来世は他人がいい(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『来世は他人がいい』(らいせはたにんがいい)とは、2017年10月号より小西明日翔が『アフタヌーン』(講談社)にて連載しているヤクザを題材とした漫画である。関西のヤクザ一家に生まれ育った「染井 吉乃(そめい よしの)」は関東のヤクザの孫である「深山 霧島(みやま きりしま)」との結婚を勝手に決められ、東京で暮らすことになった。吉乃の関西弁でドスの利いた啖呵や、何を考えているのかがわからない霧島、本当に結婚できるのか先がわからない2人の関係性などが魅力的な作品である。

夜中に霧島が部屋に忍び込んでいることを感じた吉乃は、護身用に布団の下に包丁を隠していた。吉乃を襲うこともなく、髪の毛を三編みにしている霧島に苛立った吉乃は包丁を手に取るが、霧島にあっさりと抑え込まれてしまった。

ホステスと間違えられる見た目とお酒の強さ

派手な見た目とスタイルの良さで大学生やホステスに間違えられることが多い吉乃は、それを武器に小津に近づいた。未成年だがお酒に強い吉乃は焼酎をジュースと言い、一緒に飲もうと誘った小津にも麦焼酎やワインを勧める。その後、未成年に酒を飲ませる飲酒強要をしたと小津を脅している。

自転車

霧島と吉乃に恨みをもっている天パのチンピラと戦うことになってしまった吉乃は、近くの駐輪場で自転車を借りてチンピラをひいた。

スタンガン

襲ってきたチンピラにスタンガンを食らわす吉乃と、吉乃にケガをさせたチンピラを見つけた霧島

自転車でひいても気絶しないチンピラに吉乃はスタンガンを食らわす。スタンガンでも気絶しないので、起き上がりそうになる度にスタンガンを食らわしていた。そこに霧島が駆けつけるが、吉乃の怪我を見て激怒してチンピラを気が済むまで殴った。

GPS

吉乃が作ったマスコットにGPSを埋め込んである

大阪の吉乃の家に行った霧島は、吉乃の部屋で可愛いマスコットを見つける。吉乃は小さいときに裁縫にハマっていた時期があり、フェルトのマスコットの他にクマのぬいぐるみなどもあった。冗談で「欲しいならあげるわよ」と言うと霧島は嬉しそうに「貰ってもいいの?」と言う。その様子を見た吉乃は霧島に新しいマスコットを作ってあげることにした。同じようなウサギのマスコットを作った吉乃は霧島の鍵にマスコットを強引に付けて渡すが、それは霧島を試すものであった。中にはGPSが入れられており、霧島が大阪にきてからの動向を探る目的と、本当に吉乃のことが好きなのかを確かめるためであった。

『来世は他人がいい』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

蓮二「1年かけてその深山の倅(せがれ)を死ぬほど自分に惚れさせたれ。そんで1年経ったら容赦なく捨てて帰ってこい。それが男に一番効く復讐じゃ」

傷心の吉乃に蓮二が男への復讐の仕方を教える

東京の高校に転校してからというものの、霧島のクラスメイトからいじめを受けたり、霧島に体を売れと言われたりして「…大阪に帰りたいと」とふと口にしてしまうほど弱気になってしまった吉乃。そこに蓮二からの電話がきた。珍しく吉乃がしおらしくなっているのを察した蓮二は吉乃にこう言った。
「吉乃 1年や。虐げられても爪弾きにされてもどんだけ上手くいかんかっても1年は帰ってくんな」
「1年かけてその深山の倅(せがれ)を死ぬほど自分に惚れさせたれ。そんで1年経ったら容赦なく捨てて帰ってこい。それが男に一番効く復讐じゃ」
この言葉に吉乃は決意を固め、2週間霧島に姿を現さなかった。

