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Raise58

Raise58のレビュー・評価・感想

明日、私は誰かのカノジョ
8

永遠の課題がつまった作品!

こちらの作品は、一人のヒロインに対してスポットを当てたストーリーではなく、一章ごとに主役が代わるオムニバス形式で物語が進んでいく展開となっています。
一章で、ヒロインとなっている大学生の「雪」。「雪」には顔に火傷の跡がある、というコンプレックスを抱えて生きています。日常生活では火傷の跡を化粧で隠し、レンタル彼女というアルバイトをしながら生活しています。大学の同級生にも、アルバイト先のお客にも火傷の跡を見せず生活を送っていましたが、素顔で出歩いていたある日、アルバイトのお客に、ばったり会ってしまいます。自分と全く違う明るい人生を送ってきたお客の男性が雪に本気で恋をしますが、雪はどういった道を選ぶのか、という内容になっています。
また、雪がヒロインとなっている一章にて大学の同級生として登場する、「リナ」という女の子が二章でヒロインとして活躍します。
登場した人物が次々と主役になっていき、抱えたコンプレックスとどう向き合って人生を送っていくのか描かれています。
舞台が「レンタル彼女」という職業から始まり、題材に「パパ活」、「ホスト」、「風俗」等の社会の闇、裏を取り扱っているので、決してハッピーエンドのストーリーでは終わりません。
特に、登場するヒロインの心境が、読者によっては共感を得られる作品となっているのではないでしょうか。

【推しの子】 / Oshi no Ko
8

アニメ「推しの子」のあらすじや評判を紹介!

ジャンプ+(漫画アプリ)にて連載中の漫画「推しの子」。
「恋愛×サスペンス×転生」というこれまで見なったジャンルの作品です。アイドルの素顔や、芸能界の裏側などがリアルに描かれ、ダークな世界観が広がっています。
原作は「かぐや様は告らせたい」の作者である赤坂アカ先生が担当しており、作画担当は「くずの本懐」の横槍メンゴ先生です。

簡単なあらすじ紹介を紹介します。
地方都市で産婦人科医として働く「ゴロー」が、双子の子供を産むため病院を訪れた「星野アイ」の担当医になり、出産を手伝うところから始まります。
彼は自分の「推し」であり、人気アイドル「星野アイ」の担当になったことでショックを受けますが、アイのため出産をサポートすることを決めました。
出産の直前、ゴローはアイを狙う何者かに殺されてしまいます。しかし、目覚めるとアイの子供「星野アクア」として転生していたのです。

アイのもう1人の子供である「星野ルビー」もゴローと同じく、生前の記憶を持ったまま転生していました。また、ゴローに負けず劣らずの「星野アイ推し」であり、双子は揃って熱狂的なアイのファンでした。

アイは双子を出産したことを世間に隠しつつ芸能活動を再開します。
その後、順調に人気を集め、東京ドームでライブを開催することになりました。
しかし、アイは自宅に押し掛けてきた、かつてゴローを殺した人物に刺され命を落としてしまいます。
アイを刺した犯人は自殺してしまいますが、彼女の転居直後の住所情報を流した人物がいるとアクアは推察し、アイの殺害を計画した人物に復讐することを誓います。
そして、物語は高校編がスタートする、というような内容です。

この作品は、芸能界のリアルさを描いた世界観が魅力です!
恋愛リアリティーショー編や2.5次元舞台編などがあり、都度芸能界のリアルな裏側を描写しています。
登場する俳優・タレントが、生々しい本音や感情などを赤裸々に語っているところは、見ていて面白いです。

ギャグとシリアスのセンスが抜群な赤坂アカ先生のストーリー展開と、独特な世界観にマッチした魅力的なキャラを描く横槍メンゴ先生の作画が合わさり、とても面白い作品となっています。
読めば自分の「推し」の作品になること間違いなしです。

ファンタスティック・ビーストシリーズ / Fantastic Beastsシリーズ
8

魔法の世界に浸りたい方へ!

