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amenochihare0のレビュー・評価・感想

となりのトトロ / My Neighbor Totoro
10

野菜が食べたくなる作品「となりのトトロ」

あなたは『となりのトトロ』は観たことありますか?日本に住んでいるのであれば、観たことないという人は少ないと思います。いやむしろ、もしあなたが大人で観たことがないのであったら、希少な存在です。それを自己紹介の時に話したら、少し盛り上がることができるかもしれません。しかし、この作品はもはや、日本人の情操的な義務教育の域にあるといっても過言ではなく、映画の内容は一般常識レベルで知れ渡っているので、勉強としての意味でも一度観てみるといいでしょう。
簡単に物語を説明すると、父親とともに田舎に越してきた姉妹であるメイとサツキが不思議な生き物に出会い、特別な経験をしていく王道ファンタジーです。
これだけ知れ渡っている作品ですから、多くの人は「トトロや猫バスがかわいい」などというでしょう。確かにこの作品に出てくる、トトロや猫バスといったキャラクターはとてもかわいらしく、獣の見た目をしているからか、映画の各シーンで随所に毛のふわふわ感が表現されています。特に印象的なのが、登場人物の1人であるサツキが猫バスに乗り込むシーンです。
その時、座席に座った瞬間、ゆっくりと沈み込んでいくことで、猫の柔らかさと、毛のふわふわ感を視聴者に認識させています。一見、簡単そうに見えますが、かなり難しい表現です。あそこまで絶妙な沈み込みの加減と速度で獣類特有の温かみと柔らかさを表現している作品は、私は、後にも先にもこれしか観たことがありません。トトロたちの毛のふわふわ感を感じるだけでも、あなたはきっとこの作品に満足するでしょう。
私が一番注目してほしいところは、ずばり「野菜」です。この作品、本当に野菜がおいしそうなのです。登場人物のメイとサツキがおばあちゃんの畑に野菜を収穫しに行くシーンがあるのですが、その野菜がつややかで、食欲が湧いてくるのです。野菜で食欲が湧くなどと、信じられないかもしれませんが、あなたはこの作品を見た後、野菜をもりもりと食べ、特にきゅうりをまるかじりしたくなるでしょう。野菜嫌いの子どもにこのシーンだけでも観させることをお勧めします。野菜嫌いを克服できること間違いなしです。
この作品は物語の展開としては、よく言えば王道であり、人によっては単純なものととらえる人もいるでしょう。ですが細部にまでこだわりを感じ、これを観たあなたは、なぜここまで広く受け入れられたのかがわかると思います。
タイミングを逃して、なぜか観てないあなたも、食わず嫌いで観てないあなたも、是非死ぬまでに一度は観ていただきたい作品です。

Dr.STONE / ドクターストーン
10

主人公の髪型が変なのに、気にならないほどかっこよく見える

突如世界中の人類すべてが石化し数千年後、高校生の千空と大樹が石化から復活する。文明が滅んでいる世界で2人はゼロから科学文明を築きあげていく。
科学を知り尽くしているといっても過言ではないが、体力のない主人公の千空(せんくう)。頭は弱いが、底なしの体力をもつ真っ直ぐな男大樹(たいじゅ)。2人が危機的状況を打開するべく復活させた霊長類最強の高校生司(つかさ)。千空と大樹の「科学で全人類を救う」という考えと、司の「純粋な若者だけを復活させ世界を浄化させる」という考えが対立し物語は進んでいく。
科学大好きな千空だが、その髪型は重力に逆らっているのではないかというほど変な髪型をしている。しかしその髪型が気にならない程(やっぱり多少気にはなる)に科学の知識量が半端ではなく、そして言動がかっこいい。効率重視で無慈悲なことをさせたりゲスい考えをしていたりするが、情に厚く涙を流すシーンや感極まっているであろうシーンなどあったり。頭はとてつものなく良くてかっこいいのに「戦闘能力ゼロ」「体力がミジンコ」など、主人公にキュンキュンさせられてしまうのは不可避。
文明が滅びている中、家をつくったり、土器、酒、石鹸、火薬、ラーメン、ガラス、発電所、綿あめ、ストーブ、携帯電話、蒸気機関などなど様々なものを作っていく。その過程が科学がわからなくてもとても面白く楽しい。そしてどのキャラクターもキャラが立っていて、そこもこの作品を面白くしている要因である。
ところどころシリアスな部分もあるが、それを完全なシリアスにしないところがとても魅力的で、何度も見ていられる楽しく面白い作品です。