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Parfait55p5のレビュー・評価・感想

新巨人の星
10

星飛雄馬の苦闘と大リーグへの挑戦

本作は梶原一騎および川崎のぼるによる『巨人の星』の続編にあたる。

前作では、主人公・星飛雄馬が対中日戦で完全試合を達成するも、左腕を故障。プロの投手としての活躍ができなくなった。しかし実は彼は本来右利きであり、右投げの投手として再び巨人に復帰する。
盟友である伴宙太は既に引退し、ビジネス界に転じているが、星飛雄馬の現役復帰を支援する。また少年時代からのライバルの1人であった花形満が、阪神ではなくヤクルトで現役復帰するなど、前作からの単純な延長という色彩を薄める工夫がなされている。

右投手として復活した星飛雄馬は、制球力に苦しむ場面も見られるが、かつて父である星一徹より与えられた大リーグボール養成ギプスの効果でこれを克服する。
飛雄馬の活躍により巨人はリーグ優勝、そして日本シリーズを制した。この後飛雄馬は自らの活躍の場として大リーグ(当時はメジャーリーグという語はなかった)を選び、挑戦に向けて旅立つ。

原作者である梶原一騎は、本作を単純なサクセスストーリーにしていない。飛雄馬の活躍を描く一方、昭和の父親の象徴的存在でもあった、一徹が静かに亡くなる様子を描いている。嬉しいことや楽しいことばかりが人生ではないが、困難に直面しつつ、これを克服しようとしていく姿勢が必要であることをこの描写を通じて主張している。