世界的大ヒット作「ハリーポッター」シリーズの兄弟版と言える映画です。
「ファンタスティック ビースト」は、闇の魔法使いグリンデルバルドと、魔法族との闘いを描いた作品です。
主人公のニュート・スキャマンダー役のエディ・レッドメインを始め、脇を固める俳優達がとても豪華です。1910年代の物語ですが、街並みなども素敵に再現されていて、見応えがあります。

主人公のニュートは少し恥ずかしがり屋で不器用な青年です。
世界中の魔法生物を育て、守る事が彼の生きがいで、女性はもちろん人間関係そのものが苦手な様子。
そんなニュートは第1作目でマグル(非魔法族)の友・ジェイコブや、アメリカ魔法省の女性・ティナと出会います。
物語が進むにつれてジェイコブとの友情は深く、確かなものになっていきます。
また、「ハリー・ポッター」でもおなじみのダンブルドア先生が登場するのですが、こちらはヒュー・ジャックマンが演じています。
あのもっさりしたダンブルドア先生と結びつかない程カッコイイです(ごめんなさい)。

ヒロインはキャサリン・ウォーターストンが演じるアメリカ魔法省職員のティナです。
第3作目「ダンブルドアの秘密」では登場シーンがとても少なくて、寂しい思いをしたファンも多かったのではないでしょうか。
ニュートもティナもシャイな性格のせいか、なかなか進展しない仲にやきもきします。
個人的には第2作目「黒い魔法使いの誕生」の1シーンですが、ニュートが魔法で現れたティナの足跡を優しく見つめ、「彼女の足幅は細いんだよ」と、つぶやくシーンが印象的でした。

第4作目は2024年頃公開予定と聞いていますが、続きが楽しみな映画です。

アンタッチャブル(映画) / The Untouchables
10

マフィアとの戦いに身を投じた4人の捜査官の物語

禁酒法時代、マフィアが力をつけ裏取引で莫大な富を稼ぎ出し、自分たちと敵対するものは徹底的に抹殺するほどの強大な力を持っていた。そこへエリオット・ネスが部下を4人スカウトして、犯罪捜査チームを作る。強い正義感と何が何でもマフィアを立件するという強い意志が必要だ。生ぬるいやり方では通用しないので、銃も使うし荒っぽい捜査もする。エリオット・ネスは徐々に成果を上げ始めるが、取引に応じなかったため、仲間を一人、また一人殺されてゆく。仕事に命を懸ける男の姿は美しい。仲間を殺されて感情をむき出しにアル・カポネにくってかかるところなどは圧巻だ。また衣装も見どころで、全部ジョルジオ・アルマーニが担当している。スーツのパンツのシルエットなどがとてもかっこいい。殺し屋の白いスーツもよかった。
アル・カポネ逮捕後チームが解散した際、生き残ったストーン刑事に記念だと4人全員が映っている写真を手渡す。大きな仕事をやり終えた男たちの誇りの写真である。実話をもとに作られているが、こんな男たちが本当に実在したとは驚きである。アメリカは組織が強大な権力と力を持てば、それを制御するため対抗勢力が必ず現れる、社会の自浄作用ができている国だと思う。今のアメリカに一番必要なものではないだろうか?

山と食欲と私
10

山での楽しい過ごし方がわかる漫画

主人公の日々野鮎美はアラサーの会社員。趣味は、ソロ登山。最近は、『ゆるキャン』という漫画の影響もあり、「ソロキャンプ」が流行っている。けれども、これを読めば、登山も捨てがたいと思うのではないだろうか。なんといっても、主人公の「山」と「山ごはんへの愛」が事細かに描かれている。主人公は食べっぷりがよく、ただの「おにぎり」でさえも、つやつやに光って美味しそうに見える。加えて、料理をつくる過程でも、主人公が実況する場面があり、実際に声が聞こえてくるようで楽しい。グルメ漫画はジャンプなどの少年系漫画と比べると、少々物足りなく感じることがある。だが、『山と食欲と私』では、この物足りなさを主人公の「食へのこだわり」が解消してくれる。また、ただ楽しいだけではない。例えば、メスティンという道具が出てくる回では、実際に炊き方を説明している場面がある。食のことだけではなく、山の斜面部分での歩き方なども登場している。表紙カバーを外すと、主人公達の山グッズが描かれている。詳しくは、登山雑誌や登山用品店の販売員に聞く必要があるが、登山に興味がある人にとっては登山をする際、イメージの助けになるのではないだろうか。

Re:ゼロから始める異世界生活 / リゼロ / Re:Zero
9

異世界召喚系で迷ったなら、この本!

