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manyu_yukkyp4のレビュー・評価・感想

トニー・ブラクストン / Toni Michelle Braxton
7

深く響く、ため息のようなセクシーな歌声

2018年にリリースされたアルバム『Sex & Cigarettes』で見せられたトニ・ブラクストンの進化には驚かされました。90年代の名曲で知られ、もはや大御所の域に入ってしまったかのように思っていましたが、まだまだ現行のR&Bシーンでイケる、華麗なアップデートを果たしていたのです。
93年のソロデビューアルバム『Toni Braxton』から既に完成された歌唱スタイルを披露し、インテリジェンスを感じさせる美貌を兼ね備えていたトニ・ブラクストン。ビターで深みのある声が低いところから響き、力強く愛を歌い上げてヒットしました。
次の96年のセカンドアルバム『Secret』でも勢いは健在。「Un-Break My Heart」はキャリアの中で最大のヒットシングルとなります。
2000年代に入ると、流行りのサウンドと相性があまり合わないのか、魅力が十分に引き出されず、セールスも少し落ち込みます。しかし、2001年のクリスマスアルバム『Snowflakes』は素晴らしい作品で、通常のアルバムと同じぐらい完成度も高く、最高に暖かいクリスマスソング集となりました。
それ以降なんとなく、もうR&Bの伝説となってしまったかのような印象だったので、あまり新作に期待はしていなかったのですが、その予想をいい意味で裏切られることに。『Sex & Cigarettes』収録の「Long As I Live」では、しっとりとした、ため息のようなセクシーな歌声を堪能できることはもちろん、これまでにないストレートな情熱に惹きつけられます。
ハートブレイクを歌ったバラードですが、その感情の盛り上がりが素晴らしく、何度も聴いてしまう中毒性が。90年代の頃の哀愁たっぷりの渋い曲調とは一味違う、トニ・ブラクストンの新しい魅力にやられました。
メアリー・J・ブライジやマライア・キャリーなどもそうですが、年齢もキャリアも重ね、貫禄さえ感じる女性アーティスト達が、過去の栄光に落ち着いてしまうことなく、自身の音楽を更新し続けていることは、非常に喜ばしいことだと思います。

おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~
9

看取りとは。

訪問看護師を主役に、自宅で看取りをする人々の話を描いています。
もともと、医者ものが好きなのですが、この話は看取りがテーマということで重たいは重たいのですが、看取りに前向きに向き合ってるというか、当事者が後悔しない看取りをできるよう、助けている看護師たちが素敵で、いい話です。
当事者たちも、最初は死ぬことを受け入れてなかったり色々あるのですが、さいごには死というものを受け入れていて、すごいなと思います。
ちょっと喧嘩したり、色々言い合ったりもするし、色々あるけど、それがお別れするための儀式というか、そういうプロセスを取ることが大事なのかもなと思いました。
看取る相手はいろいろありますが、やっぱりお母さんの話が感慨深いです。
親1人子1人で、結婚してない娘が母親を看取る話は、母が亡くなることをなかなか受け入れられず、高い水を買ったり、食べない母を怒ったりしていて、ああ、私も母が末期とかなったら怖いなと思いました。
看護師さんは、そのことをちゃんと理解して、見守ったり、真実を伝えたり、相談に乗ったりしていました。
看護師さんたちが、そういうことができるのは、そりゃあ経験とかがあるから、わかるという面もあると思いますが、それ以上に人の死に真剣に向き合ってきたからだと思います。
すごく考えさせられる話です。