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聖女の娘は呪われた人生を歩み、再び蘇る
慈悲深い聖女の娘として生まれたレティシャは、何故か聖女に疎まれていた。
他者には寛容な聖女は実際は残虐で、意のままにならない相手が国であろうと子どもであろうと容赦はせず、残酷に滅ぼした。しかし聖女を信仰するものはその非道な行いを知らず、全て娘のレティシャ、”悪女レティシャ”の行いだと信じていた。
彼女はいわれのない罪で疎まれた。結婚して母親の虐待から逃れられると思ったが、政略結婚の相手は敵国の王だった。
民はレティシャを憎み、王は冷たく、レティシャを大切にしてくれるものなどいないはずだった。
冷たい結婚生活。聖女の陰謀で仲間や家族を失った騎士はレティシャを憎む。次々と聖女は悪事を企み、レティシャを陥れいていく。
しかし、冷たいはずの夫は、何故かレティシャに残酷な行いをすることはない。
お互いに遠回りしながら愛し合った2人は、結局聖女の罠から抜け出すことはできず、死んでしまった。
しかし、死んだはずのレティシャが目覚めたのは、まだ母親に呪われる前。結婚式の前だった。
まだ間に合う。足を失う騎士を救い、自分のために犠牲になった優しい人に報いるため、レティシャは反抗を始めるのだった。
愛されることは望まない。ただ、優しいあなたを救いたい。
これは聖女の娘、悪女レティシャの物語である。