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raspatsumax2

raspatsumax2のレビュー・評価・感想

グリーンブック / Green Book
9

ケンタッキーを用意しての試聴をオススメします!

黒人差別が蔓延る1960年代のアメリカで本来は交わることの決してなかった二人が出会い、衝突を繰り返しながら次第に理解し合い、友情を育むお話です。
高級キャバレーで用心棒を務めていたトニーは店の改装工事をきっかけに2ヶ月間の失業を余儀なくされ、偶然にも同じ時期に南アメリカへの音楽ツアーを計画していたドクターの運転手の「週100ドル、運転や身の回りの世話込み」との求人を見て面会へ訪れます。
しかし、当時黒人差別の激しかった南部へのツアーや黒人への偏見を持っていたトニーは黒人のドクターに雇われる事を不服として「週125ドル、身の回りの世話はしない」との条件を提示します。
交渉決裂かと思われましたが、ドクターは彼のトラブル解決能力を高く買ってトニーの上限で雇う事が決まり、文化や思想の違いで衝突しながらも一緒に過ごすうちに主従関係を超えた友情が芽生えます。
一番印象的なシーンとしては、ケンタッキー州を通る道すがらトニーはフライドチキンを購入し車内で食べ始め、ドクターにも手渡します。
「皿とフォークがない」と話すドクターに半ば強引に「手で食べるんだ」と手渡し、骨をどうするかと聞かれたトニー車窓から外へと放り投げて見せ、それに戸惑いながらも同じく外へと食べ終わった骨を放り投げるドクター。
その瞬間車内にはまるで子供のように無邪気に笑う2人がいました。
その前まで音楽や食文化、それぞれの考え方などの違いで対立する二人が初めて一つの文化に対して同じ感情を共有した印象深いシーンであり、思わずケンタッキーを食べたくなるシーンでした。

朝が来る
8

救われるラストでよかった。

子どもができなくて悩む夫婦の描写もよかったし、若くてまだ育てられないのに妊娠してしまった女性の苦悩もよくわかりました。子どもができるかもしれないのに安易に関係をもったり、この国の性教育は本当に遅れていると思います。そして、子どもができると女はそこから逃げられず、男は逃げられるという現実がそこにはありました。子供を産んで、本当に子どもが欲しい家族に繋げるというとてもいいことをしたのに、その後、両親とうまくいかないのは本当にかわいそうでした。そこは親がどうにかしてやれよって感じです。最初、主人公夫婦の元を訪ねてきたのが誰だかわかりませんでした。ひかりさんのような気もするし、そうじゃない気もします。その作り方がすごくうまいです。社会派ドラマでもあり、ミステリーでもありました。ラストがすごく印象深かったし、子どももちゃんとはわかってないかもだけど、母が2人いることを知っていたのは大きなことだなと思いました。養子であることは全然悪いことでも、隠すべきことでもないんだと強く感じました。もちろん、いつ言うかは家族が考えることで正しいときなんてないと思うけど、外野がとやかく言うことじゃないと思います。少し救われる感じで終わっていて、いい映画でした。

ルーム / Room
7

こんな事件怖いし、ショック。

母親のお父さんが、子どもを見つける目がすごくリアルだなと思いました。
その子が悪いのではないのに、彼を見ると犯人を思い出すし、いやでたまらないのでしょう。
お母さんは息子のことを愛しているようで、それはとてもよかったと思いました。
ルームでしか、生きてこなかった彼が変わっていく様子がとても細やかに描かれていました。
あんまりすぐに変わらないところがとてもリアルです。
こんな事件はフィクションだけであってほしいけど、こういう事件は実際にあったようだし、とてもショックでした。
なんでそんなことができるのだろうと思います。
お母さんも、逃げることにはあきらめモードだったけど、息子をいつまでも部屋というわけにもいかず、犯人がいつ息子を殺すかもわからないし、逃げようと思ったのだと思います。
あの子は望まれずにできた子だけど、希望になったんだろうなと思いました。
なかなかショッキングで、でもきっとこれからいいほうに変わっていくと思える終わり方をしていていい映画でした。
キャスト陣の演技もすばらしくて、閉じ込められていた女性の情緒不安定な感じもよく出ていたし、おじいさんよりおばあさんのほうが前を向けているのもリアルだなと思います。
子どものなんか小さな声でしか喋られない感じとか、おどおど感もよかったです。