THE 有頂天ホテル

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THE 有頂天ホテルのレビュー・評価・感想

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THE 有頂天ホテル
3

登場人物が多すぎる

大晦日の10時から12時の間にホテルで起こる人間模様を描いた群像劇です。主役の役所広司は、副支配人としてすごく機転もきくし、すごいのに、なぜか別れた元妻にカッコつける男の役を演じていました。そんなカッコつけなくてもと思いますが、まあ、男の悲しさですかね。役所さんはおもしろいので、なかなか、良かったと思います。松たか子さんも強い女で良かったです。でも、いろいろと大げさな人が多すぎて、見ていて癖がつよいっとイライラしました。三谷幸喜さんは香取慎吾さんを気に入っていて、よく使っていますが、私は彼が演技が上手いとは思えないし、なんか作り物的な笑顔だし、もっと年のいった大人の男を演じればいいのに、少年みたいな役をして、下手だなと思います。それに、篠原涼子のコールガールって。日本にコールガールなんていますか。デリバリーヘルスの人ならわかるけど、一人でやってるコールガールなんて、アメリカじゃないんだからと思いました。というように、気になる人もいるし、第一、登場人物が多すぎてよくわかりませんでした。唐沢寿明の役とか別にいらないなと思いました。唐沢くんが友情出演してくれるとかはうれしいけど、あんな癖ある役じゃなくてよくない?だから、長くなるんだよと思いました。もっと、人を絞って、短くまとめた方が良かったと思います。

THE 有頂天ホテル
10

配役設定の絶妙さ

三谷幸喜サンの真骨頂と言える作品です。
とんでもない配役ぶりでキャストが登場するたびに”ここでこの方使っていいの!?”という驚きとワクワク感に満ちています。あのYOUサンがあんなキャラで、まさかの佐藤浩市サンがあの役柄でという良い裏切り感が癖になって何度観ていても飽きません。そして、ヤッパリそうきたかというキャラのオダギリジョーさん、西田敏行サンが余りにもはまり役でもう前のめりで引き込まれます。全員野球ならぬ全員メインキャストという痛快さで観終わった後は全ての俳優の方のファンにならずにはいられません。
かの有名なハリウッド映画”グランドホテル”を持ち出していながら、全ての俳優陣が思いっ切りドタバタ劇を演じ、”グランドホテル”に引けを取らない怪演っぷりで流石三谷幸喜ワールドと唸ってしまいます。
散々ネタバレ的に書いたのでもう一つ加えると、曲者キャラの中で”こんな役やっていいのですか!?”と、思わず口にしたくなるのが唐沢寿明サンです。ここまでの化け方はこの方ならではの格好悪さで、唐沢サンでなければこの作品全てが台無しになったと言っても過言ではないと思います。濃ゆい役柄なんですが流石の一言です。
俳優サンが奏でた個性のハーモニーを三谷幸喜サンならではのレシピで仕上げた最高傑作です。