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tultihertu9のレビュー・評価・感想

ダーウィン事変
10

新感覚な主人公無双作品

チンパンジーと人間(ヒューマン)の子供、ヒューマンジーの物語。
SFっぽいと思い読み始めたら、全く違う印象!どちらかと言うとリアルさを求めた作品。
ヴィーガンの実態や、彼らの裏と表の活動も含まれ、まだ完結はしてないが1巻を読み終わる頃には夢中になってしまった。
その理由としては、主人公であるヒューマンジーの心理描写はないということだ。
主人公の周りの心理描写が強いので、より客観視できることにより作中に入り込める。
まさに自分が登場人物の1人となり、ヒューマンジーというものを観察してるイメージ。
ヒューマンジーが人間社会にどう溶け込んでいくのか?そしてヒューマンジーという生物はどういったものなのか?
さらには、ヴィーガンは正義なのか?悪なのか?
見どころとしては、主人公の能力の高さ。
チンパンジーの遺伝子が入っているので、身体能力は高いのは勿論のこと、人間の思考力が高く受け継いでいる。
通常の思考力に加え、動物としての合理性が兼ね備えられているので、恐怖や倫理観はあまり無く、合理的かつ効率的な思考回路になっている。
その恐怖感や倫理観が無いことが、主人公を取り巻く裏の存在との戦いに役立っている。
「主人公無双!」の作品が好きな方で、今までのPOPな作品に飽きた方は是非とも読んでください。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
9

最近読んだ作品ではトップクラス

まず最初にこの作品の概要なのですが、主人公は時の間隔が人とはズレているという観点のもとスタートします。
無論人では無いから人とズレているのは当たり前かもしれませんが、長寿という点がそうさせたという設定になっています。
人ととの関係を淡泊に捉えている主人公が本人の間隔ではあっという間の出来事の年数が
かつて一緒に旅をした仲間達が老いや病気となっている様を目の当たりにした時に
もっとちゃんと接しておけばと涙を流すシーンがあります。
そのシーンを私は読んだときこの作品の感慨深さを目の当たりにしました。
確かにこういった作品は他の作品でもあったかもしれないし、珍しい設定では無いのですが
なぜこの作品がじゃあ良かったのかといった点について説明させていただきます。
やはりかつて旅をした仲間と触れ合う際に登場して間もないのに感情移入出来るくらい
気持ちのいい人物が多いという点がまた魅力的なんですよね。
そしてその周りのキャラの良さが冒頭のもっとちゃんと接しておけばというシーンに
とてもマッチして、こっちも泣きそうになります。
そしてその後主人公は他人との接し方について成長していくお話しとなっております。
気持ちのいい感動を味わえる作品となっておりますので、是非一読してみてはいかがでしょうか?

映画けいおん! / K-ON! the Movie
10

卒業は終わりじゃない。

テレビシリーズから今作の劇場版まで、現代日本の女子高生の日常を映画にした珍しい作品です。
テレビシリーズのボーナスステージ的な扱いになるので、テレビシリーズ未視聴の方は見ておいたほうが本作を楽しめる事と思います。

「日常芝居というのは一番難しい」というのは演技の世界ではよく聞く話で、
本当の日常をアニメ作品、しかも映画作品にするのって、ものすごく技術の必要な事だと思います。
作中、本当に日常にありそうなさりげないワンカットからも唯達の息遣いを、生を感じます。

女子高生が主役のアニメはたくさんありますが、本作は特殊能力で俺TUEEEしたり、昼ドラのようなドロドロの恋愛をする等の派手なことは一切ありません。
どこまでいってもゆるくてぐだぐだ感のある、世界で一番有名な軽音部のちょっと特別な日常の話です。
盛り上がりに欠ける表現に聞こえるかもしれませんが、それが『けいおん』シリーズの良さであり、持ち味なのです。
「何言ってるかわからん」という方は是非一度見ていただきたいです。

そんな京都アニメーションの日常芝居が光る本作は、日本を飛び出して海外へ卒業旅行へ行く!という、ファンにはたまらないストーリーです。
正直、高校生が卒業旅行に海外!?とちょっとびっくりしました。
唯みたいなポーッとした子もいるし、国内旅行なら危険もないのでは!?と年齢のせいかついつい保護者目線で見てしまいます(笑)。

そして、この卒業旅行は別れの前兆でもあります。唯一の後輩メンバー・あずにゃんを残し、残りのメンバーは卒業を迎えてしまいます。
学生時代、なにかしらの部活をやっていた人なら一度は経験しているシチュエーションですが、
『けいおん』の世界でこういった話が出てくると、とてつもない寂しさがあります。

とはいえ、いつもの放課後ティータイムらしいぐだぐだ感は終始ずっと続いており、
ひとつのターニングポイントを迎えつつも、その先もずっと放課後ティータイムは放課後ティータイムでいられるような、
エンディングの先も何となく見える作品でした。
なんだかんだで卒業旅行から戻ったあともみんなでティータイムしているのかな、と思えてほんわかします。

