戦奏教室(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『戦奏教室』(せんそうきょうしつ)とは、原作・空もずく、作画・十森ひごろによる日本のファンタジー漫画。集英社の『ジャンプSQ.』にて2022年7月から連載が開始された。
頭に植物の枝が生えた「枝憑き(えだつき)」と呼ばれる異能力者が存在する世界。主人公のリュカは、ラッパの音を使って大勢に指示を出せる能力を持っていた。その能力を認められ、リュカは教皇領の「枝憑き」部隊の隊長をすることになる。「花冠」と呼ばれる強大な力を持つ「枝憑き」を倒し、自由の身になるためにリュカは仲間と共に奮闘していく。

『戦奏教室』の概要

『戦奏教室』(せんそうきょうしつ)とは、原作・空もずく、作画・十森ひごろによる日本のファンタジー漫画。集英社の『ジャンプSQ.』にて2022年7月から連載が開始された。単行本1巻が発売された時に、それを記念して公式PVがYouTubeにて公開されている。

頭に植物のような枝を生やした特殊な能力を持つ「枝憑き(えだつき)」という異能力者が存在する世界。主人公のリュカは、とある傭兵団でラッパ手をしていた。音楽が好きだったが、所属する傭兵団から出ることができないことに嫌気が指していた。14歳になった時、リュカは「枝憑き」の能力を開花させ、ラッパの音を使って大勢に指示を出せる能力を使えるようになる。その能力を認められ、教皇領の一番偉い人間・塔下(とうか)から「枝憑き」部隊の隊長に任命される。生来争いを好まないリュカは、塔下が危険視している「花冠(はなかんむり)」と呼ばれる強大な力を持つ「枝憑き」を倒し、自由の身になるために仲間と共に奮闘していくのだった。

『戦奏教室』のあらすじ・ストーリー

教皇領の「枝憑き」部隊に

主人公のリュカは、赤ん坊の頃両親に捨てられ、それをとある傭兵団の団長・ゲルハルトに拾われた。リュカは頭に枝のようなものが生えており、それが不気味だから捨てられたのだろうということだった。傭兵団の中で育てられ、やがてラッパ手として働くようになる。戦いや略奪に興味はなく、むしろ嫌悪しており、いつか自由になって音楽を学ぶのが夢だった。

14歳になったある日、大きな戦いに参加することになった。リュカの頭の枝が”発芽”した。この世界では頭に枝が生えている人間を「枝憑き(えだつき)」と呼ぶ。「枝憑き」は14歳で能力が”発芽”すると、超常的な能力を授かり、いわゆる異能力者となる。リュカはラッパで鳴らした音を光の線に変え、他者に指示を与える能力を持っていた。光の線は誰にでも見ることができる。そしてリュカから指示を受ける側の人間は、その光の線を見ただけで次にどういう行動を取るべきなのかを感じ取り、動くことができる。リュカはこの戦でその能力を使って見事に戦況を覆してみせた。とある国を治める教皇は、リュカの「枝憑き」としての才能を評価し、国へ連れ帰ろうとした。リュカの育ての親のゲルハルトは、リュカに音楽を学ばせることを条件にリュカを教皇へと引き渡す。そうしてリュカは教皇領に所属する「枝憑き」部隊に配属されることとなった。

世界には9つの「塔(とう)」があった。「塔」は文明の遺物であり、塔を有する国は非常に強い力を持っていた。中でもエリン帝国は強大な力を持つ「花冠(はなかんむり)」と呼ばれる「枝憑き」が所属していた。「花冠」の力で既に3つの国が滅んでおり、このままでは教皇領も危ない。そのため、教皇領の長・塔下(とうか/本名は不明)は、「花冠」を倒すために「枝憑き」をい集めていたのだ。リュカは音楽を学ばせてもらい、「花冠」を倒した暁には自分を自由の身にすることを条件に、教皇領の「枝憑き」部隊の隊長として、仲間達と「花冠」を倒すために奮闘していくのだった。

”鏡面の枝憑き”との戦い

リュカはある戦に赴いた時、「花冠」の力を目の当たりにした。「花冠」は宇宙に浮かぶ石を引き寄せて隕石として地上に降らせることができる。そして広大な大地を更地にし、国を滅ぼすことができた。山をも消してしまうほどの強大な力を目の当たりし、リュカは以前よりも「花冠」を倒さなければと思うようになる。「花冠」の力は強大だが、次に使用するためには1ヶ月ほど時間を置かなければならないとのこと。その間に、リュカ達はガリア王国にいる”鏡面の枝憑き”と呼ばれる「枝憑き」の協力を得るためにガリア王国へ遠征に出た。

