フラガール

フラガールのレビュー・評価・感想

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フラガール
10

炭鉱とフラダンスの隠された共通点

忘れた頃にまた見たくなる映画で、今回もまた忘れた頃でした。
日本アカデミー賞5冠受賞映画ということもあり、何度観ても感動して涙が溢れてきます。炭鉱という厳しい仕事をしていた時代の風景もあり、そして、新たな事業へ踏み込もうと努力して大変な思いをするそれぞれの家庭の風景、反対されてもそれを乗り越える勇気と根性、やる気と勇ましさ、何もかもが凄く心に熱く残るものばかりです。
プロは親の死に目にもあえない。
ホントそうだと思います。どんなに辛くて悲しいことがあっても表では笑顔でいなければいけないし、仕事に穴を開けられない。普通の職業だと忌引きとして休業が認められるけれど、芸事ではそれは成り立たない厳しい世界。炭鉱も芸事もどちらも厳しい世界ではありますが、命を落としても知られない暗い仕事より、命を落とす危険性がかなり低く、そして華やかに皆に喜ばれる仕事の方が全然いい。
知らない人達に新しい事を知ってもらうこと、教えることは、ホント大変なことだと思います。良く思わない人もいるのは当然。刺激が強すぎるということだってあります。ですが、それも無理に押しつけるようなことはいけないことで、地道に少しずつでも知ってもらうことこそ、本当の素晴らしさを知ってもらえるという内容の映画でした。
ちょっと自分の生活に疲れてしまった時などには、この映画を観ると何かが変わるかも知れません。

フラガール
10

蒼井優のダンスが圧巻!私はこれを見てダンスを始めました。

舞台は大規模な規模縮小に追い込まれた昭和40年の炭鉱町、福島県いわき市。職を失った人々のための町おこし事業であった常磐ハワイアンセンターが誕生するまでの物語。
常磐ハワイアンセンターの目玉は、なんといっても若い女性たちによるフラダンスショー・訳アリだが実力のあるダンサー平山まどかによる、ド素人の炭鉱町の娘たちへのフラダンスレッスンが始まる。中でも仲良しペアの紀美子と早苗はフラダンスにはまっていくが、家庭の事情で早苗はダンスを続けることができなくなり、町を去っていく。一人残された紀美子は一時はダンスを辞めてしまうが、早苗から励まされ一人続ける決意をする。まどかの厳しい特訓の成果もあり紀美子はみるみる上達し、まどかが街を去っていきそうになったり、仲間の小百合の不幸なども乗り越え、常磐ハワイアンセンターのオープンの舞台では堂々ソロを踊りきる。その姿をこっそり見に来ていた紀美子の母は、それまでのフラダンスへの偏見や紀美子への心配心を忘れて、感動を抑えられずにただ拍手するのであった。
蒼井優のソロダンスがただただ美しく、それだけでも見る価値ありです。レッスン風景や電車越しのまどかへのフラダンスを見て、フラダンスが表現するハワイの心を知ることができて、フラダンスへの興味もわいてきます。