モノクロ少年少女(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『モノクロ少年少女』とは、漫画雑誌『花とゆめ』で連載された福山リョウコによる漫画である。両親を亡くし親戚の家を転々としていた巳待呉羽(みまちくれは)。「学費・寮費・全額免除」という魅力的なチラシに釣られて、一般人は入学不可の私立毛保乃高等学校に入学する。そこは人間との共生を目指し、食欲抑制を学ぶケモノの国の子女たちが通う学校だった。呉羽とクラスメイトたちのドタバタ学園生活が始まる。

呉羽のいとこ。九輪高校に通っており、呉羽たちが九輪高校に留学しにきたことで再会した。かつて健の家でも呉羽を引き取っていたことがあり、呉羽に好意を抱いていた。

『モノクロ少年少女』の用語

私立毛保乃高等学校(しりつけだものこうとうがっこう)

呉羽が転入した高校で、通称「ケダ高」。一般的にはブルジョワしか入れない名門校として知られているが、その実ケモノの国の王族たちが人間との共生を目指し、食欲抑制を学ぶ学校である。校舎は豪華絢爛だが、寮はボロボロであちこちにヒビが入っている。

ラビット

人間との共存を目指すべく、3年に1度人間をウサギとして紛れ込ませるプログラム。耳としっぽをつけると人間の臭いがなくなり、ほかのケモノから食べられる危険性が下がる。ケモノたちは黒い制服だが、「ラビット」の生徒は白い制服を着るため「シロ制服」とも呼ばれる。

ギフト

右京を人間にさせないためギフトを受け取り拒否してきた蝶々

ケダ高には初等部から高等部まであり、卒業時にトップの成績を取ると人間になれる。この特典を「ギフト」と呼ぶ。ケダ高の生徒は母国での王位継承権がない者ばかりのため、人間になりたいケモノがほとんどである。ギフトは受け取り拒否もできる。万が一ラビットが主席になった場合、成績2位のケモノを人間にすることができる。

キング

生徒会長のこと。文化祭での活躍のおかげで、呉羽は転校早々キングに任命される。成績トップが複数いた場合、キングはどちらを人間にするか選ぶ「最後の審判」を下さなければならない。

『モノクロ少年少女』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

茅「こんなのもう…半分恋なんだよ」

右京と呉羽が付き合うことになり、それぞれ失恋してしまった茅と蝶々。初等部の頃からいつも一緒にいたため特別意識することはなかったが、蝶々は茅に対する思いが単なる友情ではないと気づき、自身の婚約を破棄する。一方の茅は蝶々の気持ちに気づきつつ、目を背けていた。ぎくしゃくする2人を見かねた雛菊は、茅に「蝶々が退学する」と噓をつき2人を引き合わせる。茅はずっと一緒にいた蝶々がこれからも変わらず隣にいてほしいと思っていて、そんな独占欲は「こんなのもう…半分恋なんだよ」と告白した。

右京「なんでか…自分でも…わからねんだけど…しばらく…こうしてていいか」

「最後の審判」によって呉羽の記憶を失って卒業した右京。呉羽だけでなく茅や蝶々などケダ高に関わるすべてを忘れてしまい、呉羽との再会は絶望的だった。しかし偶然右京は呉羽の住むアパートの隣に引っ越し、奇跡的な再会を果たす。初対面として何気ない会話を交わしていたが、呉羽の名前を知ったとたん、右京の顔色が変わる。知らず知らずのうちに呉羽の手を握り、「なんでか…自分でも…わからねんだけど…しばらく…こうしてていいか」とつぶやいた。

『モノクロ少年少女』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

525の数字

『モノクロ少年少女』では、「525」という数字がよく使われる。初めに登場するのはケダ高転校時の呉羽の所持金。525円しかない状態で入ったばかりの施設がつぶれ、行く先を無くしていたところに、「学費・寮費全額免除」という生徒募集のチラシに飛びついてしまった。

ドラマCDで初音声化

連載で順調に人気を伸ばした『モノクロ少年少女』は、2010年発売の『花とゆめ』の付録「CUTE3 ヒロイン♡ドラマCD」で初音声化された。呉羽役を釘宮理恵、右京役を神谷浩史が担当し、そのほかそうそうたる声優陣が務めている。収録されたエピソードはすべて書き下ろしのもの。

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