One on One 34th note『face-to-face』

One on One 34th note『face-to-face』のレビュー・評価・感想

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One on One 34th note『face-to-face』
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今話題の劇作家 浅井さやか書下ろしシリーズ作の第2弾!今度はグランマ思いの作家を救う!?

2021年に上演されたコムロ探偵シリーズ第1作『back to back』に続く第2弾。勿論、作・演出・音楽は全て浅井さやか氏が送る完全オリジナル作品。
第1作目は探偵であるコムロがメインの語りから、本作は新人のワダにシフト。彼はホームズとワトソンに憧れ、ミステリー小説家を目指している。ワダを演じるのは、舞台『魔法使いの約束』の主役に抜擢され人気上昇中の新正俊。1999年生まれの期待の若手である。他のキャラクターも演じるのは歌もダンスもできるプロたち。そして今回もピアノの生演奏を務めるのは、はんだすなお氏。本作はミュージカルで、普通のセリフの中から急にピアノ伴奏と歌が始まる。とあるシーンではキャラクターから、ピアノの演奏をストップ、そして開始してほしいといった笑い溢れる演出も楽しめる。現実世界にピアノ演奏者はいないはずなのに、キャラクターの心情や状況をうまく表現する場面に、客席が和み笑いに包まれる。
想像のシーンでは、小道具で自分たちの名前を表し、少々大げさな演技に戸惑う観客もいれば、場面の変わったことの面白さに魅了される観客も少なくない。コムロ探偵事務所を訪れたお客様を飽きさせず、そのまま引き込んでいく浅井氏の演出。第3弾はいかに!