ソラソラ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ソラソラ』とは、2000年から2001年まで漫画雑誌『りぼん』にて槙ようこが連載した少女漫画である。初連載の作品であり、この作品から連載を抱えるりぼん作家となった。主人公の及川空子(おいかわそらこ)が同じ日に転校してきた野木空緒(のぎそらお)に恋をし、親友という関係から一歩踏み出すために様々な困難を乗り越える青春恋愛物語である。少し態度の悪い空子の関西弁や考え方、立ち振る舞いなどが魅力的な作品だ。

『ソラソラ』の概要

『ソラソラ』とは、2000年10月号から2001年1月号まで漫画雑誌『りぼん』にて槙ようこが連載した少女漫画である。初連載の作品であり、この作品から槙ようこは連載を抱えるりぼん作家となった。
主人公の及川空子(おいかわそらこ)が同じ日に転校してきた野木空緒(のぎそらお)に恋をし、親友という関係から一歩踏み出すために様々な困難を乗り越える青春恋愛物語である。先生から問題児扱いされる仲良しのソラソラコンビは、後輩の森野結季(もりのゆき)が空緒に近づき始めたことで関係性が変わっていく。少し態度の悪い空子の関西弁や考え方、立ち振る舞いなどが魅力的な作品だ。

『ソラソラ』のあらすじ・ストーリー

2人の転校生

及川空子(おいかわそらこ)は転校初日に同じく転校してきた野木空緒(のぎそらお)と出会う。2人は名前が似ていることから意気投合し、今では親友と呼べる仲になっていた。そしてソラソラコンビとして問題児扱いされ、授業態度や日頃の行いには担任も手を焼いていた。

空緒に恋心を抱く空子は2人の関係性を変えることができず、親友という立場のまま日々過ごしていた。ある日、空緒に好意を寄せる後輩の森野結季(もりのゆき)が現れる。彼女の表の顔は空子と正反対の可愛らしい女の子だったが、裏では空子に嫌がらせを始める。わざとぶつかって階段から空子を落としたり、「気にすんな」とツッコミを入れた空子に対して「殴られた」と発言したりと、空子が不利になるように動いたのだ。そして空緒のことを狙っているため「消えて」と言う結季に、空子の我慢は限界に達する。結季に何を言われても空緒と共に過ごし、結季に対しては自分ではなく空緒に直接言うように話す。しかし結季は空子が側にいる状態で告白してもうまくいかないと考えており、空子にも「告白できないからずっと友達のまま、偉そうなことを言うな」と反論する。これを聞いた空子は図星であったが、結季に「あんた人間小さいねん」と言って相手にすることをやめるのだった。

結季は空子に言われたことに腹を立て、空子のカバンにこっそりタバコを仕込ませることにした。その後、空子は担任のくりりんがいる前でマナーモードにしていたはずのケータイが鳴ってしまい、ケータイを取り出そうとしてカバンの中身に驚く。担任もしっかりとタバコを見てしまい、空子は自分の物ではないと主張する。しかし日頃の行いが悪いという理由で信じてもらえず、空子は担任から説教を受けることとなった。

傷ついた空子に気づいた空緒は空子を川に連れ出し、空子のことを川に放り投げ喝を入れる。そして一緒に川に入り、「オレがいること忘れんな」と話す空緒に空子の心は軽くなり、2人は仲良く川遊びをするのだった。

恋人宣言

川遊びをした空子は風邪を引き、学校を休むこととなった。一方、結季は空緒から空子の元気がないことを聞き、2人の関係性について「なんでも分かり合ってる仲ってわけじゃないんですね」と話す。そんな結季に対し、大切な人にならなおさら辛いとは言えないと返す空緒。結季は空子と空緒の特別な関係性に悔しさや焦りがこみ上げ、勢いで告白する。空緒は「じゃ つきあっちゃおっか」と軽く返事をし、2人は恋人となるのだった。
翌日、学校に登校した空子は結季から付き合い始めたことを聞かされ、すぐに空緒の元へ向かう。空緒から事実であると言われた空子は付き合いに反対するが、それは空子が決めることではないと正論を言われてしまう。それから空緒の横には結季がいるようになり、空子は2人と同じ空間にいることが辛くなっていく。学校を勝手に早退しようとして担任から怒られ、「次はない」と言われてしまった空子は「停学でも退学でもなんでもしたらええわっ」と自棄になる始末だ。

