他メンバーもこれを後押しするように訴える。
これ以降、少しずつではあったがメリイと5人が打ち解ける気配をみせていた。

変わらず旧市街での活動を続ける一行だったが、各メンバーが新しい戦闘スキルを習得する中、ハルヒロは習得スキルとは別に "光る線" が稀にあらわれていることに気付く。
敵の急所まで不規則に伸びるそれは、ただ無意識に刃を辿らせていくだけで相手に致命傷を負わせるという強力な能力だったが、それ以外の詳細は一切わからなかった。
各メンバーの装備強化も行い、本格的にパーティとして活動できるようになる。その時、他のパーティーは狩場を利益の少ない旧市街からとっくに変えており、ハルヒロ達は馬鹿にされていた。しかしハルヒロ達にはマナトの仇であるゴブリンを討つという目的があった。
そして上位ゴブリンと共にあらわれたマナトの仇であるゴブリンに闘いを挑む一行だったが、メリイを含むパーティ連携がうまく作用し、接戦の末なんとか撃破することができた。
これがきっかけとなり、目標にしていた念願の義勇兵へ、またネックレスも得ることができた。
同時に、マナトの分のネックレスもお墓に供えたことで、メンバーそれぞれがマナトの死を受け入れ、決意を新たにする。

ある日、これまで狩り場として利用していた旧市街の情勢悪化により6人は狩り場を変えるためのミーティングを行うが、ここでハルヒロがサイリン鉱山を候補地として挙げる。
同じくメリイの事情を知っている他メンバーは動揺を隠せなかったが、過去と決着をつけたいというメリイの意思もあり、次の目的地がサイリン鉱山に決まる。

これまで闘ってきたゴブリンよりも強いコボルドが生息している中、奥へと足を進める6人。
そしてメリイが以前加入していたパーティのメンバーが息を引き取った場所に辿り着く。
そこではアンデッド化した以前のパーティメンバーであったミチキ、オグ、ムツミがあらわれ戦闘になるが、メリイがそれぞれディスペルの魔法で浄化する。
これでメリイの持っていた過去のトラウマは完全に断ち切られ、これまで逃げ続けてきた自分自身と決着をつけることになる。

目的も達成しその場をあとにしようとした時、以前メリイが所属していたパーティを壊滅させたというデッドスポットと遭遇する。
なんとかその場しのぎで逃げ続けていたが、とうとう追いつかれてしまい一行は立ち往生してしまう。
その時、ハルヒロが囮となりデッドスポットと共に崖下へ転落、他のメンバーは退避していった。
ハルヒロは目覚めて間もなく再度対峙することになるが、このとき以前からごく稀に出現していた "光る線" があらわれる。
この現象のおかげでハルヒロはデッドスポットを撃破し、同時にハルヒロも倒れるが、のちにメンバーが救出に訪れ結果的に全員が生還を果たす。

宿舎にてメリイの鼻歌で目覚めたハルヒロは、ようやく自分がデッドスポットを倒したことを知る。
後日マナトの墓前で自身の決意を再確認し、これからまた新しい旅が始まるのだった。

『灰と幻想のグリムガル』の用語解説

グリムガル

ハルヒロたちが突然訪れることになった "赤い月の世界" で、本作品の舞台となる世界。
序盤では、人類と魔物が闘う世界であるとレッドムーン事務所で説明を受けている。

レッドムーン事務所

義勇兵の冒険を手助けするために設置された管理事務所。
義勇兵団の受付窓口であり、20シルバーで義勇兵として登録することが出来る。
また、モンスターに懸賞金をかけた討伐依頼も行っている。

義勇兵

ハルヒロたちのような境遇で訪れた "よそもの" たちが担当する立場のようなもの。いわゆる "冒険者" 。
レッドムーン事務所で20シルバーを支払えば登録ができ、その証としてネックレスも授けられる。

光る線

6人の中ではハルヒロにだけごく稀に発生する現象。
その光る線があらわれたときの特徴として、まず時間の流れが極端に緩やかになることや、その光の線を辿っていくように刃を向けると必ず敵に致命傷を与えることが出来る、といったものがある。
ハルヒロの師バルハラによると、発生率には個人差があるようで、数日に1回というハルヒロとは対称的に1日に何度も発生する義勇兵もいるとのことだが、その現象の真相は未だ明らかにされていない。

ゴブリン

グリムガルの世界では最弱と云われているモンスター。
基本的に集団行動を好み、最低限の生活の知恵も持ち合わせている。
旧市街では、ゴブリン同士のチームワークが発揮されるシーンや娯楽を楽しむシーンもあり、比較的人間に近い設定を行っている。

コボルド

主にサイリン鉱山に生息する狼のような容姿のモンスター。
こちらもゴブリンと同様に賢いモンスターであるが、戦闘能力はゴブリンよりも高い。

デッドスポット

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