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okagawawaz6のレビュー・評価・感想

凪のお暇
9

大好きな作品の一つです。

主人公の大島凪(女/28)、会社では空気のような存在。
趣味は家で一回使った豆苗を育てたり、待機電力日々の『節約』に小さな幸せを見いだす地味なアラサー女。
お昼のランチでは常に同僚の話に同調しては、駄目だしをされ、マウンティングをされる。
でもそんな凪でも一つだけ自慢できる事、それは会社で王子様的存在の我聞慎二と付き合っている事。
冴えない毎日、ささやかな生活の日々、ずっと空気を読む事で自分をひた隠しに隠していた。
ある時、会社の残業中にひょんな事から彼氏の本音(?)を聞いてしまう。
『一回食べた後の野菜とか育てて何回も食べてるし、作るご飯も貧乏臭いし、そういうケチ臭い女は生理的に無理。アッチがいいから会ってるだけ!』
その出来事を機に、仕事も辞め、毎朝丁寧に伸ばし続けたサラサラヘアーも卒業し、お洒落な家具も捨て、都心2LDKから郊外の六畳一間への都落ちを選んだ。
28歳無職、不安は色々あるものの、色々なしがらみから解放された凪は本当のお暇を手にしたのであった。
クーラーも何もない家が、住んでいた家よりも遥かに快適で楽しい事に気付く。
日々日常の中にこんなにも幸せがあるんだとほっこりさせてくれるお話。
何気に感じているモヤモヤが、この本を読んだ事によって形になったような気持ちになる。
読めば読む程ハマる一冊でした。