ワン・オブ・アス：誰かが嘘をついている（ドラマ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

2024.03.14

『ワン・オブ・アス：誰かが嘘をついている』とは2021年にアメリカのビデオ・オン・デマンド・サービスであるピーコックで配信が開始された、カレン・M・マクナマスの小説『One of Us is Lying』を原作としたミステリードラマである。1人の生徒が殺される事件が発生し、現場に居合わせた4人の生徒が仕組まれた事件の犯人を探し出す物語だ。各話で徐々に明らかになるそれぞれの嘘と真実に驚きを隠せないスリル満点なストーリー展開が魅力である。

ベイビュー高校

市長の息子。他人のゴシップを記事にすることが趣味で、よく他人の秘密を暴露しているため周りの人間から恨まれている。ブロンウィンとトップ争いをするほどの成績優秀者。ピーナッツアレルギーを持つ。居残りの教室でピーナッツ油を摂取したことによりアナフィラキシーショックで死亡。

その他

クリス（演：リム・ダイアン）

クーパー（画像右）の手助けをするクリス（画像左）。

クーパーと同じくゲイで、彼の恋人。一時は彼氏が容疑者と噂されたことやゲイであることを隠したがるクーパーとの関係がうまくいかずに別れる。別れた後もクーパーの頼み事に協力してくれる優しい人物。彼とは別の学校に通う。

TJ（演：ジョージ・フェリアー）

ジェイクの友人で、アディに気がある生徒。陰でアディに接触し、ジェイクと喧嘩になる。ジゼルと関係を持っており、それが原因で彼女を殺害したと容疑をかけられ逮捕される。

『ワン・オブ・アス：誰かが嘘をついている』の用語

殺人クラブ

左からブロンウィン、ネイト、ジェネー、アディ、クーパー、メイヴ。

初めにサイモンを殺害したと噂された居残り組であるブロンウィン、ネイト、アディ、クーパー、そして犯人を見つけるために協力しているメイヴとジェネーが主なメンバーである。ヴェネッサがネットでストリーミングしている際に話題に出し、その後も彼女らのことをまとめて呼ぶ際に使用している。

SS

ジェイクの死亡からまもなく、居残り組に届いたメッセージの送り主“サイモンは言う（SS）”のこと。正体の分からない何者かは殺人クラブのメンバーに脅迫のメッセージを送りつける。

『ワン・オブ・アス：誰かが嘘をついている』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

ブロンウィン「彼を愛していてそれが正しいことだから」

ネイト（画像左）と両想いであることが分かったブロンウィン（画像右）。彼を助けるために自分にできることをしようと行動を始める。

1期の7話でブロンウィンは、逮捕されたネイトを釈放する。一時は犯人の捜索もあきらめ、居残り組のメンバーも自分達の生活に戻っていったが、ブロンウィンはそれに納得できなかった。彼女の夢でもある大学入学の出願書類を作成しているときも、彼女の頭の中はネイトでいっぱいだった。彼女は完成した出願書類を両親の前で披露するが、化学のテストでカンニングをしたという誰にも言えない秘密を暴露する内容だった。彼女は続けて「今言ったことは真実で、今一番大事なことはネイトを助けること。なぜなら彼を愛していてそれが正しいことだから」と両親を説得する。

ネイトが犯人として逮捕されたことにより、その他の居残り組は無実となった。皆ネイトが犯人でないことは分かっているが、自分の生活をこれ以上壊したくない思いもあり犯人捜索を打ち切ろうとしていた。ブロンウィンも自分の大学の進学のために気持ちを切り替えなければならないと自分に言い聞かせるも、やはりネイトのことが気にかかり長い間目標にしていた進学を棒に振ってでも彼を助けたいと考える。不正行為を行ったという彼女の秘密は真実であり、またネイトが犯人でないことも真実である。彼女は今自分がすることはネイトを助けることだと判断する。これが自分の思う正しいことだからと自分の信じること諦めずに貫くという両親の教えに従って、ネイトを釈放すると演説するブロンウィンに両親は折れるしかなかった。友人、さらには愛する人を犠牲にして自分の日常生活を取り戻すことが正しいとは思えない、ブロンウィンの自分の意思を貫く姿勢が彼女らしいところである。

アディの味方

心配で様子を見に来る母親に驚くアディ。

2期の4話でアディはSSの命令でジゼルの車を破壊する。当然校長室に連れていかれたアディは母親と共に校長先生と3者面談を行う。SSのことを口外できないアディは動機については口を濁すだけだったが、そんなアディに校長はカウンセリングを紹介する。アディの母はカウンセリングのパンフレットを校長に返してアディと共に部屋を後にする。その後、母親はアディに「スッキリした？」と質問するのだった。母親は、恋人のジェイクが殺人を犯して逃亡したという事実を悲しむアディをずっと見守っていた。さらに、アディが初めにサイモン殺害の犯人であると噂されて苦しむ姿をみていたからこそ、彼女が問題を起こしたと聞いても叱ることはしなかった。

彼女の母親は、アディが派手に問題を起こしたことに怒らず、むしろ「今までためていたストレスを発散させてスッキリしたか」と声をかけてくれる。サイモンが亡くなってからジェイクの捜索まですっと居残り組は学校中から犯人扱いを受けており、生徒だけでなく先生からも異常な生徒であると目を付けられる始末だったため、母親はいつも娘の心配をしていたのだ。