普通のエッセイとは二味違う?平野耕太の『以下略』

『HELLSING』『ドリフターズ』など、日本では珍しい陰影を強調した絵、独特のデッサンやポーズ、芝居がかった大げさな台詞回しから、一部の層に絶大な支持を得る漫画家「平野耕太」氏が手掛けていたゲーマガ連載の『以下略』。
本作はゲームマガジンでありながら、ゲームだけでなくマンガ(同人など)やアニメを話題にする自由気ままな作風になっています。

『以下略』

ja.wikipedia.org

『以下略』(いかりゃく)は、平野耕太による日本の漫画。『ゲーマガ』(ソフトバンククリエイティブ)にて、2006年12月号より2010年5月号まで連載された。
内容は掲載誌を反映してゲームネタが中心だが、漫画やアニメ、同人誌関係のネタも入ることがある。
雑誌掲載時、各話の3ページ目下部欄外には「この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません」という注意書きが入れられていたが、話のパターンとして、最もノンフィクション的・メタ的なネタを扱ったコマが真上に来ることが多い。

出典: ja.wikipedia.org

とあるゲームショップ「ファンタジィ」で繰り広げられる葛でグダグダでフリーダムな物語。
フリーダムすぎて元ネタが理解しきれない。ゲーム雑誌連載なのに漫画や同人ネタも多数。全部理解できる人はもれなくダメ人間の称号をプレゼント。
よく出るネタは作者の好きな銀河英雄伝説、サイレントヒル、ガンダム、ナチス、戦争、FPSなどなど。

出典: www49.atwiki.jp

主な登場人物・キャラクター

ヒラノ

某市某区にあるゲームショップ「ファンタジィ」の共同オーナーの一人。
基本ダメ人間。ボケ担当なのですが、ボケがディープ過ぎて読者すらついて行けない事も(むしろついていけない人は読まないかもしれません)。
店でのイベントの大体の発起人、そしてイベントでよくコスプレをするのですが、販促そっちのけでごっご遊びや好きな事に突っ走ていきます。そしてコスプレもネタが深いです(『空飛ぶモンティ・パイソン』のスペインの宗教裁判官、ナチスドイツの空軍元帥のヘルマン・ゲーリングなど)。
無類の眼鏡っ娘好き。
モデルは勿論、作者の平野耕太氏自身。

ヤブ

オーナーその2。ダメ人間その2。
ヒラノと同じく主にボケを担当しコスプレをも度々行います。また、そのボケもかなりディープ(モンティ・パイソンの「スパムの歌」など)。
大体がヒラノなどのボケに乗っかったボケを繰り出すのでディープさが増す事も。また、ボケ担当ではありますが、行き過ぎたネタにはつっこむ事も多々あります。
デブを愛する辛い性癖。
モデルは平野耕太の知人の田中亮太郎。

ジャージ

オーナーその3。
一応オーナーらしく店の運営を考えて行動を起こすので、そこまでダメ人間ではありません。主にツッコミを担当しますが、ツッコミの際にはバッドを使ったり、ケンカキックを繰り出すなどツッコミは肉体的暴力に訴えてきます。また、上記二人に合わせてボケに回ったり、二人以上のボケをかます事もあります。
モデルは平野耕太の先輩でともに同人活動をやっている山田秋太郎。

総評として

濃いマニア(新書ノベルから萌え・ミリタリーまで)から制作側まで、幅広い視点で語られる濃い内容の本作は連載誌であるゲームマガジンという枠を飛び越え、まさにいい年をしたオタク層にとっては耳が痛かったり納得してしまったりする事が多く取り上げられます。
一応各話の始まりなどはゲームの話題で始まりますが、ドンドン違う方向に走っていってしまいます。
また、声優の杉田智和が愛読していた作品だったり、連載誌のゲーマガがコミケで何故かバンダナを売ったりと、読者も連載誌ですらドンドン違う方向に走っていってしまいました。
しかし、哀しいかな。2010年唐突に連載を休止。総数33話を持って平野耕太氏の何作品目かの未完作品となり、単行本も19話までしか載っていないのです。
原因として編集部と平野氏の担当編集との軋轢ではないかなどと言われており、後日の未監修分についてのゲーマガ側の対応も批判の対象となっている始末です。
平野耕太氏の一ファンとしては何とかして手に入れたいものです。

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