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keitoma125v2のレビュー・評価・感想

レスラー(映画) / The Wrestler
9

ミッキー・ローク復活と重なる「レスラー」の生き様をここにみる

主人公であるミッキー・ローク演じるランディ・"ザ・ラム"・ロビンソンは、80年代に人気を博したプロレスラーだが、落ちぶれて今はトレーラーハウスに住み、プロレスの傍らスーパーでバイトをしながら日銭を稼ぐ日々。

プロレスという、華やかに見える舞台の裏で、レスラーのリアルな日常が描かれる。痛み止めの薬を買い、日焼けサロンで肌を焼き、金髪に染め上げて、ランディは"ザ・ラム"を作り上げて行く。

そんなランディも老いには勝てず、試合後の控室で倒れ心臓の手術を受け、医者からプロレスを禁じられる。
退院したランディが、馴染みのストリッパーであるキャシディに会いに行き、「独りは辛い」と心情を吐露すると、家族が大事だと諭され、長年疎遠になってなっている娘に会いに行くよう促される。

娘の元へ行くも、突き放されるランディ。だが、キャシディの助言で、プレゼントを買い再び会いに行くと娘は受け入れてくれ、夕食の約束もした。
ランディが、娘を真正面に見ながら「お前に嫌われたくない」と涙を流すシーンは、「もしかしてランディは変われるかも…!」と期待してこちらも応援したくなる。

が、この映画はそんな王道のストーリーを辿らない。キャシディに言い寄るも突き放されてヤケになり、薬をキメ、よその女性と情事に耽ったランディは娘との約束の時間をすっぽかし、絶縁宣言されてしまうのだ。観ているこちらが「ああ、何やってるの…。」とうなだれてしまう…。
さらに、スーパーでは絡まれた客にキレて店をメチャクチャにした挙句出て行ってしまう。
一度は引退を決めていたランディだが、20年前の名勝負を持ちかけてきたプロモーターに連絡をして、試合の約束を取り付ける。
当日、出場を止めるキャシディに対して「俺にとって痛いのは外の現実の方だ。」と言って、観客の声に誘われたランディは、リングに向かう。
試合の途中で異変を感じ、レフェリーや対戦相手に終わりにしよう、と促されてもランディは聞かない。心臓をおさえてトップロープから得意技「ラム・ジャム」を放つところで映画は終わる。

この映画の最大の見せ場は、けっきょく最初から最後まで、ランディは何も変わらなかったということ。娘との関係も修復されないし、キャシディとの関係も進展がない(むしろ去られる)。「外の現実の方が痛い。」というランディの言葉が全てを物語る。結局、ランディはいくつになっても、病気を抱えても、リングにしか居場所を見いだせなかったのだ。キャシディが試合を観ていないことに気づいたランディは、少しだけ笑う。これが「ロッキー」なら、最後まで試合を観てリングに駆け寄り、抱き合ってハッピーエンドとなるところを、実にリアルで潔い結末で締められるのだ。

老眼鏡をかけ、補聴器を付けて、さらに死にかけてもなおリングに向かう姿は、バカじゃないかと思うも愛おしくなる。そして最後は号泣必至。

夏目友人帳 / Natsume's Book of Friends / 夏友帳
10

漫画『夏目友人帳』

アニメ化も果たした大人気コミック『夏目友人帳』。
今回はその魅力についてレビューしていきます。

あらすじ:
「妖怪が見える」という秘密を抱えた孤独な少年・夏目。祖母・レイコの遺品である「友人帳」を手にして以来、妖怪たちから追われる羽目に…。用心棒・ニャンコ先生とともに過ごすドタバタな日々が幕を開ける!

魅力その1:思わずほっとしてしまうハートフルな作品
人間と妖怪、非日常な世界観でありながらどこか日常的、懐かしいような、寂しいような気持ちになったり、思わずほっとする気持ちになったり…心動かされるハートフルな話が読者を引き付けます。大人が忘れてしまった大切なこと、それを思い出させてくれる。そんな物語です。

魅力その2:ニャンコ先生
この漫画を代表するキャラクターといっても過言ではない「ニャンコ先生」。
かわいらしい見た目ももちろんですが、調子のいい性格、小生意気だけどどこか憎めないコミカルな仕草も、『夏目友人帳』を支える魅力の一つですね!
ニャンコ先生のグッズ展開など、その人気の高さがうかがえます。夏目の友人のタキが、なんとかニャンコ先生を確保してもふもふしようといつも奮闘していますが、そんな気持ちもよくわかります。

少年メリケンサック
8

ありそうな設定でおもしろい。

若手バンドかと思いきや、それが昔の映像でおじさんバンドだったというコメディものです。
さすが、クドカン、めちゃくちゃおもしろい設定だなと思いました。
たしかに、映像だけで今か昔か判断するのは難しいし、そういうことありそうちゃありそうです。
佐藤浩市のパンク姿というのも珍しいし、思った以上に似合ってておもしろかったです。
いやいや、喧嘩なんかしてないで頑張れと思いたくなるような中年ズですが、なんかほっとけない感じもして、ちょこっと昔の面影もありました。
宮崎あおい演じる栗田が彼らに振り回されているのが、おもしろいです。
栗田も最初は自分が首になるからってだけで動いてた感じでしたが、どんどんおじさんズのことも考えるようになってる気がしました。
やはり同じ音楽好きで、同じように音楽業界にいるから、売れずに解散するとかの切なさに共感できたんだろうなと思います。
また、結構ミュージシャンが出演していてそれも見どころでした。星野源がでてたのがうれしいです。
あと、後から知ったのですが、少年メリケンサックの若い頃のボーカルは峯田さんでした。
だからあんなに上手くて魅力的に映ったのですね。パンク映画だけあって、音楽にもこだわってるなあと感じました。

シュレック フォーエバー / Shrek Forever After
9

いい話だし、悪役がいいキャラ

シュレックの4作目にして最終作です。子供の世話に追われ、昔の怪物生活が懐かしくなったシュレックが悪い魔法使いの口車に乗って、フィオナを助けてない世界に行っちゃう話です。とても、おもしろかったです。確かに子どもか3人もいりゃ、昔と同じなんてありえないし、いらいらしちゃったシュレックの気持ちもわかります。でも、それはちょっと現実逃避したかっただけで、ずっとじゃない。なのに、ずっとそうなっちゃうかもとがんばるシュレックは素敵です。そういうパラレルワールドの話ですが大体のみんなは同じような感じです。1人違うのは長靴をはいた猫で殺し屋とかではなく、フィオナ姫のペットになってるので、めっちゃ太ってます。でも、すごくかわいいです。なんなんでしょう、大体のものが太すぎるとブサイクなのに、猫だけ特別です。悪役の悪い魔法使いはとてもいいキャラをしてました。口先のうまさだけで実は大したことなさそうな小物感がいいです。吹替版だと劇団1人が声をしていて、これがまたいい感じなのです。劇団ひとりさんは一人芝居が好きというか、大げさな感じの泣き顔が得意というか、そういう感じの人で、そのイメージと悪役のイメージがぴったり一致してます。主役の3人の頃から思っていましたが、ほんとシュレックシリーズは吹替キャストのキャスティングがうまいなと思いました。