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9ukutakafのレビュー・評価・感想

鬼滅の刃 / Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba
9

世代関係なく感動できる漫画

少年誌では王道の主人公が成長し仲間と共に悪を倒すストーリーだが、全てがハッピーエンドではなく容赦ないストーリー展開に序盤から思わず引き込まれる。そして本編だけでは無く味方敵関係なく、登場人物ひとりひとりのサイドストーリーも丁寧に描写されていて皆非常に魅力的に描かれている。読み進めるうちにはじめは気にもしなかったキャラに感情移入して涙する場面も多々あった。
話は○○編といった様に区切りよく進んでいくが、どのストーリーも展開に中だるみする事なく進み読んでいて飽きることはない。それどころか世界観に没頭しながらあっという間に全話読破してしまう。また各ストーリーのみに出てくるキャラ達ですらどれも魅力的で、思わず何度も読み返してしまった。読破し終わる頃には誰もが推しのキャラクターは片手では収まらなくなるはず。敵側のサイドストーリーが全体的に親兄妹への愛や執着が原因になっているものが多く、初めて出てきた時と敗れ倒れていく時の印象がガラリと変わり、逆に悲しくなってしまうほどだった。
完全な悪人は1人も出てこない、けれどもハッピーエンドで終わる人も1人もいない悲しい物語。だからこそ皆が惹かれ、爆発的人気に繋がったのだと思う。

そらのおとしもの
10

ギャグシーンは笑えて、シリアスシーンは泣けます。

この作品は、福岡の観光名所といえば樹齢400年を超える大樹と畑で働くおばちゃんの笑顔くらいの本当に何もないような田舎町空美町に住む主人公桜井智樹が、あるひょんなことからその樹齢400年お超える大樹の下で先輩と待ち合わせしていると、空から羽の生えた女の子が落ちてきてその女の子と一緒にがれきも落ちてきたので、女の子を担ぎ家まで運びます。そして女の子が目を覚めると主人公のことをマスターと呼び、なんでも願いをかなえるといいます。試しに様々なことをお願いすると見事にすべて叶えていくのですが、主人公がこの世界の王になりたいと願うと人間が消えてしまいます。この願い事のキャンセルをしたいと主人公はイカロスに願うのですが、キャンセルはすることができないといいます。途方に暮れた主人公はこれが夢だったらいいのにと何気なくつぶやきます。そして寝てしまい朝起きるとすべて元通りになっていました。イカロスによると主人公がすべて夢だったらいいのにといったので、すべての出来事を夢にするというプログラムを執行しましたとのこと。解決したところで不思議な能力を持つ羽の生えた女の子とのドタバタな共同生活が始まるのでした。という内容です。ギャグシーンもあり、すごく笑えます。この作品の終盤にはシリアスシーンがあるのですが泣けるので魅力的なアニメです。登場するキャラクター達は最強の戦闘能力を持つイカロス、昼ドラ大好きニンフ、すこし馬鹿なアストレア、ヤクザの一人娘の会長、一人で野外にキャンプ暮らしをしている熊殺しの先輩、主人公の隣の家で暮らす幼馴染の見月そはらなどなど魅力的ですのでお勧めです。

永沢君
8

すごくイヤなやつ!だから面白い

『ちびまる子ちゃん』のさくらももこが描いた、ちびまる子ちゃんのスピンオフ作品。
たくさんいるキャラクターの中でも明るいクラスの人気者ではなく、休み時間に教室の隅にいるような「永沢」にフォーカスを当てた漫画である。
永沢といえばたまねぎ頭で家が火事に遭い、卑怯者の藤木くんといつも一緒。
この漫画ではそんな彼のねじ曲がった性格がこれでもかと描かれている。
現実にいたらかなり敵を作りそうな人間性だが、その人間くささにどこか共感できる部分もあって笑ってしまう。
永沢に近い登場人物はもちろん、クラスのマドンナである城ヶ崎さんや不良の平井、根暗な野口さんなどクセの強いキャラたちとの学校生活が描かれており、それぞれの個性や内面が知れるのはスピンオフならでは。
とくに城ヶ崎さんは永沢に想いを寄せていて、汚いものに汚されたい変態的な願望を持っているのだが、永沢は彼女の気持ちに気づくはずもなく、世の中はうまくいかないものだ、という現実を突きつけられてしまう。
全体的にシュールな笑いが続き、1巻だけなのであっという間に読み終わってしまうのが残念。
人にオススメするのは躊躇してしまうが、とても気の合う友人とだけ共有したいような、そんな面白い漫画だった。

ノマドランド
10

ホームレスではなく、ハウスレス!アカデミー賞受賞「ノマドランド」の感想・レビュー

アジア系女性が初の監督賞をあのアカデミー賞で受賞したのことで、早速映画館に行ってきました。個人的にもキャンピングカー生活に興味があり、自由で場所に縛られない生き方に憧れていたので、好奇心半分のかるーい気持ちで見に行きました。そしたら…!

★金言とも思える名セリフが心に染みる
それぞれの人生に物語があり、それぞれの生き方がある。少数派のノマド生活者に対しての世間の風当たりはキツイけれど、たくましく生きる姿に心打たれます。本当の幸せって何?生きるって何?人生の豊かさについて、穏やかに導てくれる言葉にあふれてます。

★キーパーソンとなる登場人物がみーんな、ノマド生活者の本人が出演!
あとで知ったけれど、映画のキーパーソンとなるノマド仲間のリンダ、ちょっといい感じになるデイブ、ノマド生活の本質を教えてくれた先輩スワンキーも、みーんな実際にノマド生活をしているご本人が出演!自然な演技と言葉に重みがあったことにびっくりだけど、納得。

★幸せのあり方は人それぞれ。自分に正直に生きる。
アメリカの壮大な自然を背景に、他人の価値観に捕らわれることなく自分の生きる道を一人バンで走っていくファーンの姿に、今の時代に生きる私たちに幸せのあり方を考えさせてくれます。自分に正直に生きると、他人にも正直になる。ときどき、正直すぎて衝突することもあるけれど、本当はそれで良いのかもしれない。