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7xpansy7のレビュー・評価・感想

LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
10

家族の不変の愛

この映画はインドとオーストラリアにおいて実際に起きた奇跡の出来事を題材にしています。
インドに住む幼いサルーは、兄のグドゥと一緒に夜の仕事に出かけた最中、一人で見知らぬ列車に乗りこんでそのまま居眠りをしてしまいました。彼を乗せた列車は故郷から遠く離れたカルカッタまで行き、サルーは正真正銘の迷子になります。
サルーの故郷とカルカッタでは使っている言葉が異なるため、周囲の大人に助けを求めることもできません。警察官に母の名前を聞かれたサルーはただ一言「ママ」とだけ答えました。幼すぎるため、まだ母親の名前を言うことができなかったのです。
日本では方言が違うといっても意思疎通ができる範囲なので、たとえ北海道で育った人が九州で迷子になったとしてもそれほど言葉の壁はありません。ただ、広大な土地を持つインドは地域によって話されている言葉が異なるために意思疎通が困難な場合があるそうで、このことがサルーが迷子になる決定打になってしまいました。
また、インドでは年間5万人の子どもたちの行方が分からなくなっているほど子どもにとっては生きるのが難しい国です。サルーが収容された孤児院も非常に劣悪で、虐待や性的暴行が横行しており、日本では考えられないほどの暴力が日常的に起きます。映画ではその辺もさりげなく示唆されています。
孤児院から脱出するため、サルーはオーストラリアの夫婦に養子として引きとられることを決意しました。しかし大人になった後も彼は、自分の「本当の故郷」を探し続けます。グーグルアースで。
「本当の故郷」を探せば探すほど養父母を裏切っているという罪悪感に苛まれていくサル-。しかし、ついに彼は幼いころの記憶を手繰り寄せて故郷を見つけることに成功したのです。また、養父母からの本当の愛に気が付き、その愛情を一身に受け止めます。
さて、この映画には一度もライオンが登場しません。ではどうして映画のタイトルは「ライオン」なのでしょう。それはラストに分かります。最後のたった5秒間のラストシーンのためだけにこの映画を見る価値があるでしょう。

ようこそ実力至上主義の教室へ / よう実 / Classroom of the Elite
8

通称『よう実』のアニメ。賛否両論あるが、人気ラノベのアニメだから、やはり面白い。 観終わったころには、原作のラノベが読みたくなること間違いなし。

主人公・綾小路清隆は、生まれた時から『ホワイトルーム』という施設で育った。
そのホワイトルームは、子供に徹底した英才教育をし、”凡人を天才”にするという。
ホワイトルームの最終目標は、天才を大量生産し、日本をいや、世界を掌握することだ。
そこで綾小路清隆は、『最高傑作』と呼ばれるほどの『天才』。
しかし、ある日を境にホワイトルームは稼働停止してしまう。

その時に、俗世間を学びたくなった綾小路清隆はホワイトルームを抜け出し、政府が運営する『高度育成高等学校』に入学する。
その高度育成高等学校のうたい文句は、『卒業すれば、希望の進学先、就職先に100%応える』というもの。
しかし、その恩恵を受けるためには『Aクラス』で卒業しなければいけない。
高度育成高等学校は普通の学校とは全く違い、学校関係者以外との接触の一切を禁じられ、クラスポイントと呼ばれるポイントで決まる『Aクラス』~『Dクラス』で競い合うというもの。

そこで綾小路清隆は、『Dクラス』に配属する。
学校での綾小路清隆は、目立たない普通の生徒を演じている。
だが、隣の席のヒロイン・堀北鈴音に自分の才覚の一部がばれ、Aクラスを目指す手伝いをしてほしいと頼まれる。
綾小路清隆は、自分の詮索をしないことを条件にその頼みを請ける。
そして、陰ながらに活躍していく物語。

Survive Said The Prophet / サバイブ・セッド・ザ・プロフェット / サバプロ
10

これが本当のインターナショナルバンド

「生き続けろと、予言者は言った」
以前聞いた彼らのバンド名の意味だ。Survive Said The Prophet(通称:サバプロ)は東京で結成された5人組。その意味通り、彼らは地道なライヴ活動を続けて音源をリリースし続けてきた。
私が最初に彼らを知ったのはまだインディーズの頃。2016年に発表された「FIXED」というアルバムだ。残念ながらこのアルバムは入手不可になりつつあるらしいが収録曲「Fool's gold」「Follow」などはMVがあるので是非チェックしてほしい。この2曲だけでも彼らの多面性がよく分かる。クリーンとスクリームが入り交じる激しい曲、ピアノから始まる繊細で美しい曲、サバプロの音楽は良い意味で複雑だ。その複雑さと全曲英語詞という絡みは日本人だけでなく海外からの評価も高かった。
2017年に発売されたアルバム「WABI SABI」は以前までの複雑さを残しつつも新たな境地へと進んで行った。このアルバムを初めて聞いたとき1曲1曲の完成度に驚きを隠せなかった。「When I」の心地よさ、「Network system」の爆発力、「Conscious」のキャッチーさ、どの曲にも物語があり、それが同じアルバムに収録されているのが信じられないくらいだった。
2018年にメジャーデビュー。ここからファンになった方も多いだろう、アルバム「space[s]」。HONDAのCMソングで起用された「Right and Left」、テレビアニメのテーマ曲にも起用されている「NE:ONE」など。そして以前にはなかった日本語詞の曲も増えてきた。この3枚のアルバムだけでも彼らの快進撃は想像以上。
ただ彼らはあくまでもライブバンドだと思う。是非、生で聴いてほしい。生き続けている様がそこにある。