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4ptom33のレビュー・評価・感想

ディア・エヴァン・ハンセン / Dear Evan Hansen
9

孤独な青年の嘘から始まる感動の物語

「Dear Evan Hansen」はスティーブン・チョボスキー監督による2021年公開のミュージカル映画です。同名のミュージカルの映画化作品で「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」の音楽チーム、ベンジ・パセックとジャスティン・ポールが楽曲を担当していることでも話題になりました。
本作の最大の特徴は、ミュージカル映画では珍しくSNSを題材にした現代劇である点です。ミュージカルが苦手、敷居が高いと感じている方にも身近なテーマとして入り込みやすい内容となっています。
社交不安障害を持つ青年、エヴァン・ハンセンはセラピーの一環として自らに宛てた手紙を書いており、これがタイトルにもなっている「Dear Evan Hansen」の由来です。物語は、この手紙を彼と同様に周囲の生徒から孤立している乱暴者の生徒、コナー・マーフィーに見られたことに端を発する出来事から始まりますが、エヴァンがコナーの親に彼との関係を「友人」として語った一つの「嘘」が、コナーの家族や同級生達、SNSを通じて多くの群衆に意図せず広がってしまうことで、その後のエヴァンの運命を大きく変えてしまいます。他人のことを思いやるが故につく悪意のない嘘を「ホワイトライ」と言いますが、本作はエヴァンがついてしまったホワイトライの物語です。
主演のベン・プラットはミュージカル版でも主人公エヴァン役を演じていますが、「Waving Through the Window」「You will be found」といったミュージカル版でも使用された楽曲は彼の歌声ならではの哀愁を感じます。プラットが映画版制作当時27歳でありながら10代を演じるにあたって批判もあったようですが、チョボスキー監督の譲れない思いがあったようです。youtubeの映画トレイラーでも視聴できるので、まずは楽曲だけでも聴いてみることをオススメします。
ミュージカル映画としてイメージする「ウエストサイド・ストーリー」や「グレイテスト・ショーマン」またはディズニー作品のような、華やかさ、派手さはないですが、誰もが感じたことがある若者の孤独、SNSがもたらす陰と陽を表現した傑作です。

ポケットモンスター ソード・シールド / ポケモン剣盾 / Pokémon Sword and Shield
7

ポケットモンスター初のswitch作品をズバっとレビュー!

思えばあれはまだ携帯ゲーム機が白黒ドットだった時代。
読書しか趣味がない内向的な小学生だった私の人生を激変させた一本のソフトがありました。
その名はポケットモンスター。
あれから22年、ニンテンドーswitchのハードパワーを存分に活かしたリアルなグラフィックと新要素・ダイマックスを引っ提げた新しいポケモンが私の手元にやってきた!というわけで、さっそく300時間ほど遊んでみました。
まずストーリーですが、序盤から中盤にかけてはなかなかドラマチックな作り。
キャラクターも個性的で好感が持て、話が進むごとに複雑な人間関係が浮かび上がってくるのも楽しいポイントですね。
ただ、ストーリー終盤はかなり駆け足というか展開が強引で、製作時間が足りなくなったのかな‥と不安になるような後味でした。
また、ストーリークリア後に解放されるバトル施設・バトルタワーはこれまでのバトル施設に比べて難易度が低く、対人戦の練習には到底なりません。
せいぜいパーティの試運転に使う程度で、我々対戦勢にとってはかなり物足りないですね。
育成に関してはかなり楽になりました。
ただ、レベリングを消費アイテムに頼ることでポケモンへの思い入れが少し軽くなったような印象を受けます。
苦労してレベリングしてようやく対戦デビューさせる喜び‥という醍醐味を削ったのは、古参にも賛否の嵐を巻き起こしている様子。
また、令和発売のゲームのくせにバグや不具合の多さも気がかりです。
特にインターネット対戦中の回線の不具合はかなり深刻で、3DS時代のほうが安定感があったように思います。
本来、私は病的にポケモンシリーズが好きなのでこういうレビュー評価ではだいたい最高得点をつけるものなのですが、以上の理由から手放しで素晴らしいソフト!とは言えません。
ポケモンの種類を削ったのも選定基準がよくわかりませんし、我々ヘビーユーザーを納得させるにはまだ未熟‥という印象が強い作品でした。