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kinkuma8410のレビュー・評価・感想

大病院占拠
10

櫻井翔主演ドラマ「大病院占拠」

「大病院占拠」とは、とある大病院が舞台となっており、ある日鬼の仮面を被った武装集団によって占拠されるお話である。
櫻井翔演じる武蔵三郎は強い正義感を持った警察官だ。しかし1年前にガソリンスタンドで立てこもり事件が発生した際、急行し被疑者の肩に銃を発砲したが、肩が灰皿に当たってしまい巻いていたガソリンに引火して爆発したことがあった。被疑者をあと1歩のところで助けられず亡くしてしまい、それがトラウマになる。その後家族に冷たく当たってしまい、別居するようになり警察官を休職していた。
ある日妻に治療を薦められ大病院で診察していた。トイレで薬を飲んでいたところ怪しげな音がなり、確認した武蔵は爆発を目の当たりにしそれに巻き込まれてしまう。それと同時に、鬼の面を被った10名の武装集団が病院を占拠したが、武蔵は鬼の追跡をかわした。
警察が、この立てこもり事件に指揮本部を設置し突入を試みるが、至る所に爆弾が設置されており阻止された。指揮本部は情報分析官を呼び、内部の手術室のみがライブ中継されるのでハッキングを試みるがそれも読まれてしまう。だが、そこには奇妙な数字の羅列があった。
一方、鬼たちは自身のインターネット動画サイトに「百鬼夜行ちゃんねる」を開設する。指揮本部が確認すると、なんと交渉するためのパスワードが必要だった。手術室をハッキングした時にあった奇妙な羅列はパスワードであった。鬼たちは自身のチャンネルの登録者が10万人になると、ライブ配信を開始し警察と交渉を行う。
一体鬼たちは何が目的なのか?鬼たちはなぜ大病院を占拠したのか?このドラマの鬼たちは、誰にも知られないようにクレジットの名前もモザイクで隠されており、台本でもキャストの名前は伏せられ、誰が鬼なのか考察するのもこのドラマの楽しみの一つである。

櫻井翔主演「大病院占拠」、とても面白いドラマになっているのでぜひご覧いただきたい。

ソウルフル・ワールド
7

夢がなくてもきらめいている。

日常の小さなことがきらめきであり、目標とかがなくてもいいなっていうのがよくわかりました。私も大人になっちゃってそういうふうに思えてなかったので、すごく考えさせられました。22番が、地上で喜んでいるところを見ると、ああ、私はなんてすてきな世界にいるんだってなります。たしかに小さい時は散歩だけでたのしかったもんなと昔を思いだしました。22番は地上に長いこといなかったからいろいろ新鮮だったのでしょう。それがわかっただけでもいい映画でした。ピクサーの作品はいろんなテイストのものがあって、頭の中の話もありましたが、ソウルの話ってのもめずらしくていいです。ソウルと、音楽的な意味でいうソウルもかかっている気がするし、ジャズはあまりなじみがないけど、かっこよかったです。でも、これが夢ってすばらしいみたいな感じで終わっていたら凡作です。そうではなく、何も見出せなくても生まれていいよって言ってくれている気がして、そこがよかったです。ソウルの表現も怖くなく、幽霊って感じでもないけど魂って感じがちゃんとして、そこらの表現はアメリカでも日本でも一緒なのかなってのも興味深かったです。顔もころころ変わるし、人でないものが主役の作品もすごく面白いものだなと思いました。

戦場のメリークリスマス
10

裁きを受けた時代の犠牲者

『戦場のメリークリスマス』でビートたけしが演じる『ハラ』は、戦時中に「正義」とされていたことに追従していた人だった。
時代の価値観がハラを生み、そしてハラは、戦犯となり裁かれる。
ハラは、加害者ではなく犠牲者だった。
一度この映画を最後まで見てから、もう一度頭から見ると、最初は極悪人に見えた『ハラ』が、ただの「かわいい人」に見えてくるのである。
人間は、一生懸命葛藤を抱えながら生きている。
性善説で見るか性悪説で見るかでまた変わってくるのだが、被害者側からすれば許せないことはあるにしても、俯瞰して見れば、どんな罪人も最終的には許されていいのかもしれないと、この映画を見て思う。
美空ひばりの『愛燦燦』の歌詞に、「人は可愛い可愛いものですね」とあるが、戦場のメリークリスマスでは悲しい戦争のシーンや体罰のようなシーンがあるが、それが時代の正義だったのだから仕方がない。
作家の永井荷風は、日本が戦争に負けることを知っていた。
フランスに留学していたためである。
それで、言語統制に引っかかったり引っかからなかったりしながら、遊郭などで遊んで暮らしていた。
ハラのような人間と永井荷風のような人間のどちらが聡明でどちらが真面目だったか、とこの映画を見て色々考えるきっかけとなった。