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go-1105893154779720219185のレビュー・評価・感想

福来たる
7

幸せを見直す機会になる一作

この漫画は藤子・F・不二雄のSF短編作品の一つで、主人公のとある会社の中年係長が出会ったのは、子供のような見た目をした福の神だ。百年ぶりに人間の世界にやってきたは良いものの、誰も自分を信仰するどころか、姿すら見てもらえずに嘆いていた。そこへ主人公にその姿を認識してもらえたという事で、御礼に幸福にしてやると言い、主人公の家に一晩泊まった。しかし、食べ物を容易く捨てる、子供の小遣いに千円=何万倍ものの銭を与えるなど、福の神は、百年経過して変化した人間の感覚に驚くばかり。しまいには主人公と口論になり、貧乏神と罵倒されたことに完全にお冠になった福の神は、主人公をとても貧乏な農民の吾助へと転生させてしまう。吾助は凶作が続いたせいで、家族が死んだり身売りしても飢えから逃れられない、まさに不幸が連続する地獄の生活を送っていた。福の神は主人公が吾助として苦しんで生きれば、転生前の生活に戻ったらそれが充分に幸せで事足りるものだったことを感じるだろう。しかし、それに気づくのはいつになるだろうなと言って、天へと去っていった。

ここからは私の個人的な考察となるが、この作品は、どれだけ人間が豊かになっても欲が絶えないと主人公が述べていたことから、令和の世を生きている自分の生活、取り巻く環境や人生に対して悲観的になった際に、技術が発達しておらず、食べるものが気軽に手に入らなかった過去などの特定の対象と比較したら、充分健康的に生活出来ていて、ご飯も食べられるうえに、娯楽も多くて幸福なのではないか、それでも幸せでないなら自分にとっての幸せの基準や価値観は何をもってして決めているのか、自分自身を見直すきっかけとなる一作、なのかもしれない。

いつだってやめられる 7人の危ない教授たち
8

頭使うところ間違ってるよ、と突っ込みたくなる映画

「ペンは剣よりも強し」

3部作のイタリアンコメディ映画。
面白そうと軽い気持ちで、鑑賞したが、想像以上に面白かった。

「教授」という一見、世間からしたら成功例な職業の裏には、お金や政治が色濃く関わっている。そして、どんなに優秀であっても、素晴らしい研究をしていても、それの凄さがわかってもらえず、認めてもらえなければ、研究費は愚か、職を失ってしまう。

主人公は、上記のごとく、職を失ってしまう。そんな切羽詰まった状況で、運良く(?)悪く(?)合法ドラッグに出会い、持ち前の頭脳と教授時代の人脈を生かし、ギリギリ合法で、めちゃくちゃ最高なドラッグを生み出す。

「いつだってやめられる(=でも、簡単にはやめられない)」これは、ドラッグをやっている買い手側の言葉であるように思えるが、ドラッグを売ることで、一攫千金し、夢のような生活を送れるようになってしまった売り手側にも言える言葉なのかもしれない。

せっかくの頭脳をこんなくだらないことに使い、落ちぶれていく姿を見ているといたたまれないが、笑ってしまう。全員が教授のギャング団は、個性が豊かで、歯車が合えばとてつもないスピードで進んでいけるが、少しでも崩れるととんでもない方向に向かってしまう。

1つ1つの会話も面白く、テンポよく進んでいき、映画の尺もそこまで長くないので、気軽にクスッと笑いたい時にお勧めできる映画である。

聖☆おにいさん / Saint Young Men
10

漫画『聖☆おにいさん』の感想

『聖☆おにいさん』は中村光が作ったギャグ漫画です。

主人公はキリストとブッダの二人組で、休暇中の二人が日本の立川でバカンスをするというお話です。
宗教が関係してくるお話なのですが、重たい話などではなく、とてもコミカルなお話になっています。キリスト教や仏教にそこまで詳しくないという人でも十分楽しめる作品だと思います。

設定が一見ハチャメチャで内容が薄いのではないかと感じてしまうと思うのですが、全くそんなことはありません。もはや芸術の域で話がまとめてあります。よくもこれほど複雑な設定で話が書けるなと作者に感心するほどです。
キリストとブッダという異色の組み合わせなのですが、二人のキャラクター性が上手く描かれており、二人が日本で生活する上でおこる人間と神の常識の違いや、神ならではの力を面白おかしく描いています。
さらに、キリスト、ブッダだけでなく個性あふれる大天使たちやブッダの弟子たちも登場します。新しいキャラクターが登場するたびにどういった人物なのかとてもワクワクします。

この漫画の強みは、実際の宗教史に沿った内容とうまく組み合わせた笑いを楽しむことが出来ることです。この漫画はクスっと笑える場面が多く、そして気づくとキリスト教や仏教に少し詳しくなっています。面白いギャグ漫画を読みたい人、宗教について詳しくなりたい人におすすめの作品です。