霧島「好きだ 絶対結婚しよう。俺の人生メチャクチャにして」

啖呵を切った吉乃に対してプロポーズをする霧島

霧島の前に2週間姿を現さなかった吉乃は突如として霧島のいる教室に現れた。吉乃は今まで蓮二の「豪に入れば郷に従え」という教えで標準語を話していたが、急に関西弁になっている。大阪に帰っていたと思っていた霧島の前に「確かにわたしって東京に来てから実際ただの能無しの穀潰しや。しかもアンタにとって何の価値もない女なわけやし。だから売って来たったわ体 腎臓片方400万」と言って札束が入った紙袋を差し出した。今まで笑顔を絶やさなかった霧島だったが、さすがに驚いた顔をしていた。続けて吉乃は霧島といじめの首謀者に向かってこう宣言した。
「ええかお前ら どうせわたしなんかこれから先どんだけ真面目に行きても碌な死に方せえへんねん。せやったら血反吐はいて地べた這いずり回ってでもお前らのこと冥土の道連れにして、人生メチャクチャにしたるからな」
この言葉に雷に打たれたような衝撃を受けた霧島は突然吉乃に告白する。「好きだ 絶対結婚しよう。俺の人生メチャクチャにして」
このことがきっかけで吉乃は霧島に惚れられることになり、執着されることになってしまったのだった。

吉乃「中途半端に真人間装うくらいやったら世界で一番頭おかしい男になれ。そのほうが1000倍マシや」

普通の男になろうかという霧島にキレる吉乃

霧島は吉乃の家族の一員である翔真に会ったことで初めて嫉妬を覚えた。吉乃に言われるまで嫉妬していると気づかなかった霧島は、吉乃に殺意と同じような感情を向けている。浮気してもいいと言っていたのにも関わらず、浮気した男を殺すという霧島に吉乃は混乱している様子であった。そんな吉乃を見て「じゃあ普通になろうか?」と笑顔で提案する霧島。この言葉に苛立った吉乃は「お前女の機嫌取るために自分の生き方曲げるんか」と問う。1年経ったら霧島のことを捨てることを打ち明け、万が一にも霧島に惚れることがあったら東京に住み続けると吉乃は宣言する。「じゃあどうすればいい」と困惑する霧島に吉乃は「中途半端に真人間装うくらいやったら世界で一番頭おかしい男になれ。そのほうが1000倍マシや」と言葉を投げた。この言葉に吉乃に惚れ直してしまう霧島は容赦なく吉乃にアピールするようになる。

椿「吉乃ちゃんのこと整形させてでもいい。アンタが一生血眼になって探しても会われへんようにしたるから」

霧島に牽制する椿

吉乃のいとこである「明石潟 椿(あかしがた つばき)」が遊びに来ることになり、吉乃と付き添いの霧島は横浜に来ていた。椿は京都のお嬢様で、霧島が言ういかにも「女に嫌われそうな女」だと吉乃は言う。
横浜で食べ歩きや買い物などをして楽しんでいる3人の会話はスムーズにいっているようであったが、椿は霧島と2人きりになったところで「わたしと吉乃ちゃんとの扱いが違いすぎて そこがわかりやすいの」と言う。初めて自分を見透かされた霧島は少し驚いている様子だった。霧島は椿に聞きたいことがあった様子だったが、かき氷を買いに行っていた吉乃に会話を中断させられてしまった。
吉乃達が帰ろうとすると吉乃の課題に不備があったと学校から連絡があった。吉乃をタクシーに載せた霧島と椿は誰にも邪魔されない場所に行こうと観覧車に乗り込んだ。霧島は昼間の話の続きがしたかったようで、椿に吉乃の腎臓はどこにあるのか、さらに実は腎臓は取っていないのではないかと椿に問う。椿の母親の恋人が「医療界のヤクザ」と言われる京都堂清会病院の院長であることを霧島は知っており、吉乃が頼れる相手は椿しかいないと確信していたのであった。椿は「血を1500ml 400万で買いました」と言う。吉乃にはこのことは伝えておらず、吉乃は本当に腎臓を摘出したと思っている。吉乃が霧島に舐められるくらいなら死んでもいいと言ったので、椿は吉乃の血を死ぬギリギリまで抜き取って命をかけさせた。椿は吉乃の元気そうな様子をみて安心していたが、霧島にこういった。
「もしアンタがほんまにどうしようもないクズ野郎に成り下がったその時は 覚悟しときや。吉乃ちゃんのこと整形させてでもいい。アンタが一生血眼になって探しても会われへんようにしたるから」
京都の女の腹黒い一面が見えたところで霧島は「肝に銘じておく」と一言。霧島がクズ野郎に成り下がったかどうかという判断は、椿の独断と偏見で判断すると言っている。
後に椿は吉乃に「大阪帰るにしても東京残るにしても 執着されてるだけなんかほんまに好かれてるんかちゃんと見極めたほうがいいかもね。もし前者やったら大阪帰っても厄介なことになりそうやから」と警告する。

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