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hindsights20_204のレビュー・評価・感想

King Gnu / キングヌー
10

完成度の高すぎるハイセンスバンド

最高のバンド!超格好いい。他のポップバンドと同じように、大衆に人気のある誰にでも受ける曲を出している一方で、攻めた作品も多い印象である。
ミュージックビデオが他のアーティストから群を抜いて魅力的であると思う。彼らのミュージックビデオはまるで現代アートである。世界観が独特で、クオリティーも高く素晴らしい。とくに「泡」という曲のミュージックビデオは、海の中で撮影されており、なんとも幻想的で、曲も映像も迫力がある。だがその一方で深い悲しみが感じられて、何度見ても作品によって生み出される感情に圧倒される。
歌詞も「消えたの泡となり、消えたのいつのまにか」というように、詩的で美しい。king gnuの楽曲は歌詞が印象的だと思う。

最新アルバムの『greatest unknown』は全曲素晴らしい。「何者かになれたなら」「自分を好きになりたい」「あなたはそのままでどこまでも特別」といったように、SNSの蔓延した世代を生きる若者の心に響くような歌詞が、爆発的な若者人気の理由の1つではないかと思う。

また、メンバーの魅力も人気の1つだ。4人全員が個性的である。個性的で風変わり、そして才能あふれる4人が醸し出すカリスマ的な雰囲気に、ファンたちは皆魅了される。

2.5次元の誘惑
9

その正体はスポ根ヒューマンドラマ

3次元の女性に興味を持てないほどの重度なオタクである主人公が、同じ部活に入ってきたコスプレイヤーをきっかけに2.5次元の女性に恋を…するのか?といった主題の漫画です。
この漫画の魅力は何と言ってもヒューマンドラマであり、ラブコメであり、スポ根です。コスプレとは何か?コスプレイヤーとは何か?といった命題が各章で散らばっており、その命題に登場人物が真摯に向き合います。
そしてその命題はコスプレのみならず、オタクバレしていじめられた少女、短期打ち切りで家族と自信を失った漫画家、理想の自分を演じ続けなければならない隠れオタクなどそれぞれが心に抱える障壁をコスプレを通して壊していきます。その過程や決めシーンはつい読者の目頭を熱くするような、そんなスポ根の熱さがあります。
そして、そんなヒューマンドラマだけではありません。そもそもラブコメとして始まっているのでラブコメ要素も多くあります。ヒロインたちが主人公を好きになり、アプローチを仕掛ける様子は初々しく、ラブコメとして楽しめます。
随所に仕込まれているオタクあるあるネタやギャグも面白く、非常に満足度が高いです。
そして、これらの細かい心理描写やコスプレお披露目の絵は圧巻です。作者さんの画力の高さが窺えます。
ただ、オタクじゃない人からしたら分からないネタが結構多いので少し読者を選ぶのは難点です。
オタクにはとてもおすすめの1冊です。