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hajime_asyouのレビュー・評価・感想

そして、バトンは渡された
9

自由奔放な母親に振り回される子供と夫、しかしそれには理由があった。

高校3年生の「森宮優子」と小学生の「みぃたん」の2人の生活が描かれたストーリーです。
優子は父と2人暮らしですが、血は繋がっておらず父のことを尊敬の意味を込めて「森宮さん」と呼んでいます。
母は他の男の所へ行ったようで母の連れ子だった優子を父の「森宮壮介」が引き取ることになりました。
一方みぃたんは実の父親と育ての母親の3人暮らしでしたが、父が仕事を辞めブラジルで起業することをきっかけに両親は離婚。みぃたんは母と2人で日本に残る決断をしました。しかし後に夫を何度も変える自由奔放な母の性格に振り回されるという、どちらも母親に恵まれていないような人生を歩むことになります。
2人の人生がそれぞれ描かれて内容は進んでいきますが、実はこの優子とみぃたんは同じ人物であり母親も同じ人物です。
後に母親が亡くなったことを知る優子は元父親である人たちを巡り本当の真実を知ることになります。
「なぜ実の母親ではなく育ての母親なのか?」「なぜ一緒にブラジルに行かなかったのか?」「なぜ夫を何人も変えたのか?」
母親の真実、それぞれの夫の考え、全ての点と点が線で繋がった時、感動するストーリーに心が温まりました。
それぞれの役者の演技も素晴らしく魅了されました。
この作品をよく知らないまま映画を見た私でしたが、終わった後の余韻がすごく、いい映画だったと思えました。
何人もの夫から大切に受け継がれたバトンに感動しました。

ウィロビー家の子どもたち / The Willoughbys
7

おもしろいけど、気になるところがある

ウィロビー家の親たちが不快すぎます。ネグレクトすぎるし、あんなの普通の子が育つわけありません。あんな親なのに、歌が好きだとか発明家とかに育っただなんて、まれな子たちだなと思いました。長男はウィロビー家を崇拝しているようなところがあって、この子はあの両親の子って感じでした。虐待を受けた子は親のことを正しいと思い込んだりするようです。あと、孤児を育てる施設を悪者みたいに言っているけど、子どもだけでは生きていけないし、それはあるべき施設なんじゃないかなと思います。そりゃあ、兄弟一緒の里親に預けられるのが理想ですけど、兄弟一緒にいたいから、嫌な親でもいた方がいいとはならないと思うけどなと思いました。最後には親のところを離れて、愛してくれる人たちと家族になるけど、途中がちょっと偏った考え方で構成されていると思いました。それは子どもの考えなので、子どもはこんなことを考えちゃうんだから、虐待親からははやく離さないといけないよっていう意味合いなのかもしれないけど、よく分かりませんでした。ナニーの女の人はすごくいい人で、彼女との生活のところは、ほっこりしたし、猫がナレーションをしてたりして面白かったのですが、少し気になるところのある作品でした。

her/世界でひとつの彼女
8

人工知能との恋がとてもロマンチック

SFをお得意とする女優、スカーレット・ヨハンソンが、この作品ではAIー人工知能ーの役を演じています。

パソコンやスマホのOSと会話ができるようになった近未来では、仕事のパートナーのように、また友達のように、OSと親密な関係を築くことが可能に。
そして、現実の恋人や伴侶とうまくいかず、孤独を抱える人々の中には、OSと恋愛する人も出現しはじめるのでした。

主人公のセオドアもそのひとり。
彼は自分のパソコンのOSである、サマンサと恋に落ちます。
サマンサは賢く従順で、人工知能と言えども、セオドアと温かい関係を築いていきます。
我が強く、ままならない人間の女性とは比べ物にならないくらい魅力的で、OSと恋に落ちてしまう人が出てくるのも納得。
OSは実際に体を持っているわけではないので、ユーザーとは声だけでやり取りをするのですが、その様子がとてもロマンチックに描かれています。
そして、こんなOSがあったらいいなと、うらやましくなってしまうほど楽しそうな関係でもあります。

生身の人間と面と向かってやり取りすることが次第に少なくなってきている現代では、この作品に共感できる人は多いのではないでしょうか。
人間のパートナーよりも、パソコンやスマホに向かっていることが多い中で、この作品のようなことが近未来に起こりうる可能性も否定できません。

そして、人工知能のサマンサを演じたスカーレット・ヨハンソンの声だけの演技が非常に魅力的でした。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… / はめふら
7

ほのぼのする異色の異世界転生作品!

