BONNIE PINK

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BONNIE PINK
10

日本版スウェーディッシュPOPの先駆者

1995年アルバム『Blue Jam』でデビュー、収録曲の『オレンジ』は当時全国のFMで
ヘビーローテーションとなり注目を集める。
2作目のアルバム『Heaven's Kitchen』では当時流行っていたスウェディッシュポップの第一人者
トーレ・ヨハンソンをプロデューサーに迎える。
その後のアルバムもトーレ・ヨハンソンを中心に主に海外のプロデューサーによるアルバム制作を
行なう希少なアーティストである。
2006年には某化粧品メーカーのタイアップ曲『A Perfect Sky』をリリースし自身最高のヒット曲となる。
その年の紅白歌合戦にも出場する。

どちらかと言えば低音のボイス、そしてどこか物憂げな歌声はトーレ・ヨハンソンがプロデュースする曲と
非常にマッチしている。
デビュー当時に一世を風靡していた小室ファミリーの超高音女性ボーカルとは非常に対照的であったことが
当時の記憶として残っている。
また彼女書く詞はどこか文学的で独特の世界観を持ち得ている。
そして今でこそ多数存在するが、デビュー当時より英語による作詞も精力的に手掛けていた。
その為、当時の若手アーティストでは、良い意味で異質な存在でもあった。

お勧めの曲は『金魚』、『犬と月』、『過去と現実』、『Tonight, the Night』の4曲
中でも『過去と現実』は日本人には耳馴染みの良いメロディーと覚えやすい歌詞で個人的には1番のお気に入り
『A Perfect Sky』は自身最高のヒット曲であるものの商業的な臭いが強い為、らしさが感じられず
あまりお勧めできない。
お勧めのアルバムは『evil and flowers』
前半こそ明るめの曲があるものの全体を通して聴くと憂鬱なイメージを漂わせるアルバム
賛否両論に分かれると思うがBONNIE PINKが唯一無二の存在と感じる代表作であると思う。

2012年を最後にオリジナルアルバムをリリースしていないが今後の活躍にも期待する。