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pippisanj9のレビュー・評価・感想

きくお
10

ほのぼのダークホラー系の世界観を持つボカロミュージシャン

きくおは2006年頃からニコニコ動画で初音ミクを使用したボカロ曲の発表を行うようになった、所謂ボカロPであり、フリーの作曲家として同人・商業含め活動を行っています。このミュージシャンの特徴は、可愛らしいタッチのイラストと愛くるしい声色のボーカロイドの奏でる地獄のような世界観です。歌詞を聞かなければほのぼのとした明るい童謡のような曲調の作品が多いのですが、何を言っているのか聞いてしまったが最後なんとも救いようのない気持ちになります。ある種仏教的な世界観というか、どうせこの世はしょうもないのでみんな仲良く灰になろう、みたいな気持ちになります。ただし悲観して暗いわけではなく、踊りながら灰になって消えていこうという感じですべて受け入れたうえでみんなきれいなものとして捉えなおすような、唯一無二の世界観が印象的です。ニコニコ動画では視聴者から「VOCALOID幻想狂気曲リンク」というタグを付けられていました。ここまで読んで聞いてみようかな、と思われた方には「悪いことはしちゃいけないよ」「僕をそんな目で見ないで」「塵塵呪詛」をおすすめします。全てCDに収録されておりますし、‎Apple Musicにも上がっておりますので簡単に見つけることができます。

グヤバノ・ホリデー
9

「あるはず」を求めた、夢日記のような短編集

「グヤバノ・ホリデー」は、21篇からなる短編集だ。その中から表題作である「グヤバノ・ホリデー」にフォーカスしてレビューしよう。
まず、グヤバノをご存知だろうか。グヤバノとは、南北アメリカ原産の果物のことで、日本ではほとんど出回っていないらしい。
これは、主人公が昔上野のアメ横の店で買ったグヤバノジュースを求め、原産地であるフィリピンに友人と探しに行くという小さな冒険の物語である。
2人はグヤバノを求め、現地の住人に聞き込みをしながらコンビニに寄ったり、ローカルなスーパーへ行ったりして、異国の情緒を感じながら旅を進めていく。
内容は、簡単に言うと作者本人の旅行記なのだが、その描き方が独特で面白い。
背景は、黒ペンで細かく描写する細密画のような見た目をしながら、フリーハンド特有の緩やかな曲線で描くため、幻想的な世界が広がる。「グヤバノ・ホリデー」では、作者が現地で撮影したであろう店や看板の写真を、そのまま背景として取り入れているコマもある。
その背景の上を、筆のような掠れた抑揚のある線でキャラクターたちが動く。人間の形をしているのは、主人公と友人くらいで、他は、身体は人間だが、タコのような構造物の頭をしたキャラクターや、「レオナルド」と呼ばれるデフォルメ化したイルカのようなキャラクター(主人公曰く犬らしい)など、他では見たことのないキャラクターが登場するのだ。
またpanpanyaの漫画は、基本短編の1話完結型で、その話ごとにこのキャラクターたちが違う設定を担って登場することが多々ある。例えば、レオナルドは「グヤバノ・ホリデー」内では、タクシー運転手だったり、現地のガイドだったり、その他大勢のモブであったりした。
なんの変哲もない日常に、少しの想像を絡ませ、SFと現実を曖昧に描いた短編集「グヤバノ・ホリデー」は、夢日記を彷彿とさせる不思議な漫画だ。

安室奈美恵
9

アムロちゃん、おつかれさま。

思えば、1995年1月。安室奈美恵withSUPERMONKEY'Sが73万枚の大ヒットをとばしました。
「TRY ME〜私を信じて〜」。安室奈美恵さんとしては、5枚目のシングルでしたね。
そうよ TRY ME あなたをつつむ 愛が待ってるいまは TRY ME 悲しい想い 消えなくても
そうよ TRY ME あなたをみてる 私を信じて
もっと TRY ME 違う明日の 夢をあげる
「夢をあげる」…夢をもらえました!
デビュー当時のアムロちゃんは、いわゆる「売れない」アイドル…。「ダンスパフォーマンスグループ」・SUPERMONKEY'S。1993年の年末「NHK紅白歌合戦」では、森口博子さんのバックダンサーをしていたんですよー。
「TRY ME」は、すごかった!テレビの歌番組の注目株の筆頭と言ってよかった。歌詞の中の「わたしを信じて」、アムロちゃんの成功を誰もが信じました。
最近の報道では、引退の真相が、実は声帯の故障にあったことが伝えられていて、やはり26年間も歌い続けるというのは、並大抵ではないのだなと思わされました。
安室奈美恵さんの最後のアルバム「Finally」の中から「Finally」。
Finally,I can stop wishing
モノクロの世界が
この瞬間 色付いてゆく
守るものがあるから
強くなれるの 信じて
26年間の歌手生活の閉幕、場がモノクロームに染まっていく…。そんな瞬間。
もはや、芸能界に復活することはないにしても、おつかれさまでした。
安室さんといえば、1995年の日本テレビ系「THE 夜もヒッパレ」。かわいかったなぁ。マイペースすぎるカワイコぶりっ子のアムロちゃんに、テレビの前はくぎ付けでした。
そして、カッコよかった。
Break it, Break it, Break it all
Shout It, Shout It, Shout your soul
Break it, Break it, Break it all
I wanna break 旧体制 (Ah, Ah)
抑え付けられて従うような
素直な性格じゃないから どうぞお構いなく
守りたかったのは、もしかして、抑え付けることのできない自由?やっぱり、カッコよかったなぁ。