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9ctakuya1995のレビュー・評価・感想

クラッシュ(1996年の映画)
9

交通事故に遭遇すると性的快感を感じるという数奇な映画人を暴力的に描いた佳作『クラッシュ』

『クラッシュ』は1996年に公開された米国のエロティック心理スリラー映画で、脚本・監督はデヴィッド・クローネンベルグ。J・G・バラードが1973年に発表した同名の小説を原作としています。映画では、自動車の衝突時に性的に発生する、一群の交感神経症に襲われるようになった映画製作者(ジェームズ・スペイダー)のありさまが描かれています。その他の出演は、デボラ・カーラ・アンガー、イライアス・コティーズ、ホリー・ハンター、ロザンナ・アークエット。
映画が公開されると激しい議論が巻き起こり、批評家からはきわめて多様な反応が返ってきました。ある批評家他は映画の大胆な独自性を讃え、別な批評家たちは性と暴力の映像表現を批判しました。カンヌ映画祭で特別公開されて、映画祭の特別審査員賞を受賞しました。この賞は毎年送られないもので、審査員賞からは区別されています。公式審査員のリクエストでのみ送られるのです。(たとえば前年には審査員賞と特別審査員賞が送られました。)審査委員長のフランシス・フォード・コッポラが特別審査員賞は「独創性、大胆さに与えられる」賞であることに触れた際に、議論の多い選考であり、一部の審査員は「きわめて感情的になって棄権」したと述べました。カナダの映画テレビアカデミー賞では6部門で賞を受賞し、クロネーンバーグは監督と脚本家として高く評価されたのです。

中間管理録トネガワ / Mr. Tonegawa: Middle Management Blues
8

「賭博黙示録カイジ」を知らなくても楽しめます。

本作は福本伸行さんが原作の漫画(及びアニメ)「賭博黙示録カイジ」に出てくる悪役・帝愛グループの利根川幸雄が主人公のスピンオフ作品です。
カイジ本編とは違い、利根川さん含む帝愛グループの幹部や黒服軍団たちの非常にコミカルでアットホームな姿が描かれています。兵藤会長もカイジでのバイオレンスで狂気的な部分がうまく笑いに変換されていて、軽快で絶妙なナレーションによるツッコミのおかげもありなんだか可愛らしいおじいちゃんに見えてくるほどです。
黒服軍団のごく普通のサラリーマン的な会話や、ちょっとあまずっぱい空気が漂う恋愛ネタもあり、かと思えば帝愛グループらしい突き抜けたエピソードもありますが、下品さやシュールさがないので、人を選ばず面白いと感じることが出来ると思います。
会長を始め破天荒な幹部メンバーに比べて主人公の利根川さんは常識人ポジションで、それゆえに苦悩する姿は郷愁すら誘いますが、決めるべきところはきちんと決め、なにより部下への思いやりがあるので、まさに理想の上司像という感じで、この作品で利根川さんのファンになる方は多いのではないでしょうか。
また、アニメ版は、福本さんといえばコレと言っても過言ではないくらいの名物効果音「ざわ…ざわ…」を元に、名前に「ざわ」か「さわ」のつく有名な声優さんたちが担当しており、毎回どなたが演じておられるのかチェックするのも楽しみのひとつです。また、おしゃれでかっこいいオープニングソングもポイントが高く、利根川さんの渋い決め姿にときめきます。
アニメ版はもう1つのカイジからのスピンオフ作品「1日外出録ハンチョウ」のストーリーも楽しめるのでおすすめです。