未来に向かうのが不安な時に見たい映画です。

あずみ
7

映画化もされた!美しい刺客が強敵を倒しまくる漫画

1994年から2008年まで発表された小山ゆうの漫画。上戸彩主演で映画化されたり、舞台化されている作品としても有名。
時は江戸時代初期、幼い頃より”じじ”によって最強の刺客に成るべくして育てられた子どもたちが、南光坊天海の命による「枝打ち」のため数々の標的を仕留めていく物語。その中で唯一の女の子「あずみ」は誰よりも強く、優しく、甘えん坊。対峙する標的と戦っていくにつれ、大切な仲間が命を落としていき、”じじ”の教えと現実との間に葛藤や、一人の女の子としての苦悩も生まれ、読者は読み進めていくことで彼女の成長を一緒に体感することが出来る。
この手の敵を倒してドンドン進んでいく系によくある少年漫画のような、正義!友情!勇気!などの暑苦しさがないのはさすが青年誌漫画。
非常に分かりやすく江戸時代初期・徳川幕府の有様が描かれており、名の知られた武将も数多く登場するため、歴史が苦手な人もある意味で非常に勉強になるはずだ。また、小山ゆうの作画は登場人物一人一人が非常に個性豊かな顔立ちをしており、女性特有の曲線美が大変美しく描かれる。
数多くの標的が登場し、美しい少女「あずみ」が彼らと戦っていく様は、正にそれを楽しめる作品だと言える。

賭博黙示録カイジ / Tobaku Mokushiroku Kaiji
6

最新作はまさかのSF展開!?カイジファイナルゲーム

カイジの劇場版シリーズといえば、主人公伊藤カイジ(藤原竜也)が金融会社帝愛グループに多額の借金をしてしまい、どん底人生を一発逆転させるため命がけのデスゲームに挑戦していく大人気シリーズである。過去2部作の脚本は原作が存在するなかで今回万を辞して原作者福本伸行による劇場版完全オリジナル脚本での第三作めとなる。
舞台は2020年のオリンピックが終了してから十数年ごの日本、オリンピック特需を迎えた日本はその反発からハイパーデフレとなり、貧富の格差がより大きくなってしまう。一部の上級国民のみが優雅に生きる世界の中で、貧困層の若者中心にあるゲームが盛んに行われるようになっていた。どうやらゲームの優勝者には、高額な賞金か国家の重要機密を知る権利が得られるらしい。かつてのカイジの上司である大槻から、賞金の山分けと引き換えにゲームへの参加を決心するカイジ。このゲームの参加が彼の最後の大博打の発端となるとも知らずに…。
主演藤原竜也以外のキャスティングを一掃し、新田真剣佑、福士蒼汰などの若手実力派俳優を投入したかつて無いスケールで行われるニューカイジワールドは大きな見所である。
藤原のお決まりのカイジ語録にも注目してゆきたい。

ライト/オフ
7

暗闇に何かがいる

怖い映画でした。
電気を消すと出てくるおばけって現実にいそうだし、私もよく怖くなって電気をつけたりするからリアルな怖さがありました。でも、電気がついてないと現れないなら、ずっと電気をつけっぱなしにすればいいのにとか思っちゃいました。それでは話が進まないし、一生電気をつけっぱなしってわけにもいかないのだろうけど。
出てくる人はとてもいい人が多いです。男の子とかめっちやかわいいし、主人公の女の子もチャラい感じだけど、いい子ですし、ボーイフレンドもいい人で、ホラー映画によくいるチャランポランとかはあまり出ていませんでした。
モンスターの実態はジャパニーズホラーの怨念とかそういう系じゃないので、あまりはっきりしないというか、なんなんだろうというところが多いですが、まあ怖いです。それに主人公の女の子の母親を嫌う気持ちもわかるし、でもうつ病なら頑張らないのは当たり前だし、家族のすれ違いも悲しいなと思いました。
最後は、なんか悲しい終わりでした。モンスターダイアナを倒す方法は他になかったかなと思いました。もう少し、対策を立てて、親子関係とかもかいぜんしていこうみたいな終わりかたのほうがよかったかなと思いました。

地縛少年花子くん
10

完成度の高さがすごい

2020年にアニメが放送された「地縛少年花子くん」は、アニメの完成度が高いので自身を持ってオススメできます!(全1怪〜12怪)
「地縛」と名前が付くくらいなので、幽霊や妖(あやかし)が出てきます。こう聞くと恐怖やグロテスクの要素が強いかと思う人もいるかもしれませんが、どちらかというとギャグやほのぼの要素が強く、怖さよりも切なさが勝つと思います。

高校が舞台の作品で学生さんたちにはタイムリーな話もあるので、見やすいですね。
作品の完成度を述べると、アニメーションの動きは、3D感の強い仕様ではなく、あくまで2D感を強く残した物なので、漫画派の人でもストレスなく見られると思います。漫画のコマをそのまま採用していたり、オノマトペも文字として描かれていたり、それでいて空間を3D使用する瞬間があるので、広さや奥行きを感じることができて窮屈さはなく、むしろ世界の広さを無限に感じさせてくれます。
着色も限りなく漫画に寄せつつ、光や影などはアニメーションの良さを活用しているので、漫画の良さとアニメーションの良さを上手く使いこなしていると思いました。
声優さんたちも豪華で、妖怪や妖(あやかし)担当とまで呼ばれる大御所の人たちも多く出演なさっているので、ヘッドホンやイヤホンをつけて聞くと楽しさが倍増します。漫画もアニメも是非ご覧ください!