ゲーム上で最終的に国外追放されるか殺されるしかない悪役令嬢に転生してしまい、そのバットエンドを避けるべく奮闘する女主人公カタリナ。
前世の記憶を取り戻さなかったら、裕福な家の一人娘としてワガママなまま成長し、バットエンドを迎えたと思われる。しかし、記憶を取り戻したあと、転生前のお人好しな性格にガラリと替わってしまい、元々の乙女ゲームのストーリとは違う方向に運命が変わってしまう。

カタリナの性格が明るく元気で、悪役令嬢の設定とはかけ離れた素朴で素直な性格で、ギャップが面白く、ほのぼのもして見ていて微笑ましい。
特に序盤の子供時代が話のテンポも良くて、サクサクと連続で何話も見れてしまいます。
絵柄と動きも良質!登場人物のキャラクターのバランスも良いです。恋愛シュミレーションゲームっぽく、それぞれ個性があって魅力的です。声優さんも違和感なく、配役の良さも作品を楽しいものにした大きな要因だと思います。

後半で急に内容が重くなるのと、主人公の性格が噛み合ってないような変なテンポの悪さが出てくるものの、しっかり最終話まで話がまとまっており、あまり深く考えなくていいアニメを見たい時におすすめです。

ちなみに、恋愛ゲームものなのにカタリナの鈍さのせいで空回りしっぱなしで、恋愛要素は少なめです。

リトル・フォレスト / little forest
9

四季とリトル・フォレスト

この作品は映像がとても美しく、日本の四季を感じることができます。主人公は都会から田舎に引っ越してきた女の子で、たった1人で自給自足の生活を送っていました。作中、とても印象深かったのが、育てた作物を使って料理をするシーンです。彼女が昔、母親から教えてもらったレシピを記憶を頼りに作るシーンでは、母親への思いや葛藤が伝わってきました。1人で生きていくための知恵は母親からだけではなく、周辺に住む村人から譲り受けたものもあり、登場人物をとして彼女自身が成長していく過程を見ることができます。私はこれほどまではっきりと、日本の四季を感じられる映画を知りません。美しい自然の風景を、主人公の営みとともに味わうことができます。音楽もとても素晴らしく、主題歌はバンドの『FLOWER FLOWER』が担当しており、各季節にとてもぴったりでした。厳しい冬の時期、主人公はずっと抱えていた悩みを、友人から突き付けられます。しかし、春になり、ようやくそれと向き合う決心をするのです。便利な生活を手放して、あえて不便な生活を選んだ彼女の生き生きとした姿は、とても羨ましく感じました。生きることの意味や本質を改めて考えさせられる作品です。

マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 / マギレコ / Magia Record: Puella Magi Madoka Magica Side Story
7

マギアレコードはまどかマギカとは別作品と思って

マギアレコードについてのレビューとなります。マギアレコードは、まどか☆マギカのスピンオフ作品の位置づけとなっており、巴マミや佐倉杏子なども出演します。ただ、設定が同じなだけで対人間でのいざこざが多くあり、前ほどの病む系アニメ感は少し薄れた感じがします。また、地味に登場人物が多くて名前が覚えられず、セリフとして固有名詞が出てきても少しピンとこないことも多々あるので、流しながら見ていると置いてきぼりをくらってしまうアニメです。一方でバトルや魔女の表現などは独特かつ色彩豊かで、見ていて楽しいアニメです。
初作のまどか☆マギカは「魔法少女とは何か」、「暁美ほむらがいかに鹿目まどかが好きか」、という部分にウェイトを置いていますが、今回のマギアレコードについては「団体行動とは」、「パーティとは」、という部分に視点が置かれているように感じます。そこまで病む部分もなく、アクションブラックSFアニメとして大きなインパクトを受けることはないですが、楽しく見ることのできるアニメとなっております。初めてみたまどか☆マギカほどの衝撃は受けないにしても、スピンオフとしては文句のつけるところのない作品となっておりますので、一気見する価値のある作品となっております。

