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ws1rou9のレビュー・評価・感想

ちいかわ / なんか小さくてかわいいやつ
10

かわいいけれど不穏な世界観

Twitterで大人気のちいかわワールド。連載開始直後から爆発的な人気を誇っていて、子供から大人まで大人気の作品です。
ふわふわもこもこした雰囲気のちいかわ、ハチワレ、うさぎの毎日をほのぼのと描いた作品かと思ったら大間違い!こんなにちっちゃくて可愛らしいのに、日銭を稼ぐために「でかつよ族(ちいかわ族を捕食する子たち)」と戦ったり、夜勤の労働に挑戦してみたり、お給料アップのために受けた検定試験に落ちてしまったり、シール貼りのバイトを淡々とこなしたり…。ちいかわ達は、かなり過酷な労働環境のなかで生きています。
不憫で一生懸命生きているちいかわ達は現実の世界を日々生き抜く私たちに少しだけ似ていて、そんなところもこの作品の魅力です。こんなにかわいい子たちが労働環境に苦しんだり、検定試験に落ちてしまって泣いちゃったりした漫画は他にあるでしょうか?著者のナガノ氏の性癖がありありと反映されたちいかわワールドは、私たちの目をとらえて離しません。突然食べ物が無くなる飢饉に直面したり、魔女に「なんとかバニア」と身体を入れ替えられてしまったりと、なかなか不穏な世界で生きているちいかわ達ですが、3人の友情で困難や危機を乗り越えていきます。不憫だけれど必死に毎日を生きるちいかわちゃんが、草むしり検定に合格する日を待ち望んでいます。

リアル / REAL (manga)
8

井上先生得意の心理描写を堪能

あの有名な「スラムダンク」の作者、井上雄彦先生の漫画です。
同じバスケを扱う漫画でも、こちらは車椅子バスケです。
事故の加害者になってしまった者、事故の被害者になってしまった者、病に侵された者、それぞれが心と体に大きな傷を負い、それによって生じる様々な困難に立ち向かっていく人間ドラマです。
それは突然歩けなくなる、歩けなくしてしまう、という重いテーマも含んでいます。
人生どん底に落ちた時に、どのように浮上したらいいのでしょうか。それはもう、藻掻くだけ藻掻き、苦しむだけ苦しみ、足掻き続けるしかないのかもしれません。
イケメンで何をやってもそつなくこなせる高橋君は人をランク付けする癖があり、そして歩けなくなった自分を底辺に位置付けてしまいます。
少し周りを見渡せば差し伸べられている手があるのに、人間は辛さの渦中にいるととっても視野が狭くなりますよね。
そして「そうじゃなかった」頃の自分と現実を比べて悲観してしまいます。
高橋君のそんなもがく姿が痛いほど理解できますし、同時に「今ある幸せ」を感じる大切さを教えてもらえます。
漫画の中には、今回ももちろん名言がたくさん生まれています。
答えのないこのテーマをリアルという漫画を通じて考えてみませんか?