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0rnagataniのレビュー・評価・感想

容疑者Xの献身 / The Devotion of Suspect X
10

この作品の真の主人公は湯川ではない

東野圭吾原作のガリレオシリーズ初の劇場版にして、邦画の最高傑作の作品。
特筆すべきは湯川の大学の同級生で、現在は高校の数学教員を務めている堤真一演じる石神の存在だ。
原作の中で石神は湯川と対極の冴えない存在として描かれていたので堤真一を配役したのは美化しすぎではないかと鑑賞前は心配になったが、全くの杞憂だった。スクリーンの中の彼は完全に堤真一ではなく「冴えない数学教員の石神」そのものだった。
その石神が暮らすアパートの隣人である花岡親子を思うあまりに起こした行動は正に献身以外の何物でもない。善悪ではなくただただ純粋に彼女達を助けたいと思う気持ちが彼を犯罪へと駆り立て、残忍な方法で自らが盾となり2人を守ろうとした。
友人が凄惨な殺人に手を染めてしまった事に気が付いた湯川が内海に対して「僕がこの謎を解いた所で誰も幸せにならない」とこぼす姿には、いつもの「事件の理論だけを知れればそれで良い」、というドライな心情は欠片もない。
事件が明るみとなり連行される際、全てを悟った花岡靖子が石神に対して涙ながらにかけた「私も罰を受けます」という言葉に、今まで全く感情を表に出す事のなかった石神が「どうして」、と言葉にならない声をあげ、嗚咽しながら連行されていく姿は救い様のない悲しさと共に石神の人間らしい一面、そして数学の天才と称された彼が唯一愛だけを解明する事が出来なかったという事実が表れている。どうしても涙なしには見る事の出来ない悲しい結末だ。

活撃 刀剣乱舞 / Katsugeki/Touken Ranbu
10

魅力溢れる登場人物やストーリーは勿論、息を飲むほど綺麗な映像にもご注目!

DMM.comさんが手がける育成型ゲームのアニメとなります。
過去を変えようと目論む敵(時間遡行軍)と刀から人の身を与えられた刀剣男士の戦いを描いた物語です。

本作の魅力は歴史を守る事について葛藤し、成長していく刀剣男士とufotableさんによる迫力ある戦闘シーン、見惚れるほど綺麗な風景です。
刀剣乱舞の魅力を何十倍にも引き立てます。

第二部隊に所属する6振りの刀剣男士を中心に話が進みます。
結成当初は意見の食い違いで衝突し合い、バラバラな部隊ですが、共に戦い行動することで信頼を築いていきます。
いい部隊になるにつれ、最初の頃との違いに思わず笑みが溢れてしまいます。

時間遡行軍との戦いの中、本来傷つくことの無い筈の人々の姿に心を痛め、その時代を生きる者の心に触れ歴史を守るとは何か思い悩みます。
他にも圧倒的な強さを見せる第一部隊。
歴史を守るとは何か思い悩む者へ意味深い助言をするなど時に見守り、時に共闘する同じ主(審神者)に使える頼もしい仲間です。

後半では刀だった頃の持ち主との再会も果たします。
持ち主を待ち受ける辛い運命を思い胸を痛める刀剣男士に強い共感を覚えます。
大切な持ち主を助けたい気持ちと歴史を守る使命、矛盾する気持ちに葛藤する刀剣男士。
揺れ動く心にどう決着をつけるのか、心情の変化もこの作品の魅力です。

ONE PIECE / ワンピース
10

国民的人気漫画!ワンピースの面白さを語る!

漫画「ワンピース」は週刊少年ジャンプにて連載中の作品である。国内累計の発行部数は単行本第95巻刊行時点で、3億9000万部を突破しており、日本最高の漫画である。アニメ、映画、小説、舞台など、様々なメディア化が行われており、その人気は漫画だけにとどまらない。まさに国民的大人気漫画と言えるだろう。ストーリー自体はいたってシンプル。海賊王ゴールドロジャーが残したお宝「ワンピース」を求めて、主人公「ルフィ」が世界中を冒険する物語である。ルフィは、食べると金づちになってしまうが特殊な能力を得ることのできる悪魔の実の一種「ゴムゴムの実」を食べており、身体をゴムのように自由自在に伸ばして戦闘を行うのが特徴である。三刀流の剣豪ロロノア・ゾロ、トナカイで医者のトニー・トニー・チョッパー、ガイコツのブルックなどの個性的な仲間と共に様々な敵と戦い、お宝を探す王道のバトルアドベンチャー漫画である。抜けているところもあるが、仲間思いで一生懸命なルフィの行動やかっこいいセリフに心を打たれる読者も多いだろう。また、バトル漫画にありがちな、インフレして強くなっていく敵をただ倒していくだけの展開だけではない。ルフィ達が訪れる島々では差別、奴隷制度、独裁政権、貧困などが細かく描写されており、現代社会の闇とまっすぐな男ルフィが正面から対峙するさまが物語に大きな深みを与えている。

ビジャの女王
7

続きが気になる!

<あらすじ>
1258年.世界の半分を手中に収めたモンゴル帝国は、さらなる勢力拡大を目論み、ペルシャ高原の小都市国家ビジャへ攻め入った。
街を包囲するのはモンゴルが誇る最強騎兵。その数2万。
対するビジャの人口はわずか5千。
父の代わりに城を預かる若き姫オッドは、噂に聞いた伝説の集団「インド墨家」に助けを求めることにした。
果たしてこの謎の集団の正体とは?そしてビジャは持ちこたえることができるのか!?

<非現実的な設定 でもリアリティがある>

正直、モンゴル帝国や中東の歴史に疎い筆者ですが、読み始めたら面白くてページをめくる手が止まらなくなりました。
ビジャの城の大ピンチを脱しようと救いの手を差し伸べたスーパーヒーロー、墨家。
昔歴史の授業で聞いた記憶しかない、墨家。
調べてみると、中国の戦国時代に存在した思想家集団らしい。
思想家集団なのに戦に強いの?戦国時代で消滅したはずの墨家がなぜ中世に存在しているの?なぜインドに?
とその奇想天外な設定に一気に引き込まれました。

絵や戦闘シーンの描き方はかなりリアルで、見慣れてないと若干のとっつきにくさはあります。
戦術や道具の説明などが史実にのっとって解説されているので、「へー」と感心することも多く、その点でも読みごたえがあります。

まだ1巻しか出ていませんが、これからモンゴル軍の本体との戦いも始まるし、味方の宰相ジファルの壮大な野望もあり、これはもう面白くなりそうな予感しかしない!
まずは、墨家がどのような奇術を用いて戦を収めていくのか、次巻が楽しみです。