KOWLOON'S GATE / クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-
10

陰鬱さも汚れもその全てが美しい

このゲームは、『陽の世界』と『陰の世界』から成り立っている。1997年5月22日の香港返還を前日に控えたこちらの世界『陽界』に、あろう事か裏の世界『陰界』の九龍城が現れたのだ。 『陰界』は『陽界』の対となる世界だ。二つの世界が不用意に交わる事になり、調和を崩せば世界意味を失い、崩壊してしまう。『陽界』では風水の力によって調和を得ているが『陰界』ではその風水が見当たらないという。世界を元の姿に戻す為には『陰界』で、『白虎』『朱雀』『玄武』『青龍』の『四神獣』の見立てを行わなければならない。そこで、香港最高風水会議により、主人公である『超級風水師』が九龍城へ潜入する事になった。主人公についてはあまり語られてはいない。主人公に関する書籍やプレイヤーの考察等はこうだ。主人公は高位の超級風水ゆえに難解な任務を受け負っていたが、致命的なミスを負ってしまう。謹慎後に調査と称した捨て駒及び解雇のような形で、また一方では、超級風水としての実力を買われて、はたまた別の意見では、この超級風水師に何かがあり、陰界に行くべき人物である等ある。この『陰界』というのが、本当に陰鬱で、それでいて何処か綺麗な、不思議な世界だ。街は常に夜のように薄暗く、此処彼処が汚れ、淀み、壁には不審な貼り紙が貼られている。住人達も怪しげな者が多い。『びん屋』、『ねじ屋』、『水銀屋』、『錠前屋』、『双子屋』、といった怪しげな店の店主らを始め、主人公と敵対する者、主人公の助けとなる者でさえ何処か奇妙な雰囲気を纏っている。しかし、そんな陰鬱さや不気味ささえも美しく、心地良いと思えてしまうのだ。このゲームをプレイするにあたり、常識は今のうちに捨てておく必要がある。

メタルギア ライジング リベンジェンス / METAL GEAR RISING REVENGEANCE / MGR
7

アクションは良いけど…

アクションゲームとしては良く出来てると思います。少なくとも最初に発表された動画のコンセプトは達成しています。
特に雷電を動かしてるだけでも気持ちいいので、4のヴァンプ戦で痺れた人には持ってこいかと思います。
また、対多人数との相手が異常に不利になるのは、無双系との差別化と思えば、それはそれで常に周りを気にして戦えば何とかなりますし、一発逆転の斬奪があるのでバランスは取れてるとも思います。
後、自由切断は癖になります。何でもかんでもスパスパ切れるのがたまらなく気持ちいです。特にでかい事言ってるボス系を最後バラバラに出来るのは最高です。多少硬くてもレベルを上げれば何とかなりますし、二回目にデータを引き継げるので、回を重ねるごとに壮快です。
そして、シナリオですが…一番納得出来ないのは、雷電がある事に気づいてショックを受けるのですが、そこから立ち直る経緯がどうもあやふやで、アクションが良いだけにシナリオの爽快感の無さが気になるのです。それを無線で喋る相手にも無愛想な対応して、ぶつけるわ難癖つけるわ…
お前の絶望を他人に押し付けるな!と言いたくなる様な感じです。折角良いデザインのデスペラード達のボスをもうちょっとシナリオで活かすべきだったのではないかと思います。
最後に、ラスボスのしつこさと意外性には笑いました。この作品は取りあえずはカッコイイけど、何か胸のつかえが残る作品です。