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7fmimiyのレビュー・評価・感想

空の青さを知る人よ
6

現実をまだよく知らない、将来の夢を持っている過去の自分に会えたら、あなたはどうしますか?

アニメ制作チーム「超平和バスターズ」が描く、3作目の青春群像劇です。登場人物それぞれの感情に共感できる場面が多く、10代の頃に感じる将来に対する不安や周囲への不満がとても丁寧に表現されています。特に主人公、相生あおいの家族に対する葛藤は高校生にとって繊細な感情からくる誰にでも起こりうるものだと感じます。
主人公は幼いころに両親を亡くし、姉と二人っきりで生活をしてきた。姉は自分のために、将来の夢、恋愛、若者が経験をしてみたい青春を諦めてきた。自分のせいで姉は自由に生きられない。人生を奪ってしまっている。自分がいなくなればいいのではないか。これらの感情は、不安定な10代が抱える心の闇そのものです。
そして、それらの思いを解消することができるのは、やはり「言葉」です。劇中、登場人物達のそれぞれの思いを、伝えるべきである人に向けた「言葉」がすべて印象的です。さらに、この作品は過去への苛立ちを抱えたまま生きる大人にも向けられたものだと感じています。自分が思い描いていた、将来の夢の実現に近づいているにも関わらず「あと少し」手が届かない。その「あと少し」がどうにもならないほど大きな壁であるのを知ってしまったとき人は歩みを止めてしまうのでしょう。
これらの思いも自ら、動き出さなければ何も変えられない。何も動き出さない。それを教えてくれるのは壮大な空の青さを知っている過去の自分なのではないか。学生の子達よりも、仕事で悩み、今を生きるのに必死な社会人の方々にぜひ見てもらいたい一作です。

恋わずらいのエリー
7

ハイスペックなイケメンと喪女のラブコメ

ハイスペックなイケメン男子が目の保養になるラブコメ漫画です。

イケメン高校生の近江くんは王子のような存在で、群がる女子達には社交辞令的なキラキラスマイルで対応しているのですが、あくまでもそれは表向きの顏。
割と人間関係を煩わしく思っている彼は、さわやかに笑顔を保つことで、深入りするのを避けているのです。

しかし王子のような近江くんもやはりひとりの人間であり、弱かったり、かっこ悪かったり、子供っぽいところを持っています。
そんな他人が知らない本当の内面を、主人公のエリコにだけは見せてしまうところがキュンとくるポイントです。
エリコはめちゃくちゃ地味な喪女だけど、自分の趣味嗜好に対する欲望には忠実。
そういうエリコの世間ずれしていないまっすぐなところが、近江くんを惹きつけたのかなぁと思います。

はじめは妄想の対象として近江くんを見ていたエリコですが、接するうちに心の動きを知るようになり、もっとわかりたいと思うようになります。
人とまともに関わっていなかった二人が、ドタバタしながら感情を見せ合っていくところが微笑ましいです。
そして、両想いっぽくなっても妄想癖がなくならず、喪女属性なままのエリコも好感度が高く感じました。