違国日記(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『違国日記』とは2017年よりヤマシタトモコが『FEEL YOUNG』にて連載している、女性小説家である高代槇生が、疎遠である姉とその夫が急遽したことをきっかけに、姪である田汲朝を引き取り共に生活を送る様子を描いたハートフル漫画である。人見知りである槇生と社交的な朝の突如始まった同居生活を中心に描いており、親子とはまた少し違う奇妙な距離感である二人が時には衝突しながらも、お互いの家族の形を見つけていく。各登場人物の繊細な人物描写が見所の作品である。

楢えみり(なら えみり)

朝の幼馴染の女子中学生。年齢は15歳で、明るい髪色をしており、学生時代に何人か男子が告白してくるほどの可愛さを持つ。
性格は社交的で接しやすい人柄をしている。ただ恋愛対象が女の子であるという悩みを持ち、なかなか家族や友達に打ち解けられずにいる。
中学の卒業式の際、朝とのすれ違いのため、喧嘩別れをしてしまうがその後無事に仲直りをする。
朝と同じ高校に進学し、手芸部に入部している。また高校2年生の時にしょうこという女の子と付き合い、3年時には朝にもそのことを打ち明けている。
一人の女性として自立して生きている槇生を慕っており、彼女ができた際の悩みを最初に槇生に相談していたほどである。

えみりの母

明るい性格をしている女性で、田汲家とは家族付き合いの仲である。
最初は朝を引き取った槇生のことを警戒していたが、何回か交流を重ねていくうえで仲良くなる。仕事を続けたかった願望があったため、槇生の生き方を尊重している。

森本千代(もりもと ちよ)

朝の同級生で学年主席の成績を持つ女子高校生。医学部に進むために勉強に励んでいる。
性格は正直者で少し激情家。朝は槇生と似た雰囲気を持つと作中で表している。

『違国日記』の用語

こうだい槇生

槇生が小説家として活動している時のペンネーム

『竜のつがい』

槇生が執筆している小説。『枯れ泉の竜のつがい』などシリーズ化されている。

『違国日記』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

槇生「あなたは15歳の子供はこんな醜態な場にふさわしくない、少なくともわたしはそれを知っている、もっと美しいものを受けるに値する」

両親の葬式の場で朝の引き取り先についてもめている際に、槇生が親族に向けて言った言葉。両親の葬式の場で朝の引き取り先についてもめている際に、槇生が「あなたは15歳の子供はこんな醜態な場にふさわしくない、少なくともわたしはそれを知っている、もっと美しいものを受けるに値する」と親族に向けて言う。朝は自身の引き取り先について揉めていることに対して、心のどこかで悲しく思っていたらしく、この言葉を聞いた瞬間涙した。この後槇生が朝の身元を引き取ることを提案し、朝はそれを承諾する。こうして二人の同居生活が幕を開ける。

槇生「あなたとわたしが別の人間だから」

仕事のストレスからか朝に対してぶっきらぼうに対応してしまい、それが原因で同居生活において初めて朝が槇生に対して怒りを見せた。その後朝と仲直りする上で槇生が「あなたとわたしが別の人間だから」と言い、自身の考えを朝に向けて話す。朝にとっても初めて見るタイプの大人だったため、まだ分かり合えていないこともあったが、この出来事をきっかけに槇生の人柄を理解し始める。

えみり「…あたしはただ、あたしでいたい。なりたいあたしになりたいだけ…」

えみりが朝に彼女がいることを話した際に「…あたしはただ、あたしでいたい。なりたいあたしになりたいだけ…」と話す。えみりにとって女の子が恋愛対象だったことは長年の悩みであり、朝に話した際も勇気を振り絞って話していた。その話を聞いて朝は今までえみりに対して率直な物言いをしてしまったことを後悔し、謝罪する。この一件を乗り越えてえみりと朝の友情はより深まるのであった。

大学の進路を悩んでいる朝を槇生が励ますシーン

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@amuamu2984

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