『異世界召喚系』や、『異世界生活系』の漫画は、ライトノベルを中心に数多く出版されていますが、その中でも私がオススメするのは、『Re:ゼロから始める異世界生活』です。

この作品のオススメポイントを一言で伝えるとすれば、「憧れていた異世界生活でのリアル」です。
物語の大まかなストーリーはよくある異世界召喚もので、日本のある街で、特に夢も希望もなく、なんとなく日々を過ごしていたフリーターの青年が、ひょんなことから異世界に召喚され、そしてまた、ひょんなことから謎の組織に命を狙われている美少女と出会い、その美少女に恋をし、主人公らしく特殊な能力を使いながら、度重なる危機から彼女を救っていく、という物語です。
物語の主人公もよくある設定で、謎の組織に狙われている美少女という設定もよくあるもの。そして主人公の特殊能力『死に戻り』も、仮に自分が死んでしまったとしても再び復活して物語の起点となった過去の場面からまた人生をやり直すことが出来る、というRPGでいうところの『コンティニュー』のような能力であり、これも、正直よくある設定のように感じます。

しかし、この作品が面白い最大の理由はココであり、主人公は毎回、『死に戻り』の能力を発動しますが、その都度、現実世界と同じように苦しみ、もがき、泣きながら人生を再スタートしなければならないという、あまりにも過酷で現実的過ぎる設定です。
せっかく夢の異世界に来ているというに、今まで以上に過酷で現実的な死の描写や、恐怖の描写が続くので、もういっそ異世界より、現実世界の方がはるかに楽園だと感じられるレベルです。
ちなみに、毎回きちんと死なないと『死に戻り』の能力は発動しないため、大好きな彼女が生きている未来を作り上げるため、主人公自ら、自殺を図るシーンもあります。
その際の葛藤や苦しみも、毎回丁寧に描かれているため、回を重ねるごとにその世界観に飲まれてしまいます。

他の人にはない特殊能力を持って、生きていくこととはどういうことなのか?
異世界に召喚され、英雄として生きることとは一体どういう意味なのか?
本当の英雄とはどんな存在なのか?
異世界召喚ものの作品が多すぎて、どれを読んでいいのかわからない!
または、漠然と、異世界生活や英雄としての生き方に憧れている人に、是非読んでもらいたい、オススメの一作です。

不浄を拭うひと
7

特殊清掃人のリアル

特殊清掃人のリアルな体験談を漫画化。
世の中には様々な職業があるけれど、これは中でも超特殊なグループです。
特殊清掃人とは、独居老人が亡くなった場合の遺品整理や、ごみ屋敷の片付けなどの仕事を請け負う人のこと。ダークな世界の隙間産業ですね。いったいどんな世界なんだろう、という興味を掻き立てられて一気に読みました。
特に面白かったのは主人公が霊媒体質だということ。危険な部屋(連続して死人がでる部屋など)には危険を予知して足が動かない、最初の仕事で死者本人の髪の毛(!)を発見し、同情したばかりに霊を引き寄せて自宅に連れ帰ってしまうというエピソードは、実話としか思えません。
人間が死んだらこうなるんですね。主人公の奥さんもトラウマになり、大変な目にあうというオマケつき。家族も大変だ。
漫画家・沖田さんの軽いタッチの画風のおかげで、ダークなドロドロした感じは一切なく、たんたんと、かつサラッと読むことができるのでおススメです。独居老人は今後も増え続けるし、もしかしたら自分もこんな職業の人にお世話になる死に方をするのかも、と読み終わってふと思ったときが実は一番ゾッとしました。
いつ孤独死してもいいように、はき古したパンツは捨てておこう。

オリエント急行殺人事件
10

ミステリーの金字塔が映画化

ミステリー作家アガサ・クリスティーの名作「オリエント急行殺人事件」。これまで何度も舞台化されたり、ドラマ化されたりした人気作品。2017年に公開した本作では、世界一の名探偵エルキュール・ポアロ役のケネス・ブラナーをはじめ、ジョニーデップ、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチなど豪華ハリウッドキャストが演じ大きな注目集める。

ポアロが偶然乗った寝台列車のオリエント急行が雪山で脱線事故を起こし、立ち往生せざるおえない状況になった。その最中で死体を発見してしまった。被害者はアメリカ人富豪のラチェット。本来ポアロはオリエント急行でくつろぐはずだったが、鉄道会社の重役であり知人であるブークに事件を解決してくれと頼まれ、あいにく事件を捜査することになる、というストーリーだ。

登場人物が多く少し混乱するが、趣きのある映像美、13人の容疑者たちの証言で複雑化していくストーリー、犯人が仕掛けた壮大なトリックで、見応えのある内容になっている。国際色豊かな役者たちの演技にも目が離せない。そして、さすがミステリーの女王と言わざるを得ないストーリー構成で、その独特な世界観に引き込まれてしまう。他のミステリー作品にはない、斬新な結末に誰も驚くだろう。