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iinimeのレビュー・評価・感想

トータル・リコール / Total Recall
9

夢か現実か自分とは何なのか考えてしまうSF映画の金字塔

舞台は数百年先の火星を開拓している時代、地球で働くダグ・クエイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、訪れたことの無い火星に強く憧れ、火星へ行く夢を毎日のように見ていました。クエイドは、火星の現状を知りたく思い、理想の記憶を販売する会社「リコール社」を訪れ、事件が発生します。
火星を救う秘密諜報員という設定の記憶プログラムを試しますが、トラブルが発生し中断されてしまいます。その日から、妻や謎の集団に命を狙われるクエイド。夢なのか現実なのか、全ての謎を解くためにクエイドは火星へと赴き記憶の真相に迫っていきます。
1990年に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガー主演作『トータル・リコール』のリメイク作品が出るほど根強い人気のある映画です。90年代に公開されたとは思えないほど、火星や近未来の設定は高い完成度です。
火星という未知の場所で自然に生活している異形の人々など近未来の設定なので、面白い映像が多く見ていて飽きません。話が進むテンポも良いので気が付けがエンディングとなっているでしょう。
見る人によって感じ方が変わるエンディングは複数人で見た後に話し合うと意見が分かれて面白いです。人生で一度は見ておきたい作品の1つだと言えるので、おすすめします。

おおかみこどもの雨と雪 / Wolf Children
8

子どもが生まれてから再度見るべき作品

細田守監督、スタジオ地図作成となる日本のアニメーション映画である。
あらすじ
女子大生だった花が恋をした男はニホンオオカミの血を引く獣人だった。。知りながらも2人の子どもを産んだ。姉の雪、弟の雨。雨が生まれて間もないころ、交通事故で「おおかみおとこ」は亡くなり、花は一人で「おおかみこども」を育てることとなる。
「おおかみこども」を育てるうえで、都会での暮らしは難しく、人里離れた古屋を改築し、3人で暮らし始める。
花は「おおかみこども」であることを知られないよう、人との関わりを最小限に、と思いながらも地域の人々の優しさに支えられていく。
雪と雨は社会との関わり、自然との関わりを通じ、成長するなかで雪は人間として、雨はおおかみとして生きることを選択する。
レビュー
母である花は「おおかみこども」である2人が「人間として生きていくこと」もしくは「おおかみとして生きていくこと」のどちらも本人たちの意思で選択できるよう、環境を整えてあげる姿に理想の母親像を感じた。
子育てをしているとどうしても親の希望・親の思いを子どもに強制してしまうことも少なくないだろう。しかし、花はあくまで子どもたちの人生を歩めるよう心掛け接している。これだけだと、花があまりに理想的な母親すぎて、同じ母親として息が詰まるのも本音である。しかし、雨が「おおかみとして生きること」を選んだ時、花は一瞬躊躇する場面がある。そこに、花の人間らしさが垣間見れ、共感しやすい。子どもが生まれ、もう一度見ることで面白味が増す作品である。

ミュージカル『刀剣乱舞』 / 刀ミュ / Musical: Touken Ranbu
10

刀剣乱舞ミュージカル 結びの響 始まりの音

刀剣乱舞ミュージカルはどれも面白いです。
この作品は私が初めて目にした2.5次元舞台です。正直期待してませんでした。今まで実写化した2次元作品は、どれも自分のイメージから程遠い、アイドルを主役にした、イマイチ感が抜けきらない、ぎこちないCGありの作品ばかりで、何で実写化したのか疑問なものしかなくて。
しかし、最近はセーラームーンありテニスの王子様ありNARUTOありで、その再現率の高さにはびっくりしました。家にいる人形が勝手に動き、話している感じです。全く刀剣乱舞の知識がありませんでしたが、物語部分の内容が面白くて、びっくりです。
今までの過去に戻るタイプの作品は、未来で起こる悲しい事件や失敗を回避するため奮闘し、何とか明るい未来を築こうとするのが王道でしたが、刀剣乱舞は過去を変えない、守り抜くとういう内容で、自分の尊敬したずっとそばにいた主人が死ぬ日に、その死を間違いなく迎えるよう尽力し、果たすべき使命に自分の意思を覆い隠すという、至極悲しいお話です。それだけでも、辛さが伝わって来るのに、刀の時代に主として使われていたその人を、自らその手で斬り行くいう内容で、もう男らしいですし、悩むでしょうし、何故にあなたがと言う疑問と共に、涙なしでは見られませんでした。二部のライブで、明るく歌い踊る姿がなければ、見終えた後の引きずり感がすごいので、この演出は救われます。一度必見の作品が目白押しですから、どうか偏見を持たずに飛び込んで欲しいです。

エスター / Orphan (2009 film)
10

サスペンスホラー洋画「エスター」のココがおもしろい!

