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lov3_0324p7のレビュー・評価・感想

MAJOR / メジャー
10

1人の野球好き男の幼少期からメジャーリーガーになるまでを描いた、波乱と挫折と希望を描いた壮絶な野球漫画!

野球の頂点、メジャーリーグワールドシリーズの最終回のマウンドに1人の日本人投手が立っている。
彼の名前は茂野吾郎(旧姓:本田吾郎)。
野球をやっている人間なら誰もが憧れる場所に彼は立つことができた。
一見華やかな野球人生を歩んでいるかのように思えるが、吾郎の人生は挫折だらけだった。

吾郎が誕生してすぐ母親が亡くなり、プロ野球選手の父親と2人で暮らしていた。ただその父親も幼少期のときに父親のライバルが投げたデッドボールが原因で急逝した。
小学4年のときには無茶な投球を行い、利き腕の右肩を壊して大好きな野球を続けられなくなった。
これがおそらく吾郎にとって一番の大きな挫折だっただろう。
だがこれで諦める吾郎ではない。なんと左投げとして完全復活したのである。

そこから己をさらに高めるために、高校野球の名門校・海堂学園に入学。そしてさらにその海堂学園を倒すために野球部のない高校へ転校する。しかし、海堂学園のチーフマネージャーは海堂を裏切った吾郎を良く思っておらず、2軍選手を使って吾郎の足に大けがを負わせた。
高校での野球は無理かと思われたが、ケガを押し切りなんとか海堂学園と対決する。試合には惜しくも負けたが、彼は決して後悔することはなかった。

高校卒業後は単身アメリカに渡り、1年目から3A(メジャーリーガーの1つ下のランク)の抑えとして活躍。
さらに吾郎はそこで、最大のライバル・ギブソンJr.(吾郎の父親が亡くなる原因のデッドボールを与えた投手・ギブソンの息子)と出会い、最終戦では見事に勝利する。
その後、日本代表に選ばれた吾郎はそこでも抑えとして活躍。そして決勝戦では再びギブソンJr.と対決した。
この場面は2023年に行われたWBCの決勝戦、大谷翔平(日本最高の投手)VSマイクトラウト(アメリカ最高の打者)のようだ。
ギブソンJr.にサヨナラ満塁本塁打を打たれ、勝負に負けた吾郎だったが、父親のライバルだった・ギブソンと決勝戦のマウンドで投げ合うという一つの夢は叶えられた。
だがその結果、燃え尽き症候群にかかり、野球を続ける意味がわからなくなって不調に陥る。
しかし、「野球が好き」というシンプルな動機が吾郎を再び立ち直らせ、完全復活を果たした。
その後何度かケガはあったが、吾郎はワールドシリーズでライバルのギブソンJr.から三振を奪い、優勝することができた。
これほど長く1人の人間の野球人生を描いた作品はないだろう。
小学校の図書館に置いてあれば全児童がハマること間違いなしだ!

キングダム / KINGDOM
8

三国志好き、歴史好きにはヒット間違いなし

紀元前3年の古代中国、春秋戦国時代の戦国七雄の争いをモデルとした作品。
内容は史実に基づいて構成されており、後に中華統一を果たす秦国王・政(のちの始皇帝)と天下の大将軍を目指す戦争孤児・信との身分を超えた関係を描いている。
他国との領土争いの中で、信は成長を遂げ、自らの部隊(飛信隊)の長となり、武功を挙げ天下の大将軍へと近づいていく。その中で師となる将軍の死、仲間の死を乗り越え信の大人への成長、将としての成長を感じることのできる作品である。
攻城戦など戦場でのアクションシーンは迫力満点だが、策謀めぐらす政権争い、外交も見どころ満載である。秦国の王にすべての力があるわけではなく、王の次に権力のある呂不韋との権力争いは常に続いていた。元豪商で、多くの富を築いてきた呂不韋との争いは国王には不利であったが、飛信隊の活躍は政治にも影響を与え、政を支えていた。外交面でも知謀をめぐらすシーンは多く、戦闘シーン以上の見応えを感じることができる。
1期2期では3DCGを使っているため、絵に抵抗を覚えるが、話が重なるごとに自然な絵に変わっていく。この絵への抵抗で中断する方も多いだろう。作者の絵への熱意が感じられるようになるまでの辛抱が必要だ。