jiro-toriyamaz2@jiro-toriyamaz2

jiro-toriyamaz2
jiro-toriyamaz2
@jiro-toriyamaz2
2 Articles
1 Reviews
0 Contributions
0 Likes
jiro-toriyamaz2

jiro-toriyamaz2のレビュー・評価・感想

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021
9

大人も楽しめる。考えさせられる。

1985年に公開された『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』のリメイク作品である。独裁者のピリカ星への侵攻というストーリーは、公開1週間前に勃発したロシアのウクライナ侵攻と重なる点も多く、大人でも見入ってしまう。ちなみにピリカ星の大統領がつけているペンダントが偶然黄色と青で、ウクライナの国旗と同じ色であった。
のび太たちが戦うことになると決まったとき、みんなが意気揚々としている中で、1人スネ夫だけが「本当は戦いたくなかった」と部屋にこもって泣いていた。どうして自分が戦わなければならないのか。本当は怖い。戦いたくない。こんなことに巻き込まれるなんて。
そういった思いがスネ夫のセリフからひしひしと伝わってくる様は、戦争でなくとも人間ならば誰しも考えたことがあるだろう。敵と戦うアニメではそういった恐怖心や葛藤が描かれることが少ないが、今作品ではそういった感情がスネ夫だけでなくのび太やしずかちゃん等にも描かれ、より自分のこれまでの経験や心情と重ね合わせやすくなっている。

戦いの話となると女の子は戦いに参加せず、逆に人質となって足手まといな存在に描かれがちだ。しかしこの作品では、一旦人質となったしずかちゃんも最後には戦いに参加し果敢に戦う姿が見られ、男女の区別なく活躍している姿はジェンダーの観点からも評価できるものだろう。