MARS(漫画) / マース

MARS(漫画) / マースのレビュー・評価・感想

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MARS(漫画) / マース
8

内容も繊細だけど、漫画のタッチもすごく繊細な作品です。

惣領冬美さんのMARSは、1996年から別冊フレンドに掲載されていました。
主人公は、内気な女の子である麻生キラと、そんな彼女とは正反対な性格の樫野零です。
過去に色々あり、男性恐怖症になっていたキラですが樫野の無邪気さに惹かれて付き合うようになります。
人気者の樫野と付き合うことでクラスの女子から嫌がらせを受けたり、幼馴染の元カノが現れるなどの波乱が起こりますが、二人で乗り越えていきます。
幸せに高校時代を過ごしていたのですが、いよいよクライマックスというところで桐島という男が現れます。
この男、過去に犯罪を犯したことがあるのですが、自分が樫野と同類だと言い、キラを恨んで殺そうとします。
物語の最後で手に汗握るラストがまっている読者を飽きさせない展開が続いています。
重めの内容ですがお互いの好きという気持ちがぶれることなく、突き進んでいく二人が幸せになったラストは涙がでます。
内容がとても深く、少女漫画とは思えないほど男女のあり方を考えさせられる作品です。
また、作者である惣領冬実さんは美大卒の画力に優れた漫画家です。
一度読むとわかるのですがどの角度からもぶれないデッサンと、絵のタッチには安心感と感動を覚えます。