21ブリッジ

21ブリッジのレビュー・評価・感想

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21ブリッジ
7

チャドウィック・ボーズマンの生前、最後にアメリカで公開されたサスペンスアクション

『チャドウィック・ボーズマン』といえば、『アベンジャーズ』などのマーベル・シネマティック・ユニバースの1本、『ブラック・パンサー』で主人公を演じて一躍世界的なスターになった俳優だ。
そんな順風満帆にも見えた彼も2020年8月、大腸がんにより43歳の若さでこの世を去った。
その彼が闘病中に出演したサスペンスアクションがこの『21ブリッジ』。
とある夜にコカインを盗み出そうとした2人組が、見回り中の警官を殺して逃走した。
この事件の捜査を任されたチャドウィック・ボーズマン演じる主人公の『アンドレ・デイビス』という刑事は、事件の起こったマンハッタン島を封鎖して、翌日の朝までに何とか事件解決に向けて奔走するという筋立てである。
マンハッタン島を舞台に、一晩の出来事を描く『21ブリッジ』。
マンハッタン島には17つの橋と4つのトンネルがあり、それを合計すると21になることから、この『21ブリッジ』というタイトルが付けられているようだ。
監督は本作が劇場用映画としてはデビュー作になる『ブライアン・カーク』。
プロデューサーは『アベンジャーズ』シリーズでも監督を務める『ルッソ兄弟』が務め、『シエナ・ミラー』、『テイラー・キッチュ』、『J・K・シモンズ』などが脇を固めた。
どこか影を落としながらも、正義の名のもとに行動するチャドウィック・ボーズマンの姿は、まさに彼の得意とするところである。
99分という短めの上映時間の中に、マンハッタン島という限定された空間でのアクション、2人組の犯人の背景、隠された陰謀などが盛り込まれた娯楽作となっている。
43歳という若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマンの、活躍する姿をぜひ目に焼き付けよう。