ソラソラコンビ復活

ある朝、空子が登校すると結季とその取り巻きたちに囲まれる。結季が空子のカバンにタバコを入れている写真が学校の掲示板に張り出されていたため、結季は空子が写真を撮ったと決めつけて怒り始める。「空緒を取られた腹いせ」と言われた空子は怒りが収まらず、結季にカバンを投げつけて下駄箱のロッカーを蹴りつける。しかしこの騒動にかけつけた教師たちは空子を押さえつけ、空子は自分がいじめられている側であるにも関わらず誰にも信じてもらえないことに絶望する。

そこへ空緒が現れると事態は一変する。空緒は空子が結季から嫌がらせを受けていることに気づき、写真部の協力を得て証拠写真を撮っていたのだ。結季のことを「自己中女」「大嫌い」という空緒に、結季は真っ赤になって「2人して人のことバカにしてたわけ…!?」と反論する。そんな結季に空子は「最後まで好きな奴だけ見とかなあかんかってん」「結果あんたに何が残ったかよぉ考え」と叱責し、騒動は一旦落ち着く。

騒動後、空子は空緒と2人きりになると真相を問いただす。全ての事実を聞かされ、スッキリした表情の空緒を見た空子は「うち空緒のおもちゃちゃうで!?」と言ってしまう。それを聞いた空緒は空子から離れていこうとするが、その時「オレ空子んこと大好きなのに」とボソッと呟く。それを聞いた空子は悔しそうな表情をしながらも空緒の手を取って歩き出し、ソラソラコンビは復活するのだった。

『ソラソラ』の登場人物・キャラクター

主要人物

及川空子(おいかわそらこ)

本作の主人公で京都から転校してきた高校2人生。そのため1人だけ関西弁を話す。とても強気な性格で、いじめに対しても真っ向から向かっていくタイプである。転校初日に出会った空緒(そらお)とは名前が似ていることから仲良くなり、いつも一緒に行動するようになる。空緒に対して密かに恋心を抱いているが、親友という関係性から一歩進むことができずにいる。学校生活では授業をさぼったり態度が悪いことも多く教師から目をつけられているが、担任はそんな空子を憎めず甘いところもある。

野木空雄(のぎそらお)

空子と同じ日に静岡から転校してきた男子学生。高校2年生。空子といつも行動を共にし、バカなことをして担任に怒られる日々を過ごしている。空子よりも頭の回転が早く、周りの事もよく見ている。後輩の結季に告白されると軽い態度でOKするが、空子が嫌がらせを受けていることに気づいていたため、その証拠を集めるために近づいただけで本当は空子に好意を寄せている。

森野結季(もりのゆき)

空子たちの後輩で高校1年生の女子生徒。空緒に好意を寄せており、いつも一緒にいる空子のことを邪魔だと思っていたため嫌がらせをするようになる。空子よりも先に空緒に想いを伝えて付き合うこととなるが、実際は結季が嫌がらせをしている証拠を集めるために空緒が近づいただけであり、すぐに破局することとなる。

その他

くりりん

空子と空緒の担任。授業をサボったり廊下で野球をするソラソラコンビに手を焼いている。空子のカバンに入っていたタバコを見てしまうが、他の先生に報告はせず停学処分なども免除してくれる。しかし空子の日頃の態度が悪いことは気にしており、「疑われないような人になりなさい」と空子に注意している。

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