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7d9bullet9のレビュー・評価・感想

Dr.有明〜名医の覚醒〜
9

医療ドラマ系に新風を起こした良作

医療ドラマ系の漫画は沢山あるが、およそのストーリー展開は似通っていて、ある意味次はどうなるのか?というハラハラは少ない様に思う。
もちろんそれ自体が悪いというわけではないけれど、私は医療ドラマ物を読む場合は、
ストーリー展開よりも登場人物の魅力に重きを置いて読んでいる事がほとんどだ。
しかし、Dr.有明については私のその固定概念を覆された。
ストーリー自体は、新人研修医が医療機関にある諸問題とぶつかりつつ、技術をあげていくというよくある物ではあるが、
斬新なのが、あることをきっかけに医療界の神と呼ばれる人物の知識や経験を取得してしまうところにある。
医療技術は伴わないのに一目見たら全ての症状を的確に診断できる神の目を持つ…このギャップがたまらなく面白い。
もうひとつの魅力が、専門用語も沢山使われているのに医療知識のない読者が読んでもすんなり理解できるような工夫もされているところだ。
難しい用語を分かりやすく解いているため、自身も主人公と同じ目線で医学を学び、経験を重ねられる様な気持ちになれる。
新人研修医と天才外科医の知識のギャップがストーリー展開を複雑にし、次はどうなるのか読み切れずにワクワク、ハラハラさせられる。
医療ドラマ漫画にマンネリを感じている方にも、また転生物にもちょっと満腹気味の方にもおすすめできる秀作だと思う。

田村ゆかり
10

世界一かわいい永遠の17歳!ゆかり王国のお姫様

日本の女性声優として、ずっと一定以上の人気を持ち続け、第一線で活躍するゆかり王国のお姫様、田村ゆかり。
愛らしい小さな女の子から、大人っぽい魅惑的な女性まで、その声は幅広く、演技力もとても高い。さらに歌を歌えばキャラクターソングだけでなく、主題歌やアーティスト活動も積極的に行っており、90年代から続くアイドル声優というジャンルの代表的な人物ではないだろうか。
彼女はライブスタイルもゆかり王国というだけあって、オタクの心をとても掴んでくるような内容で行われている。
彼女のイメージカラーのピンクのはちまきに法被を着て、会場でコールをしたり踊ったりできるのは、かなり最近の女性声優や声優アーティストの中で、あの一体感は本当に王国民の彼女への愛のなせる技としか言いようがない。
また、少し前まで声優としての代表作といえば、リリカルなのはの高町なのは役。そうコミケでのなのは完売が有名なあの作品だったが、もうそれも15年ほど時は経っているが。
とあるアニメのイベントで彼女がシークレットゲストとして現れた時、今をときめく若手女性声優が、たくさんいたにもかかわらず現れた瞬間に一瞬で彼女の空気に染まっていったのはまだまだゆかり王国が輝きつづける証拠だろう。
ラジオの自由なトークを始め、プリキュアになども出演したりと、幅広い世代から愛される女性声優アーティストの先駆者のひとりである。

リリイ・シュシュのすべて
8

十四歳のリアル。

ネットと現実世界のはざまでもがく14歳の物語。主人公の蓮実雄一役を演じる市原隼人はこの映画がデビュー作。数ある岩井俊二監督作品の中でもかなりセンセーショナルな作品だと思う。テーマはいじめ・売春・レイプ・自殺とあまりにもネガティブである。中学生の多感さは計り知れない。僕自身にとっても絶対に戻りたくない時代。大人でも子供でもないような曖昧さを含んでいる。タバコを吸ったり、初めてのセックスを経験する年代。誰の責任も取れない。主人公の雄一もまた周りの大きな負の流れに巻き込まれながら生活していた。ある意味、必死に。かつて、いじめられっ子だった親友の星野修介を演じたのは忍成修吾。沖縄で死にかけた経験が学年トップの優等生を鬼畜に変えてしまった。なんのために生きているんだろう?そんなの考えている暇はない。とにかく今を楽しむことを優先する。たとえ誰かを深く傷つけたとしても。そんな蓮実と星野にも共通の希望があった。それは謎の歌姫、リリイ・シュシュのライブに行くこと。蓮見が運営するサイト《リリフィリア》の中でだけ自分の存在意義を認めることができる。ネットに、リリイ・シュシュの歌声だけがリアル。エーテルという概念がそれに拍車をかける。リリイを聴きながら田んぼで絶叫する星野。日常などただの暇つぶしに過ぎない。それは最も普遍的な感情であったりする。子供も大人も自分に飽きている。灰色の時代。ニンゲンは飛べない。