洋画「エスター」は巧妙な伏線が散りばめられた、驚愕のサスペンスホラー作品。

物語は孤児院に預けられた主人公の少女”エスター”と彼女とは血縁関係のない夫婦との出会いから始まる。
夫婦は3人目の子宝に恵まれず孤児院にいるエスターを養子に迎えることになったのだが…この出会いが、既に2人の子供を抱える夫婦家族に悲劇を巻き起こす。

まず家庭内で不可解な騒動や事件が連続で勃発する。
”エスターの様子がどこか変だ”。その異変に気付いた妻は夫にこう伝えた。
「エスターをこのまま置いておけない、孤児院に返しましょう」と。

妻の言ったことは事実だった。しかし夫は反対した。夫の前では所謂”いい子”を徹底的に演じていたのだ。
ついにエスターは1人の女として夫に詰め寄り、妻と夫の関係を引き離そうとする。

とはいえ、当然効果はない。エスターは養子に迎えた娘であり、夫は娘としての愛情をエスターへ注いでいただけ。
女性として意識するはずがなく、エスターの夫に対する好意は適当に流されてしまう。

エスターはこれに逆上した。”なぜ自分を見てくれないのか?”

悲劇はさらにエスカレートすることになる。
エスターは夫を殺害し、子供に対してまでも殺人未遂を犯したのだ―。

この映画のおもしろいポイント、それは”エスターとは一体何者なのか?”ということ。

最後、エスターという少女に隠された衝撃の過去が伏線を一気に回収する。

それを知った瞬間、あなたはこう思うはずだ。”なるほど”と。

Mr.Children / ミスター・チルドレン / ミスチル
10

Mr.Childrenが長年好かれる理由

Mr.Children、通称ミスチル。誰もが知る国民バンドである。1992年5月10日にミニアルバム『EVERYTHING』を引っ提げデビューした。今では誰もが知ってるミスチルだが、当初は全く売れず誰にも知られないようなバンドだった。
ドラマ主題歌『CROSS ROAD』をきっかけに爆発的ヒットを次々に連発した。1993年当時は音楽、CDバブルの年でもあり、200万枚前後の売り上げをたたき出した。ボーカル桜井和寿の書く繊細で共感性の高い歌詞や、圧倒的な歌唱力は当時の若者の心を捉え、大人気バンドになった。そして今でも人気は衰えることなく、新曲を出せば高いセールスをたたき出し、ライブを開催すれば7万人の会場を満員にできる数少ない国民的バンドである。
200曲以上の曲をリリースしながらも、常に新曲は新鮮かつ、ミスチルらしいメロディを奏で、衰えることを知らない。ボーカル桜井和寿のライブパフォーマンスは年齢を重ねても衰えるどころか進化し、昔の曲を聞けば、懐かしさと共に、新しいパフォーマンスの融合によって新境地を切り開いたような歌に聞こえる。桜井和寿の書く普遍的でメッセージ性のある歌詞は聞く人によっても、聞く時代背景によっても違って聞こえ、何度聞いても新しい景色が見える。このような国民的バンドと出会えた僕は幸せだ。

エバン・オールマイティ / Evan Almighty
5

ドタバタコメディのハッピーエンド

テレビのメインニュースキャスターをしていたエバンは、選挙に出馬しついに国会議員に当選します。妻と子供3人を連れて仕事のために新たな大きな家に引っ越し、新たな車で議会へ通勤します。
大きな仕事の責任と権力を得たエバンは、ある夜世界を変えるために力を貸して欲しいと神様へお祈りします。その後、モーガンフリーマン演じる神により旧約聖書のノアの箱舟にまつわる「サイン・兆候」が次々現れ、エバンに大洪水に備えて全ての生物と人々を救う箱舟を作るようにお告げします。彼はハイキングの計画を立てて家族や子供達との時間を取ろうとしますが、議員としての仕事を遂行しようと多忙な仕事をこなす日々で家族との約束が果たせず、家族の心は離れていきます。
そんな日々を送っていると、不思議なことに次々と巨大な箱舟を作るための木材が届き、勝手に近所周辺の土地を買ったことになっていたり、剃っても剃ってもモーゼスのようなヒゲが伸びたりしていきます。議会で通すべき法案の重要な局面に取り掛かるも、様々な不思議なハプニングにより信用されず、遂に自宅待機として停職処分になってしまいます。そこで神からのお告げは避けられないとし、来たる災害に備え箱舟作成に精を出します。
一度見捨てた家族は思い直してエバンを応援するために戻り、様々な動物と一緒に箱舟作りを行います。運命の日は乾燥しており晴れの地域に雨は降らず、洪水は起こらないと誰もがエバンをバカにしていましたが、山中にある湖のダムが決壊し、洪水が起こります。人々や全ての動物を箱舟に乗せ洪水から救い、箱舟は水の流れに沿って街中を進んでいき、議会の建物前で止まります。取り掛かっていた法案採択の期限の日ですが、これを通すと政治家が金儲けをする仕組みである裏事情を知ったエバンはこの法案を通すことを否決しました。悪事から市民を守り、また家族を信じて絆を深め、小さな一つの親切から少しずつ世界は変わって行く、という教えがドタバタなコメディーを通して描かれています。