oxygen_69@oxygen_69

oxygen_69
oxygen_69
@oxygen_69
22 Articles
2 Reviews
0 Contributions
0 Likes
oxygen_69

oxygen_69のレビュー・評価・感想

ミモザ館
10

愛をめぐる悲劇

映画『ミモザ館』は、1935年に製作された仏映画で、監督は名匠ジャック・フェデー、主演は当時フェデー夫人だったロゼーです。
獄につながれた男の息子をミモザ館という宿屋を経営している夫妻が引き取りました。
しかしその後、出所した男が息子を引き取りに来て、主人公夫妻のもとから離れていきました。
こうして10年経ちました。
その後、子どもから頻繁に金の無心の手紙が来るので、そこへ向かったロゼー演ずるミモザ館の女将は子どもがやくざな道に落ち込み、賭博場の主人の情婦とできているのを知り、お金を払ってその情婦ネリーを子どもから引き離しました。
しかし子どもはそのことに絶望して毒をあおって自死してしまいます。
ロゼー演ずる女性は子どもを一人の女性として愛してしまうのですが、その心のありようを見事に描き切っています。
このように丁寧に心理を表した描写は当時の仏映画には結構多いのですが、とりわけこの作品はリアルに描いていて、巧いと唸ってしまいますね。
さらにいえば、この作品には当時欧州を覆っていた暗い世相が反映していて、その美しい映像とともにわたくしたちを魅了します。
『ミモザ館』は、現在の目で見ると文学的な映画と感じられます。
それは即ち映像に頼りすぎていないという意味であり、台詞も磨き抜かれているということです。

アバター / Avatar
10

引き込まれる世界観!

一言でいうと、映像美!な作品。
監督は『タイタニック』などの大ヒット作品を出したジェームス・キャメロン。
この作品は2009年に公開されたものだが、その当時に作られたものとは思えないほどの巧みな映像技術が使われていた。
植物をはじめとする自然がまるで人間のように動いているかのように描かれていること、動物たちの動きに全くの違和感が感じられないほどの映像である。
描かれている動物たちがとてもかわいらしいのも魅力的だ。夢の国にでも行ったような気分になる。
上映時間は3時間と少し長めに感じるかもしれないけれど開始すぐに物語の中に引き込まれていく。
最後の最後まで時計を気にすることがなく、とても面白い。終始ワクワクドキドキさせられ飽きることなく楽しめる。
舞台は22世紀の衛星パンドラ。
ここでは星全体のバランスがうまく保たれて、人間や人間が生み出した技術が悪となる。
現世界における問題を扱っていて、人間たちの愚かさや自然に対して人間が犯してきた過ちがどれほど大きいものなのかを私たちに訴えている作品である。
内容も2重3重してみないとわからないような複雑な作品ではなく、1回でストーリーが理解できるので見やすい。
見終わった後に疑問が残らずモヤモヤしない。