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9emathew13のレビュー・評価・感想

Fate/EXTRA Last Encore / フェイト エクストラ ラストアンコール
5

やりたかったことはよくわかる、見たかったものはこれじゃない

これは2010年7月22日に発売されたPSP用ゲームソフト「Fate/EXTRA」を下敷きに製作され、2018年1月から3月にかけて放映されたアニメだ。
ただしあくまでゲームは下敷きであり、ゲーム中でいくつかのifが重なって更にねじ曲がっていった結果生まれた、全く異なる物語が展開される。
なのでゲームのバッドエンドから続いた物語というわけでもない。正直に言うと私は好きだ。
「Fate/EXTRA」のゲーム自体が大好きで、キャラの「もしも」が描かれ、彼らが彼らとして動いた結果辿り着いた、あの終わり方も嫌いではない。
だがアニメが初見の人にはあまりにもわかりづらい、というよりも理解は不可能であったと思う。
やり込んだプレイヤーでもきつかった。のちに発売されたシナリオブックも読んだが、それでもいまいちわかっていないところがあるレベルである。
ゲームはゲーム、アニメはアニメ。アニメとゲームで同じことをやっても仕方がない。
奈須きのこ氏の意図は十分理解できるのだが、それでもファンとしてはあのゲームのあのシーンをアニメで見たかったし、
そちらの方がアニメから入ったファンにもわかりやすかったのではないか、と思わずにはいられない。

Juice=Juice / ジュースジュース
10

ハロプロのアベンジャーズ!!

ハロープロジェクトに所属している7人グループです。ハロプロの中でも歌、ダンスのスキルが高いメンバーが所属しているため、ハロプロのアベンジャーズと呼ばれています。
何度かメンバーの卒業加入を繰り返しているグループですが、スキルは高水準を維持しています。
女性の心情を歌った曲が多く、共感する歌詞も多く歌い方もその心情に合った形になっているためとても感動します。また、ハロプロは生歌が基本のため、ぜひライブ会場でみることをおすすめします。CD音源で聞くことができます。歌のスキルが高いことを証明している点として、最新曲はそれぞれのソロバージョンの曲を収録している点です。また、最近は他のアーティストの曲をカバーすることもあります。
ダンススキルに関しても、ハロプロで1番ダンスのできるメンバーがおり、そのこともあり、ダンスのスキルが高まっています。
現在、新メンバーオーディションを開催しており、次はどんな子が入ってグループがどのように活性化されていくかも楽しみな点でもあります。
とにかく百聞は一見にしかずだと思います。曲やYouTubeで挙がっているMVを見て、好きな曲や推しメンを皆様見つけて頂ければ良いのではないでしょうか。

かぐや姫の物語 / The Tale of the Princess Kaguya
10

いくらジブリ作品でもかぐや姫だから結局は昔話だと思うだろでも観てみたらつい語りたくなってしまう話

日本でおなじみの昔話『かぐや姫』が、故・高畑勲監督はじめスタジオジブリの手で、『かぐや姫の物語』として、映画化されています。見どころを3点ご紹介します。

第一に、美しい日本の風景やキャラクターを描く淡い色づかい、そして鉛筆画の輪郭線です。
アニメーターの原画の線を、目にしたことはありますか? 完成品では観客が見る事ができないその線には、いのちあるもののような魅力があります。
本作は、原画の鉛筆線の魅力を活かした映像づくりをするため、革新的な作画システムでの作業を経て、制作されました。近年のデジタルアニメーションに慣れた目には、一見、物足りなく見えるかもしれません。でも、昔話をおだやかに読み聞かせる声のように、本作の淡い絵はいろんなものを届けてくれます。
翁たちが里山にいる時の気温。季節感。翁が、小さい姫を呼ぶときの慈しみ。帝に近寄られた姫の恐怖、床板を蹴立て走る姫の怒り、さまざまな感情や肌触りが、絵から届くのです。

第二に、人間を描く点です。
平安時代=この物語の時代、結婚に際し、男性に選ばれることが一層の幸せとされ、そこにかぐや姫の意思は反映されません。一方、姫と結婚する男性は身分が高い方がいいと翁は考えています。それは、姫の幸せのためを考えつつも、自身のためでもある。
似たような価値観は、観客が生きる社会にも、いろんな形で残り続けています。ですので、昔話が昔話で終わらずに、観客に届く部分があるのではないでしょうか。性別を問わず、結婚に限らず、就職や入試など、選び選ばれることについて、幸せの基準について、観た人は何か考えるかもしれません。
故郷で幼馴染の青年と再会する場面では、かぐや姫の心は空へ舞い上がります。映画『おもいでぽろぽろ』で、男の子と話をしたタエ子が、天にのぼっていく描写がありました。あの映画は当時、等身大の女性=主人公タエ子の心の揺れを、リアルに感じさせるものでした。故・高畑監督のその手腕は、『かぐや姫の物語』でも発揮されています。本作でも、観ていて我が事のように感じる人は、いるのではないでしょうか。
当時の西村義明プロデューサーは、特に女性にはいろんな事を感じてもらえるのでは、と話していました。性別を問わず、未見の方はぜひどうぞ。

第三に、脇のキャラクターたちの、ユーモラスなデザインです。
ジブリのあの人似の翁、イケメンの帝に、『崖の上のポニョ』のポニョのような女官まで、個性的です。特に、最後に現れる月からの使者たちの姿は、必見です。悲しみや苦しみのなさが、見事に表されています。何かを口に入れて観ない事をオススメします。
他にも姫の声や姿の魅力など、注目点はあります。
紹介をこんなに長く書くほど、一人でも多くの観客に観てほしい作品です。

Smith & Mighty / スミス&マイティ
7

ヘヴィーでタフ、革新的なブリストルサウンドのパイオニア

イギリスの港湾都市、ブリストルで生まれたヘヴィーでダークな音楽。
90年代に地元のシーンから登場したマッシヴ・アタックやポーティスヘッド、トリッキーらが一躍有名になり、ブリストルサウンドと呼ばれるようになりました。
また、HIP HOPとエレクトロニカを融合させ、実験的な音楽を作り出したことから、TRIP HOPとも呼ばれています。

このブリストルサウンドのパイオニア的存在であり、マッシヴ・アタックのプロデュースをしていたのがスミス&マイティです。
ブリストルにはジャマイカからの移民が持ち込んだレゲエやダブがあり、そこにHIP HOPのブレイクビーツが参入。
ジャズ、ファンク、ソウルなどのブラックミュージックや、ハウスやドラムンベースといったクラブミュージックも取り混ぜて、雑食ながら非常にスタイリッシュな音楽スタイルが出来上がります。

差別なく貪欲に様々なジャンルの音を吸収したスミス&マイティのサウンドにはタフな姿勢を感じさせられます。
ヘヴィーな低音の響きが底知れない深みを与え、まるで魂に錨を下ろすようにズッシリときます。
そしてそこには、パンクの国、イギリスらしい革新、反逆の精神も。
街の壁にスプレーでグラフィティーを描き、クラブに集まっていたストリートの人々の掲げる旗が見えるのです。