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anime_gbl6のレビュー・評価・感想

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
8

『葬送のフリーレン』の感想

物語の舞台は魔法が存在するファンタジーな世界です。そして物語は勇者ヒンメルが魔王を倒し、平和な世界が訪れたところから始まります。

これまで数々の勇者の物語がありました。しかし勇者が魔王を倒した後の平和な世界の話をここまで克明に描いている物語は、『葬送のフリーレン』のみではないでしょうか。
さらに『葬送のフリーレン』の主人公は、勇者一行の魔法使いでエルフのフリーレンです。長寿で考え方も人間とは違うフリーレンの目から見た世界もなかなか興味深かったです。

他にも平和な世界での魔族のふるまいや、キャラクターも設定が細かいので見どころはたくさんあります。
とくに魔族としての考え方は人間の考え方と生態がはっきりと区別されていますので、魔族の行動の動機はある意味理にかなっていて、おもしろかったです。
これからどのような魔族が現れるのか、どのような出来事が起こるのか、楽しみです。

主人公のフリーレンは基本的におっとりしていますが、長寿であるがゆえに生い立ちなどにまだまだ秘密が隠されているような雰囲気があります。そこも個人的には注目すべきポイントの1つです。

『葬送のフリーレン』はさまざまな魅力があり、何度も見たくなる物語です。他に類を見ない珍しい物語構成なので、ファンタジー好きにはたまらないくらい面白いでしょう。

ある男
8

自分のルーツと向き合い続けるつらさ

弁護士の城戸(妻夫木聡)は、昔の依頼主である里枝(安藤サクラ)から、「ある男」についての調査を依頼される。
その「男」大祐(窪田正孝)は、里枝と2人の子供たちと穏やかに暮らしていたが、ある日不慮の事故で亡くなってしまう。大祐の法要に訪れた、長年疎遠にしていた兄の恭一(眞島秀和)が遺影を見て「これ、大祐じゃないです」と言ったことから、大祐が全くの別人であることがわかった。

依頼を受けた城戸は、彼がいったい誰なのか、なぜ他人の人生を歩んでいたのかを調べはじめる。そして過去に彼の父親が起こした事件により、彼が背負ってきた傷を知ることになる。
彼の真の姿に近づくにつれ在日3世である城戸自身が、日常の中でことあるごとにつきつけられる自分のルーツへの偏見に対する思いと、大祐と称した男が戸籍を変えてまで別人の人生を歩みたいと思った心情とがリンクしていく。

妻夫木聡さんが時間を追うごとに、暗く重くなる心情をうまく表現している。また窪田正孝さんの過去の表情と、家族を持ってからの穏やかな表情との違いがとてもよく表現されていて素晴らしい。
そのほか演技に定評のある俳優陣がそれぞれの人物を繊細に表現しており、主人公だけでなく、どの人物の心情にも共感できる作品。