”鏡面の枝憑き”は、ガリア王国でかつて英雄と呼ばれた女性戦士である。鏡を操ることができ、鏡同士を繋げて別の場所への人や物の移動を可能にしていた。しかし3年前に娘を亡くしてから心を壊してしまったらしい。リュカ達はそれでも”鏡面の枝憑き”の協力を得るためにガリア王国の首都を目指した。リュカ達を鏡で呼び出した”鏡面の枝憑き”は、協力する代わりに「花冠」の能力を自分にくれという条件を出してきた。「枝憑き」の能力はなんらかの方法で他者に渡す方法ができ、”鏡面の枝憑き”は自分や家族を守るためにその圧倒的な「花冠」の力を欲していた。しかしリュカは「花冠」のような強大な力は誰かが持っていてはいけない気がして、”鏡面の枝憑き”の条件を拒否。結局”鏡面の枝憑き”と戦うこととなってしまった。

”鏡面の枝憑き”は手強く、”鏡面の枝憑き”と同等に戦うことができる兵士は、リュカの陣営ではゾーイという「枝憑き」だけである。ゾーイは実年齢は27歳だが、「枝憑き」の能力の影響で精神は9歳のまま止まっていた。ゾーイは最初、”鏡面の枝憑き”の圧倒的な力に怯えていたが、自分を気にかけてくれるリュカから戦ってほしいと願われ戦うことを決心する。そしてゾーイは”鏡面の枝憑き”に勝利した。”鏡面の枝憑き”は死に、塔下はその能力を手に入れることに成功。リュカ達のガリア王国での目的は達成され、無事に教皇領に帰ることができた。

「花冠」を探して

半年ほど前に「花冠」によって滅ぼされたノルマンディー公国にて、「花冠」が次の攻撃の準備に入ったという情報が入った。リュカは「枝憑き」部隊の一部を率いて、塔下の紹介でやってきた傭兵・ウードと一緒にノルマンディー公国へと遠征に出るのだった。

『戦奏教室』の登場人物・キャラクター

主人公

リュカ

『戦奏教室』の主人公。赤ん坊の頃に捨てられたところをゲルハルトに拾われた。それからゲルハルトの兵団の中で育っていく。人を殺したり、略奪したりすることがずっと嫌いで、兵団ではラッパ手をしていた。「枝憑き」であり、14歳になって枝が”発芽”したことにより能力が開花。ラッパを吹くと音が光の線となって具現化する。それによって広範囲にいる大勢の人間に指示を出すことが可能。リュカから指示を受ける立場の人間は、光の線を見るだけで次にどう動けばいいかがわかり、身体が勝手に動く。リュカは軍師としての才能を塔下に見初められ、教皇領の「枝憑き」となり、「枝憑き」達の隊長に任命された。エリン帝国内では、「星灯の枝憑き(ほしあかりのえだつき)」という名で呼ばれている。

教皇領

主人公のリュカが所属する国。背の高い仮面で顔を隠した塔下(とうか)と呼ばれる人物が教皇を務めている。

塔下(とうか)

”塔教(とうきょう)”の首長、いわゆる教皇。教皇領で一番偉いので、周囲からは塔下(とうか)という敬称で呼ばれている。背の高い塔のような仮面をつけているのが特徴。

ゾーイ

教皇領に属する「枝憑き」の一人。教皇領の「枝憑き」の中で一番強く、塔下のお気に入り。実年齢は27歳だが、「枝憑き」の能力の影響で精神年齢が9歳ぐらいしかない。ゾーイの「枝憑き」の能力は未来の自分から力を借りるというもの。未来から1時間借りれば、ゾーイ2人分の力で1時間動くことができる。未来から24時間借りて、その力を15分に凝縮し、ゾーイ97人分の力を使うというような応用もできる。しかしその代償として、力を使い終わった後は借りた時間分眠ってしまう。大きな力を借りて、10年以上眠っていた過去がある。エリン帝国内では、「時編の枝憑き(ときあみのえだつき)」という名で呼ばれている。

デミ

教皇領に属する「枝憑き」の一人。千里眼のような能力を持っており、遥か彼方の景色を見ることができる。そしてその見ている景色を他者に共有することができる。

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