ぼのぼの / BONOBONO

ぼのぼの / BONOBONO

「ぼのぼの」とは、いがらしみきおによる四コマ漫画、及び漫画を原作としたアニメ・映画作品である。1993年にアニメ映画化、1995年にテレビアニメ化、2002年に再度映画化、2016年に再度アニメ化した。ラッコの主人公「ぼのぼの」と、友人の「シマリスくん」「アライグマくん」、そして森の動物達と繰り広げる日常をゆるく、時に哲学的に描いた作品。

ぼのぼの / BONOBONOのレビュー・評価・感想

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ぼのぼの / BONOBONO
10

『ぼのぼの』がさりげなくくれるメッセージ

主人公の『ぼのぼの』を中心に繰り広げられる一件ほんわかした内容であるが、ここで是非とも注目して欲しいのは、キャラクター達から発せられる『言葉』にある。特に主人公のぼのぼのが発する言葉は、周りからすると、「くだらない」「つまらないことを考えてる」とあしらわれる事が多いが、よくよく聞いてみると、それは人生において何か大切なメッセージとして聞こえてくる。
1つ例を挙げると、「楽しいことってどうして終わってしまうんだろう?」という有名な台詞があるのだが、特にこの言葉は読者に、「確かに、どうして終わっちゃうんだろう?」と考えさせてくれる。原作ではスナドリネコさんというキャラクターが、「悲しいことや辛いことが必ず終わる為だ」という一応のアンサーを出してはいるが、それ以上にそれぞれがその意味を深く考察する様子が想像できる。
それ程までに、キャラクターが発する言葉には、人生の哲学的要素が多く含まれているのだ。そういった意味では、この『ぼのぼの』という漫画は、一件コメディ・ギャグマンガのようではあるが、マンガ界屈指の「名言」マンガであると言える。隅々までじっくり読むことで、より多くの深い言葉と出会う